2000年6月8日、2代目青パンダが納車されました。1996年に新車で買って、
1年半で売ってしまったパンダと同じ仕様。今さらそれをなぜ?
どうやら私の求める車は、「小さくてかっこよくて運転が楽しめて壊れにくいイタ車」、ただそれだけのようです。今のところそれはパンダだけです。Y10だとイプシロンを引きずるし。A112はもう古いし、最新のチンクやセイチェントはあんまり好きな形じゃないし。さあどうなることか。
2日間乗ってみた感じは・・・やっぱりボロい。高速道路を100キロで走るとオーディオのボリュームを相当上げないと聞こえない。ただエンジンは静かで結構パワーがある。トルクウエイトレシオを考えると、実はイプシロンと同じ。体感加速はイプシロン以上(ボロいから?)。
それにしてもこのデザイン、素晴らしいです。イプシロンのデザインも相当いいですが、全く違ったアプローチです。ジウジアーロに脱帽。
結局のところ、ゴルフをやるようになって、リアシートを倒したままにしないとゴルフバッグが積めないのがいやになったのと、あとやっぱりもう少し快適性を、という贅沢な悩みがまたしても出てきてしまいました。パンダ君、ごめん。また売ってもうた。
で、パンダ、実にいい車です。皆様に買っていただこうかと思い、下のようなほめちぎりページを作りました。
パンダのいいところ
1、スタイルがいい
イプシロン的スタイリングとは全く別物です。カジュアルさと合理性の高度な両立により、芸術的なデザインとなっています。ただ、国産車のセダンのデザインが最高と思う人には、このセンスは理解できないかも。
2、内装がいい
内装も同じくカジュアルさと合理性の高度の両立ができています。助手席側の布ポケットといい、移動式灰皿といい(私は使わないので飾りですが)、他の車にない個性があります。カップホルダーがないので工夫して付けましょう。
3、エンジンがいい
1100ccならパワーも十分で、高速道路を110kmで巡航してもストレスがたまりません。排気音も結構ゴキゲンです。
4、ハンドリングがいい
ボディ剛性は期待してはいけません。もちろん限界まで攻めるとか、そういう世界とは無縁です。ただ、ほのぼの、きびきび、といった走りは得意です。乗り心地は決して良くありませんが、不快ではありません。
5、開放感がたまらない
運転席から見る前方の景色は、すごく開放的です。Wサンルーフなんて開けようものなら、あまりの心地よさに楽しくなります。
6、燃費がいい
ハイオク仕様なのが残念ですが、リッター15くらい走ります。渋滞路を走るともっと悪いかもしれませんが、軽自動車並みですね。
7、小さい
このコンパクトさは現代においては貴重です。意外に小回りはきかないのですが、狭い道でも苦になりません。あと、もちろん中は狭いのですが、狭っ苦しいわけではなく、心地よい?狭さです。
8、意外な装備
1996年から、FFでもパワーウインドウ、集中ドアロックが装備されました。で、実はこの集中ドアロック、何とリアゲート連動です。すごいでしょ。
パンダの悪いところ
1、冬場はシフトの入りが悪い
初代朱色パンダは、冬場は、走り出してから5分くらいは、全くといっていいほど2速には 入りませんでした。エンジンを回し気味にしてダブルクラッチを使って、 何とかなるくらいです。そのため1速で速度を上げ、3速に入れることもありました。1速に入らず、2速発進とか・・・
2、エアコンがない
クーラーで何とかなるだろう、と考えると、実は意外につらいです。雨の日とか、寒い冬とか、曇りがとれません。
3、衝突安全がすごく不安
ミニにしろ、パンダにしろ、現行の安全基準がクリアできないために正規輸入中止となったわけで、安全性は期待できません。ただ、私は相手をつぶしても自分が助かりたい、という考え方ではないので、相手(特に歩行者)を傷付けにくいというパンダの美点の方を評価します。
4、壊れそう
もちろん古いイタリア車、トラブルの不安はあります。ただ私は、ランニングコストが馬鹿みたいに高くなければ、そして、立ち往生するようなことがなければ、少々壊れても「直せばいいや」と考えます。
5、うるさい
古いイタリア車、しかも一番小さい車、うるさくないわけがありません。国産セダンに乗っている人なら、なんじゃこりゃ、レベルです。エンジンは比較的静かなのですが、ボディやサスのきしみ音、サンルーフの布のバタバタ音、など、ノイズがいっぱいで高級オーディオ(付ける人いないか)も台無しです。でも決して不快なノイズではありません。
6、貧弱な装備
燃料タンクのふたが鍵をつかってあけるタイプです。実は標準は鍵さえないのですが・・・日本車などはほとんど車内から開けられます。キーを抜いて渡すのは結構面倒くさいです。その他、エアコンがなくてクーラーになるとか、パワーウインドウ、集中ドアロックが古いモデルにはないとか、今の感覚ではさすがに装備が貧弱といえます。
7、左ハンドルしかない
左側通行の日本では、やはり右ハンドルが使いやすいです。歩行者に近いという大きなメリットはありますが、右折時に対向車が見にくいとか、総合すると右の方がいいです。
8、値段が高い
軽自動車並みのサイズで、軽自動車以下の装備、安全性。こんな車が1996年の新車時には本体160万円と軽自動車の倍です。でも今時160万円の車で、こんなに魅力のある車は日本にはありません。
パンダは壊れるか?
