海の手の跡(2)
波と砂の作品が、波打ち際に
は散らばっています。ガラスは
角がとれて、小さな餅菓子か、
砂糖菓子か、ドロップスのよう
な優しい姿をして、かつて壜や
食器であった頃のことは忘れて
しまっているのでしょう。磨りガ
ラス状になった、まあるい塊が
一ヵ所ポコッと欠けて光ってい
ます。カケラとなってからの日が
浅く、透明な色を残したガラス
片だって、波打ち際から拾いあ
げると、しずくとともにキラキラ
光ってきれいなものです。
陶片、ガラス、貝、石・・・海のカケラたち
海が手を加えた小さなカケラたちの中には、陶磁器の
細かい破片もあります。小さく磨りへって薄茶いろだった
り、湯のみ茶碗の模様が残っていたり、時には濃い藍色
をした明治の皿の破片や、江戸陶片だってありますが、
べつに古い時代のものでなくてもいいのです。私はこれ
らを「おはじき」と呼んでいて、十円玉くらいに小さいこと、
角が完全に摩滅していることを基準に拾います。集める
と色はきれいだし、楽しいものです。
←ちょっとずつ、ちょっとずつ、欠けては摩滅して・・・
手の込んだ作品です。
まるで人間のような
感性?で、小さな木
のまわりを切とってい
ます。
明治の印判皿の真ん中部分、
松竹梅文?が切手のように、
タイルのように。
すり鉢の小さなカケラ
↑
「箸置き」にいかがでしょう。
陶片茶房
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台所から、
小さく、小さく、
小さくなって・・・