絵馬修復室

経年劣化により褪色・線画消失した絵馬・板絵を鮮やかに蘇らせます。

修復事例1.本庄八幡神社(福山市)「虎図(干支絵馬)」

色落ち著しく、木枠に書かれた奉納年月・奉納者名も消えていましたが、墨跡の僅かな凹凸から「明治35年壬寅3月 奉納 佐藤好三郎」を判読しました。総代さんの要望を反映して色調はやや抑え目。

修復事例2.領家八幡神社(庄原市総領町)「加藤清正先陣争図(武者絵馬)」 

中段の板が崩落していたため、同画題の「兄弟絵馬」を参考にするつもりでしたが、中板も裏に残っていて色鮮やかに修復できました。神社から「大変見栄えがよくなりました」と礼状をいただきました。

(追加1)常盤御前雪中行図  平治の乱に敗れた源義朝の側室常盤御前は今若・乙若・牛若三兄弟を連れて逃げるが、母を人質に取られ、兄弟の命と引き換えに平清盛の愛妾となる。家紋を付けての逃亡はありえないが、画題を明らかにするため蛇足の笹竜胆。

(追加2)京の五条の橋上で刀を狩る弁慶ではなく、桔梗紋(袴に蛇の目模様)の加藤清正が石田三成(兜に九曜紋)を襲撃の図か?史実は襲撃ではなく訴訟らしいが、いずれにしても珍しいテーマ。

(追加3)今回修復した7枚のうち最大は「西南戦争熊本城の戦い」。文字が消えて人物名は不明だが、薩軍大将西郷隆盛と想定。官軍の乃木希典はこの戦いで旗を奪われたとか。洋上の船は日奈久攻略で戦況を変えた砲艦鳳翔か?

修復事例3.井永八幡神社(府中市上下町)「高野村敵討図(伊勢参宮記念と推測)」

文字情報が限られ、何が描かれているのかわからない絵馬でした。「討・池田・六郎」等を手掛かりに文献調査・他神社訪問調査を進め、少し時間がかかりましたが画題を特定しました。

板絵検討事例

神社から写真提供された歌仙絵20枚について歌人名と和歌を解読、公任撰の佐竹本系と推定し、歌人像も含めた修復費用と欠落16枚の再作成(模写)費用を見積もりました。

当社の修復事業方針

 ・汎用画材を使用し、奉納当初の絵馬復元を目指します。文化財修復や現状保存の技術はありません。

 ・絵馬の大きさと傷み具合から所要日数を9段階に見積もり、日当制にて1~18万円で承ります。

 ・備後地方は出張費を申し受けません。また、ご要望に応じ奉納神事を無償で代行します。

※当社インボイス非対応のため、令和5年10月以降、上記税込価格の10%を値引きします。

当店の表札では、かな4文字+漢字4文字で10,800円(値引後)となります。