空っぽ胃袋、満つる月。


 三つほど音が鳴る。
 一つ目は、引き戸を引く音。
 二つ目は、その隙間から月光が差し込んだ音。
 三つ目は、少女の声である。
「……けーねちゃん?」
 遠慮がち、というよりも何かに気圧されたような、ためらいの感じられる声音である。闇夜のせいだろう、その表情はかすかに怯えの色が浮かんでいる。
 しかし四つ目に来るべきであり、少女も期待したであろう慧音の返事はない。
 無音の反響。その中に漂う自身の声が聞こえなくなるのを怖がってか、どこかあわてた調子でもう一度呼ぶ。
「けーねちゃん?」
 やはり無音。
 茶室のように真四角に狭い小屋。月明かりに浮かぶ輪郭はどれもこそりとも動かない。
 ……ふむ。
 小屋の主が不在だと理解した途端、少女の瞳にくるりと興味が宿る。
 その小屋は土間というものがなく、ごく小さな沓脱ぎがあるだけだ。遠慮なくあがる。あがってみれば、奥の正面に障子を発見。からりと開けてみれば一畳半ほどの床の間。寝床にしているのだろうか。布団がきちんと畳まれている。
 うん。やっぱりどっかにでかけてるみたい。
 よっしゃ。
 何せここは威厳と妖威に満ちた教師の伏龍殿だ。如何にも妖怪めいた摩訶不思議げな道具がきっと転がっているに違いないと爛々と目を輝かせて家捜し開始。
 今宵の月明かりはやたらと眩しく、元より小さな部屋の隅々までがあばかれている。背表紙をきっちり揃えて積み上げられた綴じ本。恐らくはそれなりに分類されて並べられてある巻物。それらをいちいち手に取り見分し、急須の蓋を開けて、湯飲みの底を見つめて、お盆をとりあえず転がしてみて、置き畳の模様をなぞってみて、置き囲炉裏に刺してある火箸をかちかちと鳴らしてみたあたりで――。
 もう飽きた。
 何せモノがない。
 少女の自宅にあるような物しかなく、それと比較してさえ足りない物が幾つかある。その物持ちの乏しさにかえって違和感が生まれるけれど、少女の語彙では「生活臭が無い」という表現は生み出せず、その代わりに
「けーねちゃんって、ほんとにここで暮らしてるのかな」
 なんぞと呟いてみる。
 ……あ。そうか。それだ。それかも。
 けーねちゃんのほんとの住処は別にあるのかも。例えばあの竹藪の奥のどこかに洞窟なんかが口を開けてて、なにがしかの法則に則った日付でだけそこで寝起きして力を蓄えるのだ。そこにはたいまのつるぎとか、ふつのおんたまとか、何やらすごい鏡とかが隠されているのだ。
 そっちのほうがいいなぁ。
 月明かりを緑色に乱反射させる竹林に抜き身の剣を佩いて佇む師の姿を想像し、しばしうっとりとして。さて。
 どうしようか。と思う。
 少女は別に空き巣と云うわけではない。
 生徒である。
 慧音が開く寺子屋に通う学童だ。それも他の生徒に比べて一つか二つほど図抜けた秀才である。
 彼女が優秀である所以は、なにより慧音によく懐いていたからだろう。なにせ周囲の大人や村人が慧音のことを「慧音様」と呼んでいるのに一切頓着せず「けーねちゃん」と呼び放つほどだった。
 少女に云わせれば、年上には見えるけれどもしかし自分とそんなに歳が離れているようには見えない相手を「サマ」なんぞという他人行儀で呼ぶのには抵抗がある。それにけーねちゃんも、たまにやってくる余所者がやたらと丁寧にオソレカシコマって「サマ」「サマ」と呼ぶ度に困ったような顔をしてるし。それに、念のためにと本人に訊いてみたことだってあるのだ。

