平安貴族の別荘地
第十番札所 ・ 京都府宇治市

〜 巡礼も佳境に入ってきました!!〜

第十番札所 明星山  三 室 戸 寺
( みむろとじ )
#10 Myojyosan - M i m u r o t o j i
- T e m p l e
● 御詠歌 ●

『 夜もすがら 月を三室戸わけゆけば 宇治の川瀬に 立つは白波 』


本尊 千手観音菩薩 開基 行表和尚
宗派 天台宗 創建 宝亀元年( 770年 )
住所 京都府宇治市 菟 道 滋 賀谷21 交通
京阪宇治線三室戸駅から徒歩約15分。
電話 0774−21−2067
国道1号線京滋バイパスの宇治東ICから
府道を南進、約600mで左折して約1km。
拝観料 500円 駐車場山門前に約150台。 有料。

重層の本堂 三室戸寺の花?アジサイ

琵琶湖に源を発し、京都府南部を流れる宇治川。
宇治をめぐる景色は美しく、古くから平安貴族たちの別荘地になっていました。
宇治を代表する寺、平等院もまた平安時代権勢を誇った藤原頼通の別荘でした。

紫式部の源氏物語宇治十帖もこの地が舞台です。
第10番札所三室戸寺は、この宇治川近くのお寺です。

山裾に小さな朱色の山門

三室戸寺への初めての参拝は、あいにくの雨でしたが傘をさしての巡礼もおつなものです。
でもまだ三月の冷たい雨で、さすがに参詣者はチラホラでした。

京阪・三室戸駅近くから北側の山中に塔が見えます。
この塔が三室戸寺の場所を示してくれます。

駐車場からゆるい坂道を歩くと、山門が立っており、その右手一帯の低地が庭園になっていて、アジサイのなかにたくさんの杉の木が立っています。

朱塗りの山門を越えて石段を登ると、正面に本堂が現れます。
境内はそれほど広くはないですが、本当は山裾一帯の山林が境内といいます。

三室戸寺の寺伝

三室戸寺は、宝亀元年770年に、光仁天皇が宇治川上流の滝壷から、千手観音を発見したことに由来します。
天皇がこの像を信仰され、御室を下賜されて伽藍の造営を命じられました。
その来歴を示すように、この寺は御室戸寺と称するようになったのです。

更にその後、この寺が光仁・花山・白河三天皇の離宮にもなったので三室戸寺と改称されることになったと伝えられています。

そして平安時代後期、三室戸寺は多くの伽藍を持つ盛隆期を迎えます、がしかし織田信長の焼討ちにより殆どの堂塔を失います。
江戸時代になって、現在の姿に整えられたようです。

本堂横には明星山の木々に囲まれて阿弥陀堂や鐘楼そして三重塔が立ち並び、丘の上に開けた「仏教公園」とでも言える風情です。
しかもハスを植えた大きな鉢が点々と並んでいる。

三室戸寺の本尊

重層入母屋造りの本堂は江戸後期の再建だが、山を背にして風格があります。
本尊の千手観音菩薩は秘仏で、33年ごとの開扉というから、なかなかお目にかかれない本尊です。

その本尊は、上述のように光仁天皇(770〜781年)の霊感で宇治川の支流、志津川の岩淵で発見されたという金銅仏。
これを安置するために天皇が御室の一部を移し、奈良・大安寺の行表和尚を招いて御室戸寺になったのです。
この行表和尚は、あの最澄(伝教大師)の師匠にあたる方なのです。

阿弥陀堂や宝勝牛の像にも注目

本堂の傍らに阿弥陀堂が建っています。
平安時代半ば、藤原氏の権勢が絶頂期を迎えた頃、この阿弥陀堂に三体の仏が納められました。 来迎弥陀三尊です。

現世での華やかな盛隆を来世にも叶えたいという、平安貴族たちは、阿弥陀如来の来迎を信じ、来迎弥陀三尊に思いを託したのです。
阿弥陀如来の両脇には、観音・勢至の両菩薩が膝を揃えて座しています。

また、平成10年2月28日には、触ると勝運を招くという『 宝勝牛 』の石像が奉納されて、大相撲の貴乃花、若乃花の手で除幕されたと聞きます。

宝勝牛は宇治の農民が江戸時代に闘牛に勝って手に入れたカケ金で牛の仲買を始めて成功し、感謝の念を込めて納めた牛の木像で、今に伝わっている。

今度の石像は体長約2メートル、体高約80センチメートルで、中に木像を納めたそうです。
しかも若貴兄弟が押した手形の銅板も一緒に奉納されたとのこと。
一度この石像を見るのもいいと思います。

山門付近の川向こうには、アジサイが無数に植栽された遊歩道がありますから、初夏の訪問時には是非立ち寄ってみられてはいかがですか。
アジサイ咲く初夏の訪問がおすすめです。

また、アジサイの見ごろが過ぎ、長い梅雨も終わりに近づく七月上旬頃からは、はすの花が゙咲き始めます。
本堂前の庭園に置かれた鉢に、はすの花が咲き乱れます。
可憐な白やピンク、そして燃え立つような赤などその種類は150種にもなるといいます。
八月中旬頃まで咲き誇りますから、この「はすの花」を目当てに参拝するのも、いいかもしれません。

三室戸寺の珍しいイベント

三室戸寺では毎年夏には、『 はす酒 』を再現するイベントを行ないます。
ちなみに1999年度は、7月4日(日)午前9時から先着1000名(有料)でした。
それは三国時代の中国では魏の国王が客人を招待した際に、はすの葉に酒を注ぎ、風流にもてなしたといいます。

この中国古来のそれにならって、はすの葉にひしゃくで酒を注ぎ、茎の中の管を通って滴り落ちてたところを飲むというもので、ほろ苦い樹液と混ざり合った酒は薬効があるとされています。
樹液には、カルシウムやビタミンが豊富に含まれているといい、美容効果もあるようです。

イベント当日は、健康と長寿を願う人達で朝から賑わい、境内は華やいだ雰囲気に満ち溢れるといいます。 これも狙い目ですね。
また、はすの実や葉などを入れて炊き込んだ「はす飯」も販売されるそうです。
● 一口メ モ

『 離 宮 と は 』

皇居や王宮以外の地に定められた宮殿。


『 合 掌 』