観音信仰と熊野信仰
第十五番札所 ・ 京都市東山区

第十五番札所 新那智山 観音寺 ( 今熊野観音寺 )
( かんのんじ ・ いまぐまのかんのん )
#15 Shinnachisan - K a n n o n j i - T e m p l e
● 御詠歌 ●

『 昔より 立つともしらぬ今熊野 仏の誓いあらたなりけり 』



本尊 十一面観音菩薩 開基 弘法大師
宗派 真言宗泉涌寺派 創建 天長年間 ( 824〜834年)
住所 京都市東山区泉 涌 寺山内町32 交通
JR京都駅から市バスで約10分、泉涌寺
道下車、徒歩10分。
JR・京阪の東福寺駅からは徒歩約25分。
電話 075−561−5511
国道1号線の東山五条から東大路通りを
南下、泉涌寺道交差点で左折。
拝観料 無料 駐車場
泉涌寺門前に約30台。 無料。

本 堂 観音寺鳥居橋

京都東山三十六峰のひとつ月輪山の麓は、今熊野と呼ばれています。
第15番札所は、今熊野観音という名で親しまれ、泉涌寺というお寺の一角にあります。

発心の寺

『11月30日』、この日は私の人生の『 メモリアルデー 』です。
次女の誕生日であると同時に、この西国観音巡礼をこの『今熊野観音寺』からはじめたからです。
泉涌寺の帰りにたまたまお会いした巡礼者のお話に触発されて始めた観音巡礼です。

今熊野観音は、鎌倉時代に月輪山一帯が境内となるほど栄えたようですが、応仁の乱でほとんどの堂塔が焼け落ちてしまいます。
木立に囲まれた来迎院は、あの大石内蔵助が一時身を寄せていたところだと言われています。
京都の中心に近いところにありながら、この辺りは、さながら深山幽谷の雰囲気が漂っています。

隣の泉涌寺も必見で、入り口から砂利の坂道を見下ろすのは、まさに圧巻。
本坊裏には雲龍院があり、歴代の天皇、皇后のお位牌をおまつりし、また後堀河天皇陵、孝明天皇陵、月輪十三陵など多くの御陵がならんでいる。

今熊野観音の歴史

弘法大師がこの地を訪れた時のこと、「熊野権現」と名乗る老人が十一面観音像を大師に託し立ち去り、これを聞いた嵯峨天皇の命により弘法大師が観音像を安置したのが起こりだそうです。

そして弘法大師自らが彫った十一面観音の中に、授かった観音像を納めました。
現在の本尊で秘仏です。
その後、熊野信仰の厚い後白河天皇から新那智山の号を与えられ、今熊野観音と呼ばれるようになりました。

今熊野観音と泉涌寺は、切っても切り離せない

今熊野観音寺は、泉涌寺の塔頭、つまり山内寺院(さんないじいん)のことで、泉涌寺は歴代の天皇の菩提寺で「御寺(みてら)」と呼ばれる静かなたたずまいです。

泉涌寺を歩き、今熊野観音寺に参拝し、また楊貴妃観音像と呼ばれる聖観音(しょうかんのん)を見ておきたいところです。

今熊野観音寺は、厄除け開運と知恵の観音として人気があり、私が訪れた晩秋は特にお勧め、境内の紅葉が実に美しく、寺手前の川にかかる「 朱塗りの橋 」を渡って行きます。

それにしても、この寺いやこの辺り一帯の素朴な雰囲気は最高です。
お弁当をひろげて、同伴者とお話しながらこの雰囲気に浸ってみてください。
巡礼を始めて、良かったと思われること間違いなし。

近くの東福寺も必見

それとやはり近くにある東福寺にも足を伸ばしておきたいものです。
東福寺は、臨済宗東福寺派の本山で、東大寺と興福寺からそれぞれ一文字ずつもらって名づけただけあってスケールの大きい禅寺です。

二十五の塔頭があり、本坊の後ろの谷にかかる渡り廊下を「通天橋」といい、その眺めは素晴らしいものです。
● 一口 メ モ

『 権化(ごんげ)とは 』

神仏が衆生済度(しゅじょうさいど)のために、権(かり)に姿をかえてこの世に現れること。
また、その化身。 権現。


『 合 掌 』