悲しい伝説のある寺
第十九番札所 ・ 京都市中京区

第十九番札所 霊ゆう山 革 堂行願寺
( こうどう ・ ぎょうがんじ)
#19 Reiyuuzan - K o d o u - T e m p l e
● 御詠歌 ●

『 花を見て今は望みも革堂の 庭の千草も盛りなるらん 』



本尊 千手観音菩薩 開基 行円上人
宗派 天台宗 創建 寛弘元年 ( 1004年)
住所
京都市中京区寺町通竹屋町下 ル 行願寺
門前町 18
交通
JR京都駅から地下鉄烏丸線で8
分、丸太町下車、徒歩約15分。
市バスの場合は、河原町丸太町
下車。京阪の場合は、丸太町下車
徒歩約5分。
電話 075−211−2770
名神高速の京都南ICから国道1号
線へ出て堀川通りを北進、堀川丸
太町で東に寺町丸太町で南へ入る。
拝観料 無料 駐車場
寺には数台。 寺町丸太町を北へ入
ると市営御所東駐車場がある。
(1時間まで300円)

大提灯がつるされた本堂 街のド真中にあります

革聖と呼ばれた行円上人によって開かれたことから、革のお寺・革堂と呼ばれ、京の人々に親しまれてきました。
革堂は、京都御所にほど近いところにあります。

革堂界隈

この界隈は、昔豊臣秀吉によって寺院が集められたところから、寺町通りと呼ばれるようになりました。
現在も、お寺や老舗が建ち並び、歴史を感じさせるたたずまいとなっています。

この町中の一角に山門が建っています。
革堂は、西国三十三所観音巡礼の中でただ一つの尼寺です。

革堂の歴史

この寺は、今からおよそ千年前、寛弘元年行円上人によって開かれました。
上人は、ある時夢の中に現れた僧から、観音像を刻む霊木のあることを教えられます。

その霊木に3年の歳月をかけ、八尺の千手観音を彫り上げます。
本堂に安置されている本尊が、この観音像だと伝えられています。

境内の隅には、賀茂の明神をまつったといわれる五輪塔があります。
この賀茂の明神こそが、行円上人に霊木を授けたといいます。

革堂は、創建当時、一条通にありました。
しかし京の都の中心にあるため、戦乱や火災で幾たびも焼け落ちます。
そのたびごとに京の人々の熱心な支えにより、所を変えつつも再建されてきたのです。

この場所に落ちついたのは、およそ三百年前、現在は西国観音霊場第19番札所として人々の信仰をあつめているのです。

観音にまつわるふたつの伝説

革堂は、「ブックマーク」か「お気に入り」とでも言える個人的には好きなお寺です。
ここでは唯一、女性の方に御朱印をいただきました。

開祖行円上人の鹿にまつわる話は哀れです。

射止めた母鹿が身ごもっており、小鹿を産み落として死んでしまう。
上人は殺生の罪を悔いて仏門に入り、母鹿の革を肌身から離さなかった。
このいわれの革衣は、宝物としてまつられている。

そして行円の手彫りの千手観音像を祀ったこの寺も、いつしか 「 革堂 」という名がついたそうです。

もうひとつ幽霊の話も悲しい。

寺近くで働いていたお文という娘が、店の主人に嫌われて殺され、お文は幽霊になって現れ両親に訴えた。
娘を哀れんだ両親は、幽霊の絵にお文が愛用していた手鏡をはめこみ、この寺に奉納した。 額になってそれも残っている。
どちらも親と子の情にまつわる話である。

今の世の中、とかく希薄になりがちな親子の結びつきを改めて見つめ直す戒めになりそうである。
この寺が女性によって護られているのも、その辺りに所以を求められるかもしれない。

『幽霊を描いた掛額と鹿革衣の悲しい言い伝え』が、この寺の庶民的な雰囲気にマッチしている、そんなところが私の好きな理由かもしれません。

革堂で考えたこと

革堂の想いでは「 縁 」ということを考えさせられたことかもしれません。

『 ものごとは偶然や単独に起きたり生じたりするものではない。
 必ず他とのかかわりあいが縁となって生ずる 』という仏教思想での縁起です。

私のこれまでの人生の中で、地球上の全ての人間の一体どれだけの人と知り合いになれたのでしょう。
ごくごく僅かです、そんな選ばれた方々との出会いは本当に大切にしていきたいと思う。

とはいえ、好きな人間・嫌いな人間等々がいるのは厳然たる事実!・・・早く悟りの境地に至らねばならないのですが・・・・・・

また、社寺の縁起には、論理的にも、常識的にも納得のいかない伝説的な説話が多いですが、だからといって縁起は非科学的だと、事実だけを根拠としてしまうのも何か偏り過ぎています。

『 火のないところに煙りは立たぬ 』と言います。
何かの噂が立つ以上、そこには必ずまた何らかの「事実」がありそうです。

一見ばかばかしいと思う縁起伝説の中から、一片の真実を見つけ出すことも必要ではないでしょうか。

ここの御詠歌もいいですね!!
● 一口 メ モ

『 弁才(財)天とは 』

インドの女神サラスヴァティーが仏教世界に入ったもので、インド古代の河川の名
称をそのままよんだ川の精、水の神さまがその原点です。
すべての生命の基、自然の恵みの豊饒の基も水であり、富と福徳の女神です。


革堂の主な行事
◆ 1月17・18日 ・・・・・・・・・・・・初観音本尊開扉
◆ 8月20〜23日 ・・・・・・・・・・・・幽霊絵馬供養


『 合 掌 』