自分で相続の登記の必要書類を集めるには

相続の際の登記の必要書類は相当量にのぼることが時折あります。必要書類の収集を司法書士に依頼する方も多くいらっしゃいます。これらの必要書類をご自分で取得されるメリットもあります。多くの司法書士事務所で相続登記の司法書士報酬が安くなるようです(当事務所は42,000円を基本セット料金としておりますが、必要書類の取得をご依頼いただく場合は別途料金をいただいております)。また、これらの書類は銀行の手続きなど、ほかの場面でも利用が可能です。
以下、広島市においてご自分で相続登記の必要書類(遺産分割協議による場合のもの)を取得するための方法を申し述べます。住民票(除票)の写しは戸籍(除籍)の付票で代替できます。ごく一部の特殊なものを除いては、令和6年より本籍地以外でも戸籍等の広域取得が可能で、配偶者や直系尊属の戸籍は広島市で他の市区町村のものも取得可能です。
休日の書類の取得は広島市中区基町の水道局の市役所サービスコーナーが便利です。ただし、住民票の写し(消除されたものを除く)と印鑑証明書以外の書類は休日の即日交付はされませんから、休日だけでそれ以外の書類も取得しようとする場合は、まずある休日に申請のみをし、別の休日に受け取りに行く必要があります。また、広域取得にはサービスコーナーは対応していません。

マイナンバーカードをお持ちの場合、コンビニのマルチコピー機でも取得可能です。料金も広島市の窓口より少し安く設定されています。取得できるのは、住民票の写し、戸籍の付票、現在の戸籍、印鑑証明書などです。裏面に偽造防止用画像等があるので、コピーを合わせて提出して原本還付を受ける場合、表面のみではなく、裏面のコピーも必要です。


必要書類一覧

●被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍)謄本   相続人を確定するために必要です。平成以前に出生された方のものは、サービスコーナーでの取得はできず、区役所の窓口を利用する必要があります。「相続の手続きに必要なので」と説明され、窓口の方にご相談されると色々教えていただけます。

●被相続人の本籍地記載の住民票(除票)の写し   被相続人の登記簿上の住所と本籍地が完全に一致する場合は不要ですが、そうではない場合は、被相続人の特定のため、つながりを示すことができる書類が必要となります。

●法定相続人全員の戸籍謄抄本   相続人の存在を確認するために必要な書類です。相続が開始された日以後に取得されたものであることが必要です。

●法定相続人全員の住民票の写し、印鑑証明書   一部の相続人については相続登記自体には必要ありませんが、住所の確定、意思の確認などのために必要とされています。

●本年度分の固定資産税納税通知書   お手元になければ市税事務所で固定資産評価証明書を取得することになります。登録免許税の額(相続登記の場合は固定資産税評価額の0.4%)を計算するために必要とされています。不動産の地番や家屋番号もわかります。

以上が通常必要とされる書類ですが、事情によっては他の書類が必要となる場合もあります。銀行の手続きなどでは特に期限があるものもありますので、できれば新しいものを用意した方がいいでしょう。