「けーねちゃんって呼んでても、いいよね?」
「……うーん。それはまあ、な。しかし威厳という問題もある。共同体の秩序を維持するためには確かに指導者を先頭とした仕組みもまた有用なのだろう。私はお前を教え諭す身だし、お前は私に教えを請う立場だ。忠と孝を引き合いに出すのも良いだろう。だとするならば、もう少しふさわしい呼び方があるのかも知れないな」
「じゃあ、なんて呼べばいいの?」
「ふむ。自分で云うのも何やら面映ゆいが」
 微かに、ごく微かに頬を染めて云う。
「先生、とかかな」
「けーねちゃん先生?」
「……やっぱけーねちゃんでいいよ」

 お墨付きである。
 年齢の近い男子らに囃されることもある。けーねさまのことをちゃん付けしていいのかよー。かーちゃんにいいつけてやんぞー等と。しかし私はやつらとはちがうのだ。なんせ優秀な生徒だ。やつらが退屈そうに居眠りしたりだのトンボを目で追いかけたりだので聞く振りだけしてるけーねちゃんの説法も、私はしっかりばっちりきちんと聞いてるのだ。
 とは、少女の弁である。
 しかし十分事実に則していた。
 彼ら人間は多くの場合、生活に精一杯一杯であり幻想郷の歴史や儒教めいた道徳や体系だった妖怪への抗し方など学ぶ余裕はない。故に、よく聞きよく覚え、たまに質問なんぞも挟んでみせる彼女は物好きで、例外であり、慧音が人に教育の門を構えて以来の秀才だった。

 だから、彼女が与えられた宿題をやってこなかったとき、慧音もついつい落胆を表情にだしてしまったのだ。

 その落胆に少女もまた傷ついた。
 ……カエルが悪いのだ。
 あるいは隣のガキが悪いのだ。
 少女にとっては、慧音に教えを受けることも捕まえたカエルのでっかさを競い合うのも、どちらも興味深く真剣に打ち込まねばならないことである。故に、池で泥にまみれる合間についつい宿題のことを頭から追っ払っちゃって、結果として、宿題として与えられた論語の暗誦がさっぱりできなかったのだ。
 けーねちゃんの優秀な生徒であると、ひいては特別な存在であるとの自負を持っていた少女は、慧音の落胆に向き合ってそれはもう狼狽えた。突如としてカラカラに乾いた口でしぼりだすように「ごめんなさい」と呻くのがやっとで、その声を聞いた慧音も自身の失策に気づいたのだろう。慌てて言い繕った。
「いや、謝る必要はない」「お前も親御さんの手伝いなり用事が他にあったのだろうし」「そもそもお前以外のみなもまだ暗誦まではできないのだからな」
 それがまたショックだったのだ。
 他の奴等と同列に扱われたのである。
 その日は呆然としたまま授業を受け、家に帰り――猛然と手習いを始めた。
 筆写していた論語を土の上に幾度も筆写して、大音声で音読して、何度も繰り返し目を通し、よっしゃ覚えたァと思ったその足で慧音の住処に向かったのである。
 とっぷりと日は落ちていたが、構うものか。宿題の期限は今日までなのだ。
 それならば、日が昇る前に覚えてしまえばきっちり約束を守ったことになるはずだ。
 だから勇んで、夜道の怖さに追いつかれぬよう駆け足で、けーねちゃんちまで来たのだけど。
 ……居ないんじゃなあ。
 どうしようか。
 明日になっちゃったら意味がないのだ。「ちゃんと覚えたよ!」と証明する方法……と、部屋をもう一度観察してみれば、文机に筆と紙。
 よっしゃ。
 少女は読み書きが出来るのも自慢のウチだった。
「お前は書も達者だな」なーんてお褒めの言葉を想像し奮起しつつ机の前に正座すれば、窓から月明かりがまっすぐに手元を照らす。けーねちゃんがわざわざこうなるような場所に机を置いたのかなと見上げれば
 ――ああ。今日は満月だ。


