海岸陶片の基礎講座 (^^ゞ その2

 陶片探しに良いのは集落近くの干潟ですが、地図で探して行ってみても、既に
埋め立てられ、古い陶片が埋まった干潟など、跡形もなくなっていることが多いの
です。そこで
狙い目なのは、観光潮干狩りの会場です。干潟がなければ潮
干狩りなどできませんし、昔からアサリの掘れる場所を、そのまま利用しているこ
とも多いからです。隅の小石のごろごろした場所に陶片があります。潮干狩りに出
かけることがあれば、貝を掘るついでに探してみてください。交通の便も比較的よ
く、カイカキも貸してくれますし、トイレもあります。               

 大きな観光地にある干潟では、景観を守るために、海岸が他では考えられ
ないほど昔のままに保たれています。しかも昔から人で賑わい、店や食べ物屋も
多いため、
出てくる生活ゴミの、量も質も、飛びぬけてよいはずです。私の
歩く範囲では、安芸の宮島がそうですが、日本各地にあるのではないかと思いま
す。人の多い場所だから、古いものなどないだろうと思わないでください。人は、そ
こにあるものを見るのではなく、自分の見たいものを見ているようです。海岸にゴミ
が散乱しているのも、そのためですし、同じ理由で、何十万人、何百万人の通過し
た足元に古い陶片はあるというわけです。

海岸で見つけやすい陶片たち (2)

広東碗 (宮島)

※ 写真をクリックすると大きくなります。
   また、( )内の地名は採集地

見込みの模様

 広東碗は18世紀末〜幕末頃
作られた飯茶碗で、もちろん日
本製です。
頑丈な底の部分
がよく目立ち、
多くは左下の
写真のような感じで出てきます。

 江戸時代の雑器には、見込みにワンポイント模様が
あるものが多く、広東碗にもあります。

底の部分
(宮島 
 竹原市忠海町長浜
 広島市八幡川河口 )

拾いやすい場所

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 このワンポイント模様は、現代のレトロ風デザインの
食器にも見られますが、今のものは模様も、植物は植
物、幾何学模様は幾何学模様と、何を描いたのかすぐ
判りますが、江戸陶片の模様は、元になったパターン
がわからないほど崩れ、まるで汚れやイタズラ描きのよ
うです。

 明治になると、この手のワンポイント模様はあ
まり見られなくなり、これも江戸陶片を探す時の
一応の目安になります。

touhenkutsu

拾いやすい時期

 地域により差があるようですが、潮の干満の差の激しい場所では、大潮の日の
干潮時を狙って歩きます。いつが大潮の干潮時かは潮汐表で確かめます。潮汐
表はネットで検索するか、釣具店で入手できます。大きな本屋にも売っています。

 また、潮干狩りをする人の多い春から初夏にかけては、干潟が掘り返されます
ので、ゴミとして埋まっている古い陶片がよく出てきますし、台風の後や、長雨の
後などは、川の水が増水して、河口の泥を削りますので、素晴らしい大物を拾う
チャンスです。