スクリューキャップ
漂着物を拾いはじめた1996〜97頃、浜田市の海
岸を歩くと、飲料水の容器についていた、金属製のス
クリューキャップが必ず落ちていました。海岸に遊びに
来た人が落としたピカピカの新しい物もありますが、多
くは漂着物で、韓国のものがたくさんありました。砂に
埋もれて錆びたり歪んだりしたもの、ペットボトルごと
流れ着いたもの、長いこと漂流したのか、壜にもフタに
もエボシガイがびっしり付いたドリンク剤もありました。
それらはカラフルで、小さい中にいろいろなデザインが
あっておもしろく、金属的な輝きを持ち、たくさんあると、
ただのゴミを離れて美しくさえありました。私はガラス壜
の中にいっぱい集めました。
韓国製で多いのがドリンク剤のフタで、それから焼酎です。ミネラルウォーターや、
ハングルの記されたコカコーラも探せば必ず見つかりました。これらは船から投げ
捨てられることも多かったのでしょうか。いつも見つかるデザインは、きっと有名メー
カーのものだったのでしょう。デザイン化されたハングル文字が大きく印刷されてい
ることが多く、無糖、防腐剤無し、という語が目につくのも、お隣の国でも健康につい
ての関心が高かったからでしょう。
幾らでも漂着していた金属製のスク
リューキャップですが、’99年前後から
以前ほど見かけなくなりました。あって
もたいていはドリンク剤のものです。ど
うしたのだろうと思っていると、ペットボ
トルごと流れついたフタがプラスチック
製に変わっているのを発見しました。
どうやらスクリューキャップは、日本と
同じように、金属製からプラスチック製
へ変わっていたのです。なるほど、プラ
スチック製のフタなら幾らでも見つかり
←コカコーラ、ペプシコーラ、ファイブミニ、
ポカリスエット、ファンタ
ドリンク剤
ミネラルウォーター
&焼酎
上左、無糖、
下、防腐剤無し
デザインがおもしろ
いです。
中国語でコカコーラ
と書かれています。
(浜田市国府海岸
’98年)
ます。金属製ほどデザインに変化がなく、おもしろみに欠けるため、集めることはしな
くなりました。中国製、台湾製のプラスチック製もよく見かけるようになりました。日本
の浜辺に無数に漂着し、転がっている飲料水の小さな蓋、これにもお隣の社会の小
さな変化が現れます。たかがスクリューキャップ、されどスクリューキャップです。
※ 写真をクリックすると大きくなります
※ ( )内は、採集地と採集年
プラスチックのフタ
(浜田市国府海岸
’98〜02年)