 竹に特徴を認めるのは難しい。よって目印も作りづらい。
 そしてまばらに適度な感覚でもって突き立つ竹は直進を許さず、迂回を続ければ簡単に方向を見失う。
 そんで竹の葉は一斉に降り落ちる。だから轍は残らず獣道さえ埋め尽くす。
 総じて、八幡の藪知らずを引き合いに出さずとも竹藪は迷いやすい。
 ましてここは幻想郷だ。広大無辺の如くその竹林に、奇妙な一角があるのをどれだけのモノが知っているだろう。周囲の竹が根っこごと焼き尽くされ黒く焦げた地肌さえのぞく、ぽたりと墨を落としたように平坦に真っ黒焦げな一帯である。
 丸い満月の明かりが遮る物もなく一直線に落ちてくるその中心に、少女が一人。ブラウスに、丈の余り気味な赤いズボンを吊りベルトでさげた豊かな銀髪の後ろ姿。
 背後を確かめもせず云った。
「『ごめんなさい、待たせちゃったかしら慧音』――どっちかというと、云いたかったのはコレなんだけどね」
 それに答えるように草葉を踏む音。まず最初に月光に白く映える角が目に入る。次いで、その角を持つにはあまりに華奢な娘の姿が月明かりに浮かび上がるように現れる。荒れた吐息でうめくように返事をする。
「……妹紅」
 モコウと読む。少女の名だ。呼ばれた妹紅は肩越しに不機嫌なやぶにらみ。


「遅かったじゃない。こっちはアンタの都合にあわせてやってんのに、その上で待たせるなんてどういうつもり? 先に云うけど言い訳なんか聞くつもりはないわよ」
「……妹紅」
 角を持つ女は、妹紅の難詰にかまわずどこか辿々しい足取りで近付き、そしてまるでしがみつくように抱きすくめる。
「ちっ、ちょっと! こら! いいわけはともかく、そういうことはまず謝ってからにしなさい!」
 驚いてあげた声には照れ隠しもあっただろうか。腕の中で身じろぎをしつつ、薄地の服越しに伝わってくる体温を意識すれば、ふとそれが小刻みに震えているのに気がつく。
「慧音?」
「……妹紅」
 獣人の呼ぶ声は相変わらず譫言のようだ。腕の中の少女にもたれ掛かるかのように項垂れる。
「慧音。やっぱり先に遅刻のいいわけをしなさい。何かあったの?」
 しかし慧音は応えない。妹紅が再び問いかけようとしたちょうどそのとき、耳に感じていた熱い吐息が首筋に近付き、そして冷たい唇が押しつけられる感触。再び身じろぎする妹紅を押さえつけるように抱く腕に力がこもる。
「ちょっと、待ってってば慧音、せめて先に服を脱がして――」
 妹紅の言葉はそこでとぎれる。
 直後、突き立てられた牙によって悲鳴に変えられたからだ。
 突き立った牙はそのまま深く、深く柔肌を噛み裂く。肩の肉を丸ごと食いちぎられ、頸動脈にほど近いそこから鮮血が迸る。激痛に悶えながら、腕を振り解こうとする妹紅に追いすがるように傷口に牙を重ねる。口腔に収まりきらない出血が糸を引いて垂れ互いの服を汚す。きつく抱かれ、牙に捉えられ、なおも逃れようと身をよじる妹紅と、それを押さえつけようとする慧音が揉み合い、均衡を失い倒れる。
 妹紅が下敷きになった。思うさま体重をかけられた肋骨が砕け、周囲に響く。肺から逆流してきた血に喉を塞がれ悲鳴が途切れる。砕けた肋骨に手を突いたまま覆い被さる慧音と一瞬目が合う。血に汚れたその目からは涙が流れており――のしかかった慧音が喉笛に食らいつき、骨ごと頸動脈をかみ砕く。悲鳴を出すことのできなくなった喉から気泡の弾けるような音が鳴り、それでも途切れがちに漏れるうめき声は血の滴る音、骨の砕ける音、肉のさける音の中で可憐にさえ響く。血を失い、喉を裂かれ、肺を潰され酸欠に意識を朦朧とさせた妹紅はもはや痛覚をなくしているのではあるまいか。熱に浮かされたように宙を掻く手を赤く染まった腕が掴み、手首から囓りとり、ブラウスごと腹部に切り裂き、破れた腹に鼻面をつき込むように貪りはじめたその頭を、撫でるように、かき抱くように妹紅の手が倒れ、譫言のように「妹紅……」と呼ぶ声が混じり続け、互いを互いの鮮血で染めるように貪り続け――。
 

