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広島の海岸と川の陶片 (〜江戸時代) (1)


 宮島以外の、広島の他の海岸や川からも、古い陶片は見つかります。質の良い、比較的大きな陶片がたくさん出る宮島に比べ、高台周辺の頑丈な部分や、小さな破片で出てくることが多いのですが、陶片を拾い始めて2〜3年たった頃から、広島湾周辺を中心に、積極的に歩くようになりました。

※写真は、広島湾の島、呉線沿岸、広島市内の川などで拾った、近代以前の陶片。











 大部分は、陶磁器の飯茶碗などが庶民の生活に普及した18世紀半ば〜幕末のものですが、
丁寧に探して歩くと、小さな駅のすぐそばや、工場の裏手の海岸、牡蠣養殖の棚のある干潟、防波堤内の漁船やボートの係留してあるような場所、ドブのような小川、橋の下、JRの鉄橋の橋脚のそば、こんな場所で!と思うようなところに一つ、二つと、近代以前の陶片は見つかりました。
 
※写真は呉市天応



 広島市内の海岸はコンクリート護岸に囲まれ、埋め立てられて、砂浜や干潟さえない場合も多く、あっても昔のものとは違うため、古い陶片はなかなか見つかりません。そのため、私は広島湾内の島や、呉線沿岸まで足を伸ばすことになります。昔はどこにでもあった、アサリが掘れるような豊かな干潟には、人々の暮らしのゴミが長い時間をかけてたっぷりと溜まっています。干潟には、その土地の生物だけでなく、その地域の歴史も棲息しています。安易に埋め立ててほしくないと思います。




 海岸に比べて川は、上流から河口までという、深い懐を持っているためか、コンクリート護岸で固めたような場所でも、古い陶片がよく見つかります。広島市の中心部を流れる川からも、江戸時代の陶片が見つかりました。広島市西区五日市の八幡川河口付近など、古い陶片が大量に出る場所もあります。

 ※写真は、安芸郡坂町小屋浦の川












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