補陀洛渡海のふるさと
第一番札所 ・ 和歌山県那智勝浦町

〜読み方〜
まず、お寺の簡単な紹介と参詣した月日などを書いています。
そして、私なりに「そこで感じたこと」や「エピソード」を付け加え
させていただきました。
難解な仏教用語を使わないで、なるだけわかり易く書いたつも
りですが、・・・・・・・・・・ それでは、ごゆっくりとお読みください。


第一番札所 那智山 青岸渡寺
( せいがんとじ )
#1 Nachisan - S e i g a n t o j i - T e m p l e
● 御詠歌 ●

『 補陀洛や 岸うつ波は三熊野の 那智のお山に 響く滝津瀬 』



本尊 如意輪観音菩薩 開基 裸形上人
宗派 天台宗 創建 仁徳天皇時代 ( 313〜399年)
住所
和歌山県東牟婁郡那智勝 浦 町 那 智 山 8
交通
JR紀勢本線紀伊勝浦駅から熊野交通バス
那智山ゆきで約27分、那智山下車、本堂
まで石段を徒歩約15分。
電話 07355−5−0401
国道42号線の那智駅前交差点から山手に
入り、那智川ぞいに約10Km。
拝観料 無料 駐車場
寺に約100台。土産物店等にあり(有料)。

重文の本堂 雨の那智滝と三重塔

西国巡礼は、近畿一円二府五県に散在する三十三ヶ所の観音霊場を巡る旅です。
今からおよそ1200年前、奈良の高僧徳道上人によって始められたもので、日本の巡礼の草分け的な存在です。

その第1番の霊場が那智山青岸渡寺です。
紀伊半島の南端、熊野灘にほど近い山間に寺があります.

『紀伊山地の霊場とその参詣道』が世界遺産に登録

紀伊山地の霊場は主として修験道の拠点である「吉野・大峯」、熊野信仰の中心地である「熊野三山」、真言密教の根本道場である「高野山」の三箇所からなり、これらの三つの霊場とそれらを結ぶ「参詣道」を指しますが、拡大解釈?して青岸渡寺も入れましょう。

熊野信仰の歴史を伝え、那智の滝が神秘的

青岸渡寺が第一番札所になったのは平安時代に皇族や貴族の参詣が盛んに行われた縁であるという。 那智の滝と熊野那智大社のすぐ近くにある霊場です。

駐車場は、滝入り口まで行くと一般の駐車場がたくさんありますが、200mほど手前に広場があり、そこに止めて徒歩で行くのもいいです(勿論、駐車料金はいりません)。
但し、坂になっているので後々すごい坂を上ることを考えるとあまりお勧めできませんが。

落差133mを誇る名瀑「那智の滝」のそばから、400段以上の石段からなる表参道(滝入り口側は裏参道)を登っていくと、熊野三山のひとつ熊野那智大社と並んで本堂が見えます。
とにかく、すばらしい眺望が待っています。 「那智の滝」もすぐそばに見えます。
数ある札所のなかでも、眺望に関してはベスト3に入る素晴らしさです。

那智の滝の名の由来

那智の滝の「那智」命名の由来を、この私のホームページを見ていただいた方から教えていただきました。

それは、難破した船に乗り合わせていた インド人裸形上人が、滝を指して「ナチー」と叫んだのが 「那智」の名前の初まりとか。寺の縁起に書いてあるそうです。

”ナチー”は インドの古典語サンスクリットのnadi(ナディー) で、「河」という意味です。
そして裸形上人は裸形であったということから、ジャイナ教の聖者であっ のではないかと推測されるようです。

それにしても難破船で、はるばるインドから布教活動という目的だけでやって来た裸形上人をはじめとする僧を思い、彼らの使命感や生きざまを考えると、大袈裟に言えば鳥肌の立つような感動を覚えます。

神仏習合は、奇異な感じ

もともと寺と神社は一つのものだったのですが、 明治初期の神仏分離で分かれたといい、寺と神社が隣接した青岸渡寺を見ると不思議な感じがします。

私たちは、裏参道から登りましたが木立の中の登りは、味わいがあり、下りの表参道に少し味気ない思いをしました。

といいますのも、裏参道は熊野古道の一部で大門坂と呼ばれていて、樹齢800年を超える熊野杉が立ち並んでなかなか風情があり神秘的なものを感じることが出来ます。
表参道・裏参道共に道路から、とにかくキツイ階段が続きます、あせらずにゆっくり上って行きましょう!!

青岸渡寺の由来

青岸渡寺はその歴史は古く、仁徳天皇(290〜399年)の頃、裸形上人(らぎょうしょうにん)がここ那智に入り、神仏の霊場と定めて修行していたのが始まりと伝えられています。
裸形上人は、常に裸形で、木喰をしていたと寺伝にあります。

その後、推古天皇の時代(554〜628年)に生仏和上(しょうぶつわじょう)がやってきて、那智の滝の美しさに感動し『観音経』を百日間にわたり読誦し続けます。

その満願の夜、生仏和上の夢枕に裸形上人が現れ、自分はその昔この那智の滝で修行していたが、そのときに滝壷から現れた如意輪観音像が庵室(あんしつ)の石びつの中に安置してあるからそれを世に知らしめ、堂を建立し、手厚く供養し、人々の心を救うようにと言って消えたというのです。

