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　古来、人々はこの地で、鉄や銅を産し、木材を産し、五穀を産してきた。河谷は漁労や交通の場であった。よく見ると、中国山地の自然はそうした人々の営みの証（あかし）を地形の上にも、植生の上にも、しっかりと刻んでいる。そうした営みは今も変わらない。林道が縦横に開かれ、脊梁部の山々ではスキーのゲレンデが山頂部に達している。中国山地の自然は決して自然そのものではなく、人が自然と上手に調和して暮らしていく場だったのである。

　幾山川　 山稜覚醒　夕映えの脊梁