どんなものが拾えるか
3.近代陶片(4)
(宮島 似島)
この手の器を骨董市で、店の主人
に聞くと、たいてい明治と言われます。
私には詳しいことはわかりません。
ある時期に大流行したデザインなの
か?、どこかの地域で作られていた
のでしょうか?・・・海岸でも、たまに
見かけます。
型押しの小皿たち
(宮島など)
印判皿より、やや高級品だったのでしょうか。ときどき見か
ける色絵皿です。 美しいですが、よく見ると色の塗り方など
は雑で、素朴な雰囲気もあります。昔、神社の祭りの日に、
小さな女の子が着ていた着物を思わせます。
色絵皿いろいろ
(宮島 倉橋・鹿老渡
大崎下島・大長)
海岸のブランド品
これらの陶片は最初の頃、現代のものと見分けがつかず
拾いませんでした。海岸を歩きながら、骨董市を覗き、アン
ティーク雑誌を読むうちに、印判の器ほどではないけれど、
ある頻度で出てくる、これらの器たちに気づき、拾い集める
ようになりました。
裏印−A
似島の港近くの海岸で拾ったノリタケです。ここの海
岸は昔のゴミ捨て場跡が良い状態で残っていて、近
代のあらゆる生活用品が出てくるのですが、そこで見
つけました。ノリタケ以外にも、大倉陶園、東洋陶器
(後のTOTO)を見たことがありますが、その時は、こ
れらの裏印の知識がなく拾いませんでした。また出て
きたら、今度こそ拾おうと思っています。
ノリタケいろいろ
(似島)
上の写真のうち、右上の皿には、
意匠登録の番号(裏印−A)が書か
れていました。それによると、皿の模
様が、大正9年に、コーヒーカップの
デザインとして登録されていました。
和風の青い模様は、模様のズレや
かすれもなく、とてもきれいなため、
しばらく気づきませんでしたが、銅版
裏印−B
懐かしい風景の皿たち
かつて広島の江波焼と思われていた器の多くは、佐
賀県塩田町の志田窯製だそうです。本に出ている「江
波焼」タイプの皿は、もっと高級品らしい様子をしていま
すが、それを雑にしたような皿が、海岸から出てきます。
私が拾ったものは、明治のものが多いような気がしま
すが、幕末頃も混じっているかもしれません。
山とも島ともつかない皿の絵は
広島湾に浮かぶ、安芸の小富士、
似島の姿によく似ています。
もともとは富士山を描いたらしい
絵は、たぶん日本中の海辺にそっ
くりなのかもしれません。そのため
に誰にでも好かれ、たくさん作られ
たのでしょう。
表と裏 (宮島 能美・中町)
※ 写真をクリックすると大きくなります。
また、( )内の地名は採集地です。
印刷のようです。左の皿の裏印は消えかかっていて、写真に撮れませんでしたが
「オールドノリタケ コレクターズガイド」(トンボ出版)という本に、同じものの写真が
ありました。コーヒーカップの受け皿です。下の小皿も(裏印−B)も受け皿ではない
かと思います。