「第3回日中友好平和学習の旅に参加して」 藤川末子

「第3回日中友好平和学習の旅に参加して」  藤川末子
 -たくさんの人と出会った旅、たくさん涙した旅-

 2004年8月17日、12人の同行者が広島空港に集合。新しい友人ができた瞬間。どんな旅のドラマが始まるのか、楽しみでもあり、興味津々。上海到着から、出迎えの常嫦さんの通訳で、南京まで。“なんと中国は、広大”を実感。4時間走っても山ひとつなし。早速歓迎を受けた。「南京大屠殺遭難同胞紀念館」朱成山館長。中国の要人であろうのに、私達と気軽に話してくださる姿に感激。次の日、涙なくして見れなかった紀念館見学。歴史の事実をこの眼で確信し、思わず手をあわせていた。小さな子供のむごたらしい遺骨をみてまたまた涙してしまった。日本軍の侵した罪は途方もなく大きい。

 北京では河北大学陳俊英教授と出会った。どんな方だろうと思っていたら大学の先生とはとても思えなく、気さくで人間的にとっても魅力のある方だった。行く先々での気配りには本当に頭が下がった。感謝で一杯。地下道遺跡では、毒ガスが使用された事実を知って、辛くなってしまった。日本軍の侵した罪は今でも消えることはない。

 19日いよいよ北坦村へ。とうもろこし畑を延々とバスで行った。(ドラマ「大地の子」の中に出てくる羊飼いの風景に何度も出くわしながら。)一つの村(北坦村)すべてが焼き尽くされ、毒ガスにやられ唯一生き残った方の証言はすさまじいものだった。霊園におもむき無念になくなられた村人達のご冥福を祈りながら戦争は二度とおこしてはならないと肝に銘じた。

 次の日北京で人民抗日戦争紀念館で1~2才の子供であろうか、母や父を殺されひとり火傷を負いながら泣いている写真がとても印象に残った。同じ写真が上海抗日紀念館にもあった。

 涙が自然にあふれてしまった。戦争の悲惨さを、またここでも実感。

 戦争は二度とごめん。「加害者にも被害者にもなってはいけない。」

 平和がいつまでも続くことを願いながら、訪れる先々で発せられたこの言葉の意味を深く心に刻んで旅を締めくくった。