 ――気がつけば、相変わらず空に浮かぶ満月を眺めていた。
 ゆっくりと戻ってくる五感と四肢の感覚に、しかし視界がいまいち復活しないと瞬きをすれば、血糊が一部眼球に張り付いていたのに気付く。
 耳がすすり泣きを聞いた。途切れ途切れに聞こえる呟き「モコウ……モコウ……」が、自分の名前だと気付くのに少々時間がかかった。……てことはどうやらご丁寧に脳味噌まで囓られてたらしい。頬にぽたぽたと垂れる水滴と、後頭部に柔らかい感触。血糊で塞がれた視界にはきっと、ひざまくらの至近距離からこちらを見下ろす慧音のくしゃくしゃな泣き顔があるのだろう。
「まったく、もう」
 かすれ声でつぶやいてみれば、すぐに反応。
「……妹紅……気がついたのか?」
 それの返事はしない。
 むしろ清々しくさえある体を起こせば、しかし所々に乾いて張り付いた血がバリバリと剥がれて鬱陶しい。戻ってきた触覚の感想を素直に口にする――つもりだったけど、口の中にも血の塊がべっとり残ってたので、まずそれを吐き捨てる。
 改めて。
「さむい」
「うう、すまん」
 そうして謝る顔は、涙で洗われたのか血はほとんど残っていない。綺麗なもんだ。転じて自分の体を見下ろせば、それなりにおろし立てだった服が見事にボロ切れ以下。血糊でもって申し訳程度に体に張り付いててべたべたと気持ち悪い。特に髪は最悪だ。指でこそげ落とせそうなくらいに血が凝結してる。手櫛を通してみれば、毛がぶちぶちとまとめて抜けた。めんどうなので、パタパタと手を振って慧音をさがらせて、深呼吸。
 一息に自分自身を燃焼させる。
 真昼のごとく発光の後、まだ燃えくすぶる髪を二三度振って消火すれば、全身の細胞が生まれ変わり文字通り生まれたまんまの体が再生成された。
 ただもちろん、服は体ではない。素っ裸である。なのでやっぱり。
「さむい」
「ううう、すまん」
「だからせめて服ぐらい脱がせなさいっていったのに」
「うううう、すまん」
「ずっるいわよね。自分の分の着替えはちゃんと用意してるくせに。村人を驚かせないためとか気を回し過ぎたあげく私に向ける分の気がなくなったのか?」
「ううううう、すまん」
「そういえば、まだごちそうさまの一言も聞いてない」
 ううううううと、相変わらずほとほとと泣きながら律儀に馬鹿丁寧に手を合わせ、嗚咽にあがるしゃっくりに邪魔されながらも何とか「ごちそうさまでした」を云おうとする慧音に思わず吹き出してしまい、そろそろ苛めるのはやめてやる。