そこで生仏和上は裸形上人の夢告通りに堂を建立、如意輪観音を安置したのが青岸渡寺のはじまりといいます。

青岸渡寺の本堂は、織田信長によって一度焼き討ちに遭いましたが、天正18年(1590年)豊臣秀吉の命により再建されました。

堂内には、秀吉の寄進文を刻んだ青銅製の鰐口があり、直系が1.4メートルあります。
内陣に納められた本尊如意輪観世音菩薩は年に一度、節分の日に開扉される秘仏です。

青岸渡寺は、明治維新までは七寺三十七坊を数える大寺だったようですが、神仏分離によりただ本堂のみが残ったとあります。

補陀落山寺で補陀落渡海を知りましょう

紀伊半島の南端、那智まで来たのですから青岸渡寺から下ってきて国道42線近くにある補陀洛山寺に立ち寄りましょう。

それは補陀洛信仰というもので、その昔はるか南の島に観音浄土の補陀洛山があると信じその浄土に往生する、すなわち『不老不死の理想郷があるという信仰』です。
それを目指して旅立つことを『補陀洛渡海』といい、死を覚悟した行でした。
この浜から三十日分の食料と油だけを積み釘を打ち外に出られないようにした箱船に乗り、渡海した場所なのです。

◆『補陀落渡海』、興味がありましたから少し調べてみました。
当時の著名人では、平安時代末期の源平合戦の最中に、前途を悲観した平維盛(たいらのこれもり)が、二人の従者を連れて屋島の平家の陣を脱走、従者ともどもここから補陀落渡海の入水往生を遂げています。
そして、鎌倉初期には、源頼朝の家臣である下河辺行秀(しもこうべゆきひで)が、狩の際に大鹿を射ち損なったことで面目を失ったことから補陀落渡海しているようです。
そして室町後期にも公家の万里小路冬房(までのこうじふゆふさ)が、発心して補陀落渡海しています。

さらにはこの補陀落山寺の住職は、死期が迫ると臨終の前に食料などを積み込んで補陀落渡海するならわしがあったともいい、これを渡海上人といって、平安時代に三回、室町時代に十回、江戸時代には六回の住職による渡海があっといいますから驚きです。
しかもこの渡海上人に同行する信者も多く、同寺の記録によれば、平安時代から江戸時代までに百数十人の渡海信者があったとされています。

海から近い場所にある補陀洛山寺の裏の丘に登ると、渡海した上人たちの碑が立っていて八六八年から一七二二年の間に補陀洛渡海したとされる人の名が刻まれている。
そこから海を眺め、そうやって南を目指して死んでいった人たちに思いを浮かべるのもまた、西国巡礼の味のあるところかもしれません。

那智のお土産

那智山バス停から石段の表参道やバス通りには、両側に土産物店や食堂が並んでおり、ここでのお土産は、やはり「那智黒」です。
そして本堂東の三重塔は、滝といっしょに写すことができる絶好のシャッターチャンス・スポットであることをお忘れなく!!
● 一口 メ モ

『御詠歌とは』

仏さまやそのお寺などを称えて作られた和歌(五・七・五・七・七)に、節をつけて歌うのが御詠歌。

一般には和歌を歌うのは朗詠といいますが、御詠歌はその仏教版とでも言える。

右手で小さな鐘をたたき、左手で鈴を鳴らしながら唱えるのですが、その切々たる調子は人の心に深い感動を与える何なを含んでいる気がします。
特に真言宗では、盛んに行われ、それぞれのお寺に御詠歌講が結成されて一年中練習されているとか。

同じようなものに、『御宝号』があります、これは「南無大師遍照金剛」とお大師様の名前を唱えます。
「南無」とは、帰依すること、「遍照金剛」とは、お大師様が唐の都長安の恵果阿闍梨和尚から与えられた名前です。


青岸渡寺の主な行事
◆ 2月節分の日 ・・・・・・・・・秘仏本尊開扉
◆ 4月第一日曜日 ・・・・・・・・・開山祭
◆ 11月第一日曜日 ・・・・・・・・・大黒天七福神祭 ( 熊野那智大社の祭事 )
◆ 7月14日 ・・・・・・・・・那智の火祭( 熊野那智大社の祭事 )


||| 近くのチョットいいところ |||

太地くじら浜公園

シャチやイルカのショーとラッコ館が人気がある。
熊野捕鯨の資料を集めた博物館、南氷洋で活躍したキャッチャーボートを陸揚げした
捕鯨船資料館、熱帯植物園や水族館もある。

電話:07355−9−2400
入場料: 1030円
開館時間:8:30〜17:00
駐車場:100〜150台 (入口付近)


紀の松島めぐり遊覧船

勝浦港観光桟橋から紀の松島めぐりの船が出る。
遊覧船は2コースあって、Aコースは太地くじら浜に寄港する。
沖へ出ると松をのせた岩の小島が点在し、自然の多様な造形美を展開するといいま
す。

電話: 07355−2−0129
コース: Aコース 所用時間は約1時間
就航時間:8:30〜15:30
駐車場: 乗船場近くに駐車場あり


熊野大花火大会

8月17日には近くの熊野市で大花火大会があります。
近畿有数の花火大会で、海や山を舞台に一万発の花火が夜空や海上を彩るといい
ます。
青岸渡寺参拝と組合わせて出かけるのも良いかもしれません。


『 合 掌 』