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効果的な治療・援助

健康な明日のために必要なことは、
原因を追求することではなく、維持されている持続因の解明と、それへの具体的な対処の工夫なのです。


 私が心理援助・心理療法を実施していくうえでの基本的な考え方は、クライエントの明日のために何が必要になるのか、具体的にどのようにしたりどのようにあったらよい結果や成果につながっていくのかということを考えていくのです。こうしたことについて、いつもいつも考えています。そしてそのためにしていくことは、原因の追求ではなくて、持続因の解明とそれへの対処の工夫なのです。どのような条件や因子があるから、問題や症状が存続していくのかを検討していくということです。

 人の行動を、常に行動環境(生活の画のさまざまな条件、周囲の人々とのかかわり、社会的責任や役割など)とのかかわりにおいて捉えていき続けます。行動し生活している環境とクライエント自身との両者のより望ましい変容や調和を図っていこうと検討していくわけです。これが私のセラピーの根本的哲学です。このことは一見、対処療法的に見えるのですが、単なる表面的な症状や問題除去をしようとしているのではありません。根本的な対応を考えていくということです。

たとえば、山火事が何日も燃え続けていると考えてみてください。間違いなく明日もあさっても燃え続けていきそうです。このような時に、その火事の原因を明らかにしても、現在そしてさらに明日も燃え続けていく山火事にとっては、何の意味も持たないのです。
 現実的に対処していかなくてはならないことは、火事の持続因に対して何をしたらいいかということです。山火事の場合の持続因は、火が存在することと、燃えるもの(木や草)の存在なのです。また、火事が持続しやすい副次的な要因としては、木や草など、燃えるものが発火点に近く熱せられているということなのです。

 これらの存続・継続していくに役立っている諸要因を処理できたたならば、山火事は容易に鎮火され終焉していくのです。過去の原因を追及することは、今の山火事には何の役にも立ちません。火事が消えた後、問題がなくなった後に、将来同じような問題が、同じような状況で生じさせないようにするときにのみ役立つだけでしょう。
原因追及をし、正しい原因が分かったとしても、そのことによって、今の問題の解消ができるわけではありません。あまり、エネルギーを注いでいくには意味のないことなのです。しかし、とくに数十年前頃から、多くの人々は、原因さえ分かったら、解決するのだと信じ込んでいます。非科学的な不思議な信仰とでも言うべきことです。

 私は、このように具体的現実的な対処すべきことを常に考えて心理相談を実施しています。人間をより心理的、社会的、生物学的存在と考えているからです。生きている限り人は常に今の生活環境・生活状況・条件の下で、何かを考え・感じ・自ら宵と思える何らかの行動をとって生活しています。その行動が身体機能を乱し、健康を損ねるものであるならば、症状の除去、健康の回復・増進を図るべくその行動を修正・変容・治療の対象としていきます。

 愛は、治療者の前提となる哲学や奉仕の為には必要なものではありますが、問題や症状改善のためには十分な条件ではないのです。


健康な依存のススメ 〜感謝は人間関係での最大級の贈り物です〜

人にたずねたり、教えてもらったり……
助けをかりることは、その相手に、お礼が言えるチャンスを作っていくことなのです。


 依存ということばは、非自主的で、自立的でない印象が強いように思われていて、否定的に扱われてすぎてきているように思います。日本の文化は、依存は悪いことであるかのように扱ってきました。自主独立、自力で立ち直る、単独で成功するなどという事態には賞賛を惜しみませんけれども・・・。

 しかし、依存は決して悪いことばかりではないのです。自分のすべきことを放棄してまで、まったくの依存のしっぱなしというのは、確かにいただけませんし、薬やお酒への依存も大いに問題になるでしょう。しかし、他者への健康な依存は自分や相手の精神的健康にはなくてはならないものだとお思います。

 例をあげてみましょう。あなたが誰かといるときに、その人が「あのとき教えてもらって助かりました。ありがとうございます」と言われたら、どのように感じるでしょうか?

 きっととても嬉しく幸せな気分を抱くことになるでしょう。こうした経験は、質問を受けたり、教えてあげたり、助けたあとにもらえる言葉や態度なのです。

 そうなのです。健康な依存…人にたずねたり、教えてもらったり、助けをかりることなどは、その相手に、お礼が言えるチャンスなのです。人に感謝という人間関係での最大の贈り物をするために、ぜひ健康な依存を、ためらわずに実践してください。

 当相談室で健康に依存し、学び、問題解決への解析方法や対処法を身につけて行ってほしいのですが、ご自身の最終的目標はセルフコントロールです。学んだ知識や問題の解析方法、そして対応技法を自由に使いこなしていけるようになることが大切な目標なのです。そして自分の周囲の人々に、学んだ知識や技法を広げていっていただきたく、つまり自分という存在が周囲の人々に役に立つ存在だと実感していただけるようになることを、こころから願って、私は心理相談を受け、援助していこうとしています。

西日本メンタルヘルスセンター総合相談室