kaihyoukutsu

貝殻

 海岸でアオイガイを見つけると嬉しいです。実はタコ
が作ったものですが、ビーチコーミングの虜にするため
に、磯乞食の神様が仕掛けた、美しい罠ではないかと
思うほどです。頂き物の美しい殻は幾つも持っている
のですが、まだ自分では完全なものは拾っていません。
写真は、私が拾ったものの中から一番ましなものを載
せました。

アオイガイ
(福岡県津屋崎町
 勝浦浜 ’96年)

 浜田市国府海岸の波打ち際をよく見
ると、派手なピンクの小さな破片が見つ
かります。ベニガイです。破片は幾ら
でも拾えるのですが、完全なものはこ
こでは珍しく、今年やっと見つけました。

ベニガイ
(浜田市国府海岸
 ’03年)

ベニガイの破片
(おもに浜田市)

 桜貝は濡れると透き通って、そのうえ細かい砂が
吸いつくように付着するので、可憐で美しい貝なのに
意外と目立たないです。半透明の淡い色ですから、波
打ち際で濡れたまま、ふんわりと光っていたりします。
乾いた白い砂の上に一つだけ落ちていた時は、女の
人の爪のような気がしてなまめかしくてドキッとしました。
拾ったものの中に、小さな丸い穴の開いたものがあり
ます。ツメタガイのような肉食の貝に食べられてしまっ
たようです。珍しくないはずですが、こんな薄くて華奢
な貝に見つけると、思わず見て見て・・・と言いたくなり
ます。桜貝は図鑑で調べると内湾性とありました。浜田
市国府海岸で拾ったこれらは、正確にはカバザクラガ
イなのかもしれません。

カバザクラガイ?
(’01年)

 手に取るとはかない薄紫色なので
すが、見つけたときは、白い砂浜が、
ぽつんと小さく紫に染まっているよう
に思えました。私が拾ったルリガイ
は3cm前後の個体二つ。’98年、日
本海沿岸に大量漂着した年でした。
とても壊れやすい貝なので、空のフイ
ルムケースを持っていて幸いでした。
よく洗ったつもりでしたのに、肉片が
貝殻の中に残っていたらしく、後で小
さな透き通るほど白い蛆が二匹わき
ました。

ルリガイ
(浜田市国府海岸 ’98年冬)

※ 写真をクリックすると大きくなります
※ ( )内は、採集地と採集年

カズラガイなど
写真上から時計回りに、ヤツシロガイ、ウラシマガイ
の仲間(たぶんウネウラシマガイ)、カズラガイです。

 姿のよく似たこのタイプの貝殻は、一つ見つけると、
不思議と幾つも発見することが多いようです。この他、
丸っこくて薄い、ウラシマガイの破片もよく漂着してい
ます。

(浜田市国府海岸
 薩摩半島吹上浜
 ’97〜03年)

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 エボシガイの殻の一部分だけをを集めました。貝の仲間で
はなく、節足動物だそうです。流木などにびっしり付着してい
る姿はややグロテスクですが、浜辺の砂の上に殻だけで散
らばっていると可憐です。縁に付着していた、黄色っぽいも
のを丁寧に取り除くと、ますます虫も殺さぬ姿になりました。

ルリガイ
(浜田市国府海岸
 江津市波子海岸
 ’03年11月)

 このルリガイ、ギンカクラゲという、コイン程度の大きさのクラゲを餌にしているそう
で、浜辺にこのクラゲが大量漂着していると、ルリガイの漂着も期待できます。私が
漂着物を拾いはじめた’96年にもこれがたくさん見られ、キノコだろうか、海藻だろ
うかと不思議に思ったのを覚えています。たぶん、この時もルリガイが来ていたの
ではと思いますが残念ながら拾っていません。そして去年再び、浜田市や江津市の
海岸にたくさん漂着していました。ただ、この貝は生々しくて困ります。海面に漂って
生活する貝なので、打ち上げられるまで生きているのでしょう。他の貝殻と違って身
が詰まっています。洗うと、小さく華奢な殻の中から、真っ赤な肉片がポトポト出てき
ます。30個あまりも拾ったので、後が大変でした。(~_~メ)

ギンカクラゲ
(浜田市国府海岸 ’03年11月)

エボシガイ
(浜田市国府海岸
 ’03年)