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広島の海岸と川の陶片 (〜江戸時代) (3)


似島 長浜海岸

 広島港からフェリーで20分、似島は円錐状の山を海上にポンッと浮かべたような姿をしています。それで安芸の小富士と呼ばれてきたのですが、実はその名はちょっと似合わないです。ずんぐりとして、むくむくの子犬のようで、富士の亜流だというなら、あまりにも情けない。けれども小富士ではなく似島としては可愛くて美しい。何だか緑の濃い島で、海沿いの道を歩いていても、足元には傍らの山からの木漏れ日があります。広島湾の多くの島と同じように、海のそばだというのに微かに山肌の匂いが混じります。陶片の多い長浜海岸は、似島港や、似島最大の集落家下から歩いて10〜15分くらいの距離にある干潟で、海岸の堆積ゴミがそのままの状態で残っているのか、近代陶片の量と質の良さでは宮島を凌ぐほどです。戦時中のものと思われる陶片が他の海岸に比べて目立ち、陸軍のマーク入りの器なども出ており、島の反対側にかつてあった、捕虜収容所や、陸軍の検疫所が頭に浮かびますが、関係があるのかどうかはわかりません。おもに近代陶片目当てで歩く場所ですが、よく見ると江戸陶片も少しはあり、時には縁が残った、良い状態で拾えることもあります。

※ 写真は海上から見た似島。昔撮った写真をデジカメで写したものですので、ピンボケです。


   ※ 長浜海岸の江戸陶片たち





長浜海岸。この写真はかなり潮が満ちてきた頃を写しています。
 他の海岸に比べて陶片に付着生物が多く、牡蠣や、ナミマガシワ、海藻など がついている場合も珍しくありません。










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