海の手の跡
陶片茶房
遠い昔捨てられた陶片たちは、
長い年月を海岸で過ごすうちに、
波に洗われ、砂に埋もれ、大きく
割れたり、少しずつ割れたりして、
海岸陶片へと姿を変えていきまし
た。これらは、人間が落として割っ
たのとは違う形に生まれ変わって
います。
浜田市国府海岸の陶片
波の激しい日本海に面した浜田
市の海岸で拾ったものは摩滅が
ひどくて、丸っこい感じです。
広島湾の穏やかな干潟で眠って
いた宮島の陶片は、まるでお皿を
ガジガジと齧ったようだったり、ヘ
タクソにハサミで切ったような形だっ
たりします。少しずつ欠けていった
ために、くにゃくにゃの不思議な形
になって、それが何かの偶然でき
れいに摩滅した・・・なんてのもあり
ます。菊の花の形に丸くなっている
のは、高台にそって割れただけと
解ってはいても、海の遊び心のよう
な気がしてしまいます。
宮島の陶片