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宮島の陶片 (〜江戸時代) (3)


たくさん拾えるもの その2


刷毛目模様の陶器

 宮島からは刷毛目模様のついた陶片がよく出ます。碗や鉢、片口、火入などで、ちょうど飯茶碗程度の大きさのものもあれば、分厚い底のある武骨なタイプ、かなり大きなものもあるようです。一つ一つは地味な器ですが、集めてみると、大地の色をコレクションしたような、豊かな姿をしています。共通した雰囲気を持っていますが、よく見ると断面の土の色はさまざまで、大きく分けて、赤いレンガのような土、濃灰色の土、ベージュ〜黄土色っぽい土の3種類と、その中間的な色合いのものがあります。高台内に釉が掛かっているものも多く、新しそうに見えたため、陶片を拾い始めてからしばらくは、見かけても拾いませんでしたが、今は注意して拾っています。17〜18世紀前半のもので、肥前地方などでたくさん作られたようです。




瀬戸・美濃系の小さな器たち

 江戸時代も幕末近くなると、それまでの肥前系のものに混じって、瀬戸・美濃系の磁器片が見られます。海岸で出会うものは、湯呑など小さな器が多く、いかにも手軽な雑器という感じです。光をよく通す白い器肌に、たっぷりと青い染料を含んだ筆で模様が描かれていて、これが現代の器でないと知ったときは驚きました。現代の陶片と一緒に足元に転がっていても、まったく違和感がないでしょう。







末の線描きタイプ

19世紀〜幕末頃の線描きタイプもたくさん出てきます。宮島以外の場所でもたくさん見つかります。かなり雑な描き方をしたものもあり、普及品だったはずですが、丁寧に描かれたものは繊細で美しく、江戸陶片とはいえ、洋食の器にもなりそうな雰囲気があります。











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