結願の美濃の谷汲
 第三十三番札所( 結願 ) ・ 岐阜県谷汲村

第三十三番札所(結願寺) 谷汲山 華厳寺
( けごんじ )
#33 Tanigumisan - K e g o n j i - T e m p l e
● 御詠歌 ●

『 世を照らす 仏の験しありければ まだ灯も消えぬなりけり 』



本尊 十一面観音菩薩 開基 豊然上人・ 大口大領
宗派 天台宗 創建 延暦17年 ( 798年)
住所 岐阜県 揖斐郡 谷汲村 徳積23 交通
JR東海道線大垣駅から近鉄養老線で25
分、終点の揖斐駅で下車し名阪近鉄バス
谷汲山行きまたは横蔵寺行きで25分、谷
汲山下車。
あるいはJR岐阜駅から名鉄岐阜市内線揖
斐線、谷汲線と乗り継いで約1時間谷汲駅
下車。
電話 0585−55−2033
名神高速の大垣ICから国道258号を北へ
約7km、21号線に出て西へ2kmで417
号線へ、揖斐川を渡って303号を東に入り
すぐ県道を北進約6kmで門前へ。
拝観料 無料 駐車場
門前町に村営駐車場が三ヵ所。
約500台。400円。
ただし山門横から、奥に入れば無料のよう
である。

満願霊場の風格ある山門 蓮の花と仏教


西国三十三所観音巡礼の満願霊場、谷汲山華厳寺。
岐阜県の北西部、いわゆる西濃・谷汲村の山深い里にあり、『十一面観音菩薩』と書いた奉納旗がビッシリとひるがえっていて、参詣者も多いお寺です。

車でのアプローチの注意点

国道21号から417号線を経由して大垣市方面から来た場合、揖斐川町の国道のドンツキ(一方通行・417号)を右折し200〜300m(だったと思うのですが標識がでています)走り左折すると谷汲への近道です。

以前、華厳寺を目指した時、揖斐川町の国道のドンツキを右折して「直進」してしまい、かなり遠回りして困った記憶があります。
気を付けてください!!

仁王門前に約800mの並木道

いよいよ願いを結ぶという結願(けちがん)の寺です。

にぎやかで約800メートルもある門前町を過ぎ仁王門を入ると、108基の石塔が道の両側に並び、参道の下手から上手まで、『十一面観音菩薩』と書かれた奉納旗がびっしりとひるがえって、まるでお祭りのような賑やかさです。

華厳寺の由来

華厳寺は、延暦十七年(798年)奥州会津の大口大領という人が、京都で仏師に十一面観音像を造らせました。
会津へ持ち帰る途中、 この谷汲村にさしかかった時、急に観音像が重くなり歩けなくなった。
そこで大領は、ここを結縁の地とし、当時谷汲山で修行していた豊然(ぶねん)上人と共に、ここにお堂を建て、その観音さまをお祀りしたのが、この寺の始まりといいます。

石段の参道を過ぎ、正面の石段を登りきると、本尊十一面観音像をまつる本堂が建っています。

この寺を谷汲山と呼ぶのは、当時谷の間から油が涌き出て、この油を汲んだことから谷汲山、観音像に華厳経が写経されていたことから華厳寺と、醍醐天皇が名を授けたといいます。

満願の香立つ本堂

本堂内陣には、不動明王と毘沙門天が本尊を護ります。
本尊十一面観世音菩薩は、秘仏として厨子の中に安置されていますが、本尊の代わりに参詣者が拝むことが出来るのが満願堂の十一面観音像です。

これは、本堂の左の笈摺堂を過ぎて、小高い台地の上にある小堂で、寺の創建当時に近い平安時代に造られた、全身黒色のおよそ八尺(約2メートル40センチ)の堂々たる仏です。

本堂左の笈摺堂は、この寺に満願を果たした巡礼者が笈摺という衣を納めます。
過去の満願巡礼者の苦難の巡礼を想像させる、多くの笈摺が奉納されています。

本堂で「胎内くぐり」を経験して、漆黒の恐怖と胎内?の様子を感じることが出来ました。
また、本堂の柱にかかる 「精進落としの鯉 」に触れ、私たちが訪れた日はとても良い天気でまさにしめくくりの満願にふさわしい?一日でした。