 難しいことはわからない。ただ、慧音は半人半獣だ。ヒトであるからには人間と同じモノを食べていれば十分に生活ができるはずだが、しかし慧音の頭の中の獣の――妖怪である部分が、定期的にヒトを食らうという「行為」を欲するのだそうな。
 そんなときは妹紅が、体を提供してやる。
 藤原妹紅は不老不死である。斬ろうとも突こうとも決して死ぬことはない。よって、痛みこそ伴うものの何度食われても害はない。むしろ人里に住み、人々に必要とされている慧音には必要不可欠な行為ともいえる。
 それなのにこの半獣は、いつも躊躇い、ときとして事後にこうして泣くのだ。
 ……それはそれとして、素っ裸だとやはり夜風が身にしみる。ずかずかと慧音に近寄り、まるで座椅子に腰掛けるように慧音の腕の中に自分を押し込み体温でもって暖をとる。無論、慧音も血に塗れてはいるが。無言で腕を回してくる慧音に素直に体を預ければ、乾いた血とは違うどこか生ぬるい液体が肩に垂れてくる。物理的に表現された哀しみ。だから、ふと尋ねたくなった。
 ――それでも私を人間扱いするつもり?
 が、それを訊いてみて、自分がどんな返答を期待しているのかいまいち解らなかったので口にしたのは別の言葉だった。
「それで、いつまでめそめそ泣くつもり?」
「すまん……」
「いやだから。何度も云ってるけど、私はどんなに食べられても平気だし。たいていの動物の食事は何かを殺すことで、それに比べればよっぽど清廉潔白でしょ?」
「しかし、私がやっているのは友を食らうことだ。同種を食らうことだ。畜生としての理にさえ外れたひどく卑しい行為なのではないか?」
「なに云ってるのよ。人間だって獣の一種でしょうに」
「それには違いない。しかし獣としての本能に突き動かされたときの卑しさこそが、お前を胃の腑に納める度に沸き上がってくる獣じみた悦びこそが私の本性に思えてくるのだ。だのに私がしていることはなんだ? 理性を捨てた獣が、人に人の道理を説き伏せる権利などあるのか?」
 ああそうか。それか。ナーバスになってる理由がわかった。
「寺子屋で何かあったのか」
 そのまんまを問えば、命中したらしい。表情を一層ゆがめて泣く。
「……ねねが、宿題をやってこなかったんだ」
「ねねって、あの、何度か話してる頭のいい娘? そりゃあ子供なんだからサボりの一度や二度はやるでしょ」
「違うんだ。違うんだ」かぶりを振って「あのコが暗唱をとちったとき、私は彼女に落胆をみせてしまったんだ。人里に教養をもたらし人妖の境を取り持つなどと烏滸がましくも増長したこの獣の所行に、芽吹きを待つ尊い求知を費やしてくれる彼女への報いがこれなのか? ねねの傷ついた顔を見た時、それが私の利己心の反響であるような気がしたんだ。里の人々に押しつけがましくも教養を説くことにより、私はただ文化と理性とをもてあそび、獣から遠くありたいだけなのではないかと――」
「はいはいわかったから。わーかったから」
 と、いい加減さえぎる。が、込み上げてくるものを抑えきれないのだろうか。
「どんなに我慢しても、堪えても、体と頭の一番深いところから獣の本性が沸いてでて、私の思考を侵すんだ。『食欲』が……お前が欲しくてたまらなくなるんだ……」
 それはどうも。形はどうあれ、必要とされることは良くも悪くもありがたいモノである。
 とは、口にしない。
 後ろ手に、本格的にすすり泣きに移行した慧音の角を撫でてやる。
「まったく。基本的に慧音は真面目すぎるのよ。自己批判の強いやつは他人にもそれを求めがちなのよね」
「それは、どういう意味だ?」
「要するに余裕が足りないのよ。それとも自信かな。そのコは慧音の授業を面白く感じたからこそ真面目に勉強しているのよね。だから、一度や二度の――」
 と。始まる説教はやや上から目線の得意げなものだ。慧音は真剣に頷きながらそれに耳を傾ける。
 そろそろ、曙光の仄見える時分である。




 
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