関西の牡丹の名所
第八番札所 ・ 奈良県桜井市

第八番札所 豊山 長 谷 寺
( はせでら )
#8 Buzan -  H a s e d e r a - T e m p l e
● 御詠歌 ●

『 いくたびも 参るこころは長谷寺 山もちかひも深き谷川 』


本尊 十一面観音菩薩 ( 常時開扉) 開基 徳道上人
宗派 真言宗 創建 朱鳥元年 (686年)
住所
奈良県桜井市初瀬町 731−1
交通
近鉄大阪線長谷寺駅から徒歩20分。
電話 0744−47−7001
西名阪道の天理ICから国道169号線で
桜井市街へ。
谷交差点で左折、国道165号線を東進。
天理ICかr約30分。
拝観料 500円 駐車場
門前にあり。500〜1000円。

偉容を誇る本堂 長谷寺の花?ボタン

万葉集や源氏物語などにも登場し、古くから奈良の大寺として知られてきました。
奈良県桜井市の山間に建ち、1200年以上人々の訪れることが絶えることのないお寺です。

ボタンの花の名所

名阪国道(針インター)から都祁村(つげむら)を通り国道369号線→165号線と走り目的地にたどり着きましたが、このコースは道幅も広くて信号も少なく走り易いので、お勧めできると思います。

関西でボタンの花の名所といえば、まず長谷寺の名が挙がる。それほど有名です。

150種約7000株という花はさすがに見応えがあり、私たちが行った時期はちょうど開花時期で、ボタンの花を家でも植えたいと思うほどに百花繚乱状態で見事でした。

巡礼を始める前(20年も前ですが・・・)にも一度行ったことがありますが、巡礼ということで訪ねるとまるで気持ちが違います。 ( 年を取ったから・・・なのかな?)

長谷寺は70もの大伽藍が立ち並ぶ

万葉集・枕草子・源氏物語などに登場する大きなお寺です。

仁王門をくぐり、緩やかな回廊式の登廊を登っていくと399段の石段が現れる。
この登廊が本堂へのメインルートであるが、登廊は二度折れ曲がり、傾斜もきつくなって本堂の東まで続く。
のぼりつめるとちょっとした広場になっており、一息つくことができます、朱印所はここにあります。

寺伝によると、長谷寺は泊瀬寺あるいは初瀬寺とも書き、天武天皇の勅願によって道明上人が草創したのが始まりで、三重塔を建立して金銅版なる法華経説相の図を安置したのが本長谷寺というのだそうです。

さらに奈良時代に聖武天皇の御願寺となって徳道上人が伽藍を建て十一面観音を安置したのが後長谷寺とあります。

長谷寺は真言宗豊山派の総本山ですが、もとは奈良・興福寺系の法相宗になっておりました。また一時は相当荒廃していたようですが、天正十三年に豊臣秀吉が根来の大伝法院を焼くと、そこから逃れた専誉僧正が長谷寺に入り、後に大きく復興、真言宗と改めたといいます。

本堂も本尊も国内最大級

奈良県内では東大寺大仏殿の次に大きい本堂。
1650年、徳川家光により再建されました。

本尊は、日本最大の木造仏で、高さ10mの十一面観音菩薩像。
長谷寺式観音と呼ばれる様式も独特で、左手には宝瓶を持っておられるが、右手には錫杖と念珠を持ち、方形の台座の上に立っておられます。

本尊の金色の巨像は厨子の中に納められており、外陣からは本尊の上半身だけを、拝むことができる。
まさに金色の十一面観音の足元にひざまずいて合掌することになります。

本堂の前に拝殿・外陣がついているのが一般的のようですが、外陣に高い床をはっているのはこの寺だけの特徴のようです。

堂内を二つに分ける形で歩くようになっており、本尊は通路のすぐ近くでお参りでき、外舞台からの眺めは素晴らしい。
ここでのスナップを一枚取ることを絶対にお忘れなく!!

参道途中に、番外の「発起院」がありますから当然お参りしましょう。

参道の両側に土産物店を中心とした大きな門前町が続き、いかに信仰者や参詣者が多いか物語っています。
帰りに名物の「草餅」をお土産に買い、岡寺へと向かいました。
● 一口 メ モ

『 内陣・外陣とは 』

内陣は神社の本殿や寺院の本堂で、神体または本尊を安置してある部分。 外陣は内陣の外側で人々が拝礼する所。
また内陣と外陣の間を中陣という。


長谷寺の主な行事
◆ 1月1日 ・・・・・・・・・本尊開帳
◆ 1月28日〜2月3日 ・・・・・・・・・星まつり
◆ 2月14日 ・・・・・・・・・だだおし法要
◆ 3月21日 ・・・・・・・・・弘法大師御影供
◆ 4月下旬〜5月中旬 ・・・・・・・・・ぼたんまつり
◆ 4,5,10,11月 ・・・・・・・・・寺宝展
◆ 10月下旬〜11月下旬 ・・・・・・・・・もみじまつり


||| 近くのチョットいいところ |||

室生寺

長谷寺のボタンと室生寺のシャクナゲは、どちらも有名な花の寺で、4月下旬から
5月上旬にかけて見頃になる。
近くなのでダブルで拝観する人も多いと聞きます。

女人高野で知られる室生寺には、本堂、金堂、五重塔など国宝建造物があり、さ
らには国宝や重文の仏像も多い。

室生寺
電話: 07459−3−2003
拝観料: 400円
拝観時間: 8:00〜17:00、 季節で若干変更あり
駐車場: 門前に民間の駐車場あり



長谷寺の民話

『 わらしべ長者 』

長谷寺には皆さんよくご存知の、『わらしべ長者』の昔話が残っています。
ただ私の覚えているストーリーとは少し違うのですが・・・・・・


昔々、とても貧しい働き者の男がいました。
身よりもなく一人ぼっちで、将来に何の希望もありませんでした。
そこで長谷の観音にすがろうと、毎日毎日ご本尊の十一面観音にお祈りをしたそうです。