初代朱色パンダは、1996年6月に新車で購入して以来、1年半ほど乗りました。その間のトラブルは、窓を上げると、のりが窓に付着するというものだけでした。パワーウインドウのパンダにはお約束のトラブルだそうです。
パンダはイプシロンなどと違って、古き良きイタ車です。それ故電装系などにつまらないトラブルが発生することが多いそうです。ただ、立ち往生するなどの悲惨なトラブルはめったに起こりません。そうは言っても、タイミングベルトの定期交換(3〜4万キロごと)、クラッチの異音などには注意しておきましょう。五感を総動員してトラブルの早期発見につとめる、こういう姿勢が大事です(大げさ?)。
でも、国産車でも壊れるときは壊れます。
パンダ整備情報
パンダの整備は国産車とあまり変わりありません。できるところは自分でいじると愛着がわきます。
1、エンジンオイル・フィルター交換
エンジンオイル排出穴のねじを開けるには、専用の太い六角レンチが必要です。私は工具屋でソケットレンチ用を600円ほどで入手しました。オイルフィルターは国産車用のレンチで外れます。フィルターの値段は純正で1900円です。
パンダいじり
何しろ買ったばかりなので、まだいじるところまで気が回りません。初代朱色パンダでいじっていた所を含めて書きます。
1、ステアリング交換
前回もやりましたし、今回もぜひやろうと思っています。エアバッグなど付いていないので気軽にできます。8000円くらいするボスとステアリング本体を買ってきて付けるだけです。モモのヴェローチェレーシングがお気に入りで、前回はこれを付けました。
2、シフトノブ交換
一番気軽にできるドレスアップです。試した方によると、標準装着のシフトノブは力一杯上に引っ張ると外れるそうです。初代の時は、ぐちゃぐちゃにしてしまったので、切り刻んで外しました。外れたら、
ねじで横から止めるタイプのシフトノブを装着するだけです。
3、カーステレオ交換
表面の黒いパネルをこじ開けてはずし、金属の止め金の両側を押し ながら引き抜くとはずれます。 標準ではJVCのカセットが付いていましたが、納車されてすぐにソニーのMD デッキを付けました。コネクターは赤(メインキーがONの時電源がくる)、黄色(常に電源がくる)、黒(マイナスアース)を工夫してつなぎます。アンテナ線とスピーカー関係の配線はただ外してまた差し込むだけです。
注意するところは、たとえ同じソニーでも金具のねじ穴が合わないモデルが多いので注意して下さい。デッキを購入される場合は、純正のデッキの金具のねじ穴と良く見比べて選んで下さい。
パンダ購入ガイド
1、新車か中古か
現在は正規輸入はストップしているため、中古で購入するか、並行輸入の新車を購入することになります。中古車は人気があるためかなり相場が高いです。
並行輸入車は、たとえばル・パルナスのライン事業部というところがやっているものでは、パンダヤング(900ccOHC、FF、5MT)のエアコンなしが諸費用込み123万円、パンダホビー(ヤング+クーラー+パワーウインドウ+集中ドアロック+リアワイパー)が諸費用込み167万円です。900ccといえども、パワーは不満のないものらしいです。選べる色が少ないし(青、緑、銀など)、Wサンルーフがない(20万円の電動キャンバストップはある)ので、私はやめました。
2、中古車はどのモデルを買ったらいいか
パンダ45(OHV900cc、4MT)1980年〜
パンダのオリジナルモデルです。伝説のハンモックシートを装備しており、今のモデルより小さいインパネを装着しています。けっこう人気があり、相場も高めなのですが、いかんせん程度がいいものがほとんどないので、初心者にはお勧めできません。
中期型パンダ(OHC1000ccFire、4MT&CVT)1986年〜
マイナーチェンジを受け、Fireエンジンというロボット生産の、当時としては近代的なエンジンを搭載し、リアサスペンションが変更されました。1989年からインジェクションになりましたが、トラブルが結構あるようで、キャブに変更する人もいるようです。1990年だと諸費用込みで70万円前後かな?
後期型パンダ(OHC1100ccFire、5MT&CVT)1994年〜
私のお薦めはこれです。1100ccモデルはパワフルで高速道路も楽勝。トラブルも少ないし、年式もそれほど古くありません。何とパワーウインドウ、集中ドアロックを搭載したハイテク(死語?)モデルもあります。
問題は値段です。FFのCLXを店で買うと、5年落ちでも車検2年付きで込み込み110-120万円とかするようです(2000年5月現在)。
3、グレードはどうしたらいいか
FFか4WDか、マニュアルかセレクタ(無段階変速のCVT)か、という問題もありますが、豪雪地帯に住む方でなければFFでいいと思います。セレクタは乗ったことがないのですが、これはこれで味わいがあり、面白いらしいです。
4、色はどうしたらいいか
年式により色の設定がかなり違います。1100ccに関してはなぜか赤が不人気で(もちろん朱色も)、緑、青系、特に水色が人気です。一部、パンダのキャラと不似合いな?くすんだ色が設定されていますが、これは本国では明るい町並みに絶妙にフィットするものの、日本ではちょっと地味かな、と思ってしまいます(私だけ?)。忘れがちなのが、ボディの色が内装にかなり影響することです。
5、買ってからはいくらかかるか
オイルなどの消耗品は国産車と同じくらい(少し短めがいい?) のサイクルで交換すればいいです。オイルフィルターは1900円とちょいと高めです。ミッションオイルは1万キロ毎に交換した方がいいかも。
あと、外車のお約束というのを押さえておく必要があります。たとえばタイミングベルトはだいたい3-4万キロで交換で、1-2万円かかるようです。クーラーがトラブると結構高く付きます。
おおむね、ランニングコストは国産車とそれほどは変わりません。ただ、ディーラーでの整備費用や部品代などは高めになると思った方がいいです。