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 海岸を歩いて、一番よく見かける陶
片は昭和の器たちです。それも、意外
なことに、現代のものではなく、昭和
初期から戦後、不燃ゴミの回収システ
ムが普及する頃までの陶片が海岸に
は幾らでも散乱しています。私は最初
これらを、珍しくも美しくもないと思い、
拾いませんでした。

昭和の器
(似島 宮島など)

緑二重線タイプ
(似島 大久野島
 宮島など)

 ところが、いろいろなデザインで無数
に生産され、ひとくくりにできるとは思え
なかった昭和の陶片ですが、海岸を歩
くうち、古くはないけれども、現在のもの
とは違う、「いつもの陶片」として、私が
認識していることに気づいたのです。骨
董市でこれらは、100円均一で売られ
ていました。お店の人に聞くと、たいて
い昭和初期という答えが返ってきます。

 左や上の写真のようなタイプの陶片が、たくさん出てき
ます。絵の線が微かに窪んでいるものもあります。しかし、
銅版印刷の線に比べて、べたっとした感じで、ベタ塗りの
部分が、銅版印刷はよく見ると細い線の集まりであるの
に対して、こちらはスタンプのような感じがします。しかし、
デザインのどこかに銅版印刷の名残を感じます。

スタンプのような
感じ (江田島)

昭和17〜20年頃
統制番号あり
このデザインも
よく見つかります。
 (似島)

どんなものが拾えるか

4.昭和の陶片たち(1)

 これらの陶片は、知りたいと思っても
資料がなかなか手に入りません。私に
とって???だらけの陶片たちです。
 そういうわけで、昭和の陶片として取
りあげましたが、実は大正時代末のも
のが幾らか混じっているかもしれません。
また、戦後の昭和30〜40年代以降の
ごく新しいものも混じっているかもしれま
せん。不確かなのです。それでも、これ
らの陶片をなんとか取りあげてみたいと
思います。

昭和17〜20年頃
統制番号あり
( 似島)

(金輪島)

 模様のデザインや印刷方法から、昭和の陶片の正確な時代を区別するのは難しい
と思います。それでも、安い量産食器の主流であった時期を知ることで、幾らかの判断
はできそうです。


これも、同じような印刷方法ですが、戦後のものでしょうか。
このタイプの印刷方法で、戦後もけっこう長く作られている
のかもしれません。ひょっとして、戦前の、幻の東京五輪?
だと、ちょっとうれしいのですが・・・

※ 写真をクリックすると大きくなります。

   また、( )内の地名は採集地です。

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