そうしたところ、二十一日目の明け方のこと、夢の中に観音さまが出てきて
お前には戒めの心がなく、あれこれ申してけしからんが不憫に思う。
お前を運の良い方向へ導いてあげるから、今から言うことをよく聞いて守るのじゃ。
よいか、寺を出るとお前の手に触れるものがある、決してそれを捨ててはならぬ!
よいなっ!

と言ったといいます。

男は半信半疑ながらも翌日お参りした後に、長谷寺の大門の前でつまづいて倒れてしまいます。起き上がろうとした時に、手に数本の藁(わら)を握っていました。
男は、
これはきっと観音さまが授けてくださった藁に違いない!
と思い、夢で見たことを守ってしっかりと握りしめながら歩いておりました。

すると一匹のアブが顔の前に飛んできました。
うるさいので捕まえて先にくくりつけて、アブが『ブンブン』鳴っている藁を持って歩いていると、長谷参りの赤子を背中におぶったおばあさんが通りかかりました。

赤子が泣いていましたので、男はアブが『ブンブン』鳴るわらしべを赤子の方に向けると、ピタリと泣きやみました。
わらしべを赤子にやると、顔はうれしさでいっぱいになったといいます。
男の親切にうたれたおばあさんは、みかんを三つ男に差し出しました。

というわけで男は、「わらしべ」が「みかん三個」になったと喜び、お礼のみかんを持ってまた歩いておりました。

そうすると若い女が道ばたにかがみ込み、お腹を押さえて苦しんでおりました。
お供の従者の老人が、困り果てた表情でその横に立っておりました。
男がたずねると老人は、
突然痛みを感じられて、暑気あたり(今でいう「熱射病})に違いございません。
と言いましたので男は、
それはいけない!ここにちょうどいいものがある。
と言って先ほどのみかんを差出し食べさせたところ、娘はたちまち元気になりました。

娘は元気になると、男に美しい絹の反物を三本手渡し、
このご恩は一生忘れません!
と言いながら、去っていく男に何度も何度も礼の言葉を繰返したと言います。

男が反物を持ってまた歩いていますと、
おい!そこのお前!そこで止まれ!
道ばたに侍が一人立っており、その横に馬が一頭地べたに横になっておりました。

侍は男をギョロリとにらんで言いました。
どうだ、お前の持ち物とわしの馬を交換せぬか?
でもお侍さま、その馬は死んではおりませんか?
死んでる?ちょっと疲れて、ただ休んでおるだけじゃ。

それからその侍は男に近づくと、手を刀に置いて押し殺すような声で言った。
わしは大事な使命を帯びた者、別の馬が必要なのじゃ。お前の反物なら一頭買える。
どうだ、取引するか?取引せぬか?

男は何も言えず立ち尽くしたまま、絹の反物と死んだ馬とを交換させられたのでした。

男は死んだ馬と置き去りにされ、大変惨めな気持ちになり、
いくら観音さまが夢の中でおっしゃったとはいえ、そんなにいいことが続くはずは無い!
と思いましたが、長谷寺に向かって、
馬を生き返らせてください!
と念じたところ、馬はゆっくりと頭をもたげて起き上がったのです。

たいそう喜んだ男はさらに元気になった馬と共に歩いていると、大きな屋敷の前にやって来ました。その屋敷の下男に、
すみませんが、もしよろしかったら私の馬にやるまぐさをいただけませんか?
いいとも!でもちょっと待っておくれ!
と言って下男は馬を眺め回した後、屋敷の中へ駆け込んでいきました。

しばらくして屋敷の主人と駆け戻り、主人はその馬を見るなり叫んだ。
何と言う美しい馬じゃ!
国中を探し回ってもこのような馬、見つかるものではありませんぞ!
私に売っていただけませんか!?
千両では?・・・・・・二千両では?・・・・・・
それを聞いて男は倒れこんでしまいました。

主人はあわてて、
娘や!水を持っておいで、急いでな!
主人の娘が冷たい水を持って駆け込んでくると、床に横たわった男を見て、
あっ!お父さま!この方は私が話していた親切な男の方ですよ!

運命とは不思議な巡り合わせをもたらすもの。
その娘は少し前にみかんをあげたあの娘だったのです。

しばらくして意識を取り戻すと、男はふかふかの布団の上に横になっており、目を開けると見覚えのある顔が目に入った。

あなたは・・・あの時の娘さん!
さようでございます。そしてこれは父でございます。
これは娘です。さて、こうして互いのことがわかったので一つ大事なことを尋ねたいのだが、あなたの馬を頂けまいか。そして娘の婿になり、私の後継ぎになってもらえまいか?

というわけで観音のお告げのように、そして男が観音さまの言うことを守ったおかげで、男の運勢は素晴らしいものになりました。
もちろん男はその後、幸せに暮らしたといいます。

やがて、そのあたりの人はみな、その男を『わらしべ長者』と呼ぶようになった。
そして男も、これもすべて長谷の観音のご利益に違いないと思って、改めて長谷の観音さまに感謝して、前よりいっそう信心したといいます。


『 合 掌 』