ところで朱印も満願では三つもいただくのですね、なぜでしょう?
私の推測ですが、華厳寺には「過去・現在・未来」を意味する三つのご詠歌があります。
これが朱印を三ついただく理由にもなっているような気がするのですが・・・・・・
機会があれば調べてみたいと思います。

ちなみに巻頭以外残りの二つのご詠歌は、
A『 今までは 親とたのみし 笈摺を 脱ぎて納むる 美濃の谷汲 』
B『 よろづよの 願いをここに 納めをく 水は苔より 出づる谷汲 』

満願を果たして思うこと

さて、ところで私は一体何の願いを結ぶことが出来たのでしょうか?
私自身まだ答えが出ていないというのが正直な気持ちです。

スタンプラリー気分で始めた『 西国巡礼 』で、悟りを開いたとは毛頭思いませんが、五十歳を過ぎて、ゴール(死)を意識し始めたこの頃、これからの人生での何かのヒントを観音さまにいただいたような気がします。

この『西国巡礼をやったこと』がどうだ・・・ということではなく、『どう学んだのか』というのが教訓に思えてきます。
弘法大師の有名な言葉に、『 空しく行き、満ちて帰る 』というのがありますが、西国巡礼は、まさにこれではないでしょうか!?

それにしても、現在は自動車や電車を利用する巡礼がほとんどですが、那智に始まった長い道中を、徒歩で辿った昔の巡礼者の満願の気持ちは、どれほどであったでしょうか。
『死を覚悟し、命を見つめる』巡礼で、満願という言葉のもつ響きは、かなりの充実感を覚えたに違いありません。

帰りは、即身仏 ( ミイラ )で有名な横蔵寺(よこくらじ)に立ち寄りました。
● 一口 メ モ

『 笈摺 (おいずる) とは 』

巡礼の時、着用する白い上衣で背中が三幅仕立てになっている。
そもそも白衣は、「 死に装束 」と言われ巡礼の途中で行き倒れてもそのまま埋葬したとされる。
それだけ昔は、「決死の覚悟」で巡礼をしていたのです。


華厳寺の主な行事
◆ 2月節分の日 ・・・・・・・・・星祭
◆ 2月8日 ・・・・・・・・・豊年祈願祭、晴天なら門前で谷汲踊奉納
◆4月上旬 ・・・・・・・・・桜まつり
◆ 8月17日 ・・・・・・・・・夜十七夜会式(108基の灯篭が灯る)
◆ 11月上旬 ・・・・・・・・・もみじまつり
◆毎月18日 ・・・・・・・・・観音縁日


||| 近くのチョットいいところ |||

『 美濃の正倉院 』とも呼ばれる横蔵寺

華厳寺とともに谷汲村が誇る天台宗の名刹であり、伝教大師が創建したといわれる。
本尊の薬師如来をはじめ、十二神像、四天王、大日如来など重文仏像が22体安置さ
れている。

妙心法師が入定したミイラでも有名。
谷汲山から車で約15分、バスの便は3便と少ないので要注意。

電話: 0585−55−2811
拝観料: 無料 ( 但し、ミイラ仏拝観は有料 )
駐車場: 有り ( 無料 )


根尾の淡墨桜( うすずみざくら )

少し足を伸ばせば 「 つぼみはポンク、花は白、淡い墨色になりながら散る 」有名な
淡墨桜があります。私たちが出かけた時は、時期を外れていましたが、開花時期に
参拝された方は、是非足を伸ばされたらいいと思います。

彼岸桜の一種で樹齢約1500年といわれ、国の天然記念物に指定されている。
何度も枯死しかけながら、多くの人の努力で生き返ったもので、約30m四方に枝を
広げる。
樽見鉄道か国道157号線でいきます。


根尾谷断層

淡墨桜の少し手前、国道157号から根尾川を渡りすぐのところにあります。
資料館で地震のすさまじさを目の当たりにするのも勉強になります。
そして資料館の中で、その時の地震によってできた大規模な「断層」も見ることがで
きます。
淡墨桜見学のついでにはちょうどいいと思います。


谷汲村観光資料館

華厳寺門前の村営駐車場のそばにあり、円形に近い建物と舞台造りの建物を連結
させた外観がユニーク。
西国霊場を写真などで紹介しています。

電話: 0585−55−2282
開館時間: 9:00〜16:30
入館料: 200円
駐車場: 村営駐車場利用


『 合 掌 』