和泉の難所へ
第四番札所 ・ 大阪府和泉市

第四番札所 槙尾山 施 福 寺
( せふくじ )
#4 Makinoosan - S e f u k u j i - T e m p l e
● 御詠歌 ●

『 深山路(みやまじ)や桧原松原わけゆけば 槙の尾寺に駒ぞ勇める 』


本尊 千手観音菩薩 開基 行満上人
宗派 天台宗 創建 欽明天皇時代 (540〜571年)
住所
大阪府和泉市槙尾山町 136
交通
南海本線泉大津駅から南海バス槇尾山行
で約1時間。
電話 0725−92−2332
阪和道の岸和田和泉ICから国道170号(
大阪外環状線)へ出て、槇尾中南交差点
で右折、府道228号で槇尾山登山口へ。
拝観料 無料 駐車場 登山口に約80台。無料。

仁王門、ここからが勝負 本堂

大阪府の南部、標高601メートルの槙尾山。
金剛生駒国定公園の一部で、その山頂近くに第4番札所施福寺があります。
別名、山名から槙尾寺(まきおでら)とも呼ばれる。
バスを降りて、標高530メートルの施福寺本堂まで、およそ1キロメートルの厳しい登りの道が続きます。
西国三十三所中、第11番札所の上醍醐寺に続く難所といわれています。

西国三十三所の関所寺?のひとつ

四国八十八ヶ所では、第19番立江寺など四つの『 関所寺 』があります。
『心の関所』とも言えるもので、日頃の行いや信仰心を試されるものです。
信仰心のない人間、行いの良くない人間は、山門から入れないと言い伝えられています。

まさに西国三十三所にも、『これに似た?関所がある』といえば、体力的に苦しい『難所』と言われるものではないでしょうか?

それがまさに、この4番施福寺や11番上醍醐寺そして32番観音正寺です。

西国巡礼屈指の難所

多少「心の準備」をして行ったつもりですが、アプローチが長く、しかも急な階段や坂道が続き、頂上(本堂)に到着した時には、へばってしまいました。

まず駐車場から渓流沿いの参道を少し歩くと施福寺の石標が立ち、そこからもう急な坂が始まります。
『 写真の山門  』(仁王門)を過ぎたあたりから、だんだんと険しさを増してきます。

うっそうとした樹林で、昼でも薄暗く車を降りてから距離にして約1キロ・所要時間約50分。巡礼を予定されている方は西国巡礼でも有数の難所ですから、そのつもりで出かけてください。

施福寺は、創建当時は一山八百坊、三千人の僧が起居した大寺院と伝えられていますが、織田信長の焼き討ち、あるいは弘化年間の火災により、今ではわずか七院しか残っていません。

大和葛城山から出て修験道の祖になった役小角( えんのおずぬ )が連山に法華経を納めた時に、「巻尾」をここに埋めたので「槇尾山」になったといいます。

この寺は、弘法大師空海が仏門に入ることを決心して、剃髪を行った寺としても有名です。 頂上の伽藍のすぐ下に剃髪得度し、その髪を納めた小堂があります。
本堂は豊臣秀頼が再建し、銅葺きで山上にしては堂々とした建物である。

本尊は、十一面千手千眼観音

施福寺は、仏教が初めて日本に伝わった6世紀、欽明天皇の命を受けた行満上人が開いたと伝えられています。

本堂の内陣に入ると、中央に本尊弥勒菩薩坐像、その両側に文殊菩薩と千手観音立像とが安置されています。  この観音立像が札所の本尊とされています。

この寺の本尊・十一面千手千眼観音菩薩像は、年に一度5月15日に開扉される秘仏とされています。

本尊の観音立像の造立については、次のような言い伝えがあるそうです。

施福寺が盛大に繁栄していた行基の弟子法海上人の頃、みすぼらしい僧が日参し、厳しい勤行を続けながら厳しい力仕事なども引き受けて何の不平も言わなかった。
そうこうしているうちにやがて僧の去る日がやってきた。

その時郷里に帰る費用の喜捨を申し出たところ、すげなく断られた上に罵られつつ去ることになった時、その僧は『処遇はともかくとして、その心は出家として恥ずべきことである』と言い切って山を降りていったといいます。

法海上人はその心に目覚め、すぐさまその僧を呼び戻すべく後を追った。
しかし、泉大津の海上を歩行する僧には、ついに追いつくことが出来なかった。

この僧が、紫雲に包まれた千手観音の化身であることを知った法海は、懺悔を行ないつつ、千手観音像を造立したというものです・・・・・・。

後の堂には馬頭観音もおられる

西国巡礼に旅だった花山法皇が、三番粉河寺からこの寺に向かう途中、草深い山の中で道に迷ってしまいました。

その時、北の方角に馬のいななきを聞き、それを頼りに無事到着することが出来たのです。法皇は、これこそが馬頭観音のお導きと感じ、本堂の裏に馬頭観音像を安置したのです。ご詠歌は、この言い伝えをもとにしています。

本堂前は素晴らしい展望

この日、本堂に上がらせてもらい横の縁側で「ここちよい涼を取った」時は疲れもどこかへ飛んでいきました。

険しい山道を登ってきた甲斐があって、境内から見る葛城連峰はまさに絶景です。
本堂前は広場になっており、茶店もあって景色を眺めながら「登り」の疲れをゆっくりと取り、下るのが良いでしょう。

それにしても、こんなキツイ思いをしてせっかくの休日を過ごすのでしょう。
人それぞれにその人生の一日の処し方があると思いますが、観音巡礼なんかして生きている人は、日本全国探してもごくごくわずかだと思うのですが・・・・・・

自分自身、ナンデ?と思う新鮮さを味わう気分がまた爽快?で、これが一種のやみつきになって、また次の札所へとつながるようです。
● 一 口 メ モ

『 如来とは 』

もともと仏教には「偶像崇拝」の考えはなく、お釈迦さまが亡くなられた後も、その遺骨(舎利)を分け、塔をたてて保存することになりました。
しかし、仏教が広まるにつれ目に見えない「慈悲」・「智恵」を具体的な形に表し、私たちを教え導く、苦しみから救ってくださる大きな力の存在を実感するよりどころが求められるようになりました。
こうして仏像彫刻が始まります。

人間の限界をはるかに超越した、私たちには手の届かない「彼岸」に達した完璧な存在、それが如来(具体的な形)なのです。
仏像彫刻は、お釈迦さまのお姿を表した釈迦如来像に始まり、如来の存在によって世界は明るく輝くと考えられ、如来像は全身が金色に輝いています。

施福寺の主な行事
◆ 1月8日 ・・・・・・・・・・碑伝木建て
◆ 4月21日 ・・・・・・・・・・弘法大師御影供
◆ 5月15日 ・・・・・・・・・・開扉法要 ( 年一回の本尊開帳 )
◆ 8月9日 ・・・・・・・・・・観音千日会
◆ 毎月18日 ・・・・・・・・・・観音法会