クライスラーイプシロン 2014年式 低走行中古
2015.7.8 イプシロンが候補に突如浮上
シトロエンC3初代を購入してフランス車の魅力に気付き、現行C3が私の大好きな評論家の方から結構褒められているのを知りました。これはぜひ味わわないといけないと思いました。そして時を同じくしてパンダさんのMT操作が苦になってきました。購入した頃は楽しいばかりでストレスなんて感じなかったのに、不思議です。
現行C3、2回試乗しました。1回目は結構好印象だったのですが、渋滞路のセミAT(ETG5)の変速ショックについて観察するために2回目の試乗をしたところ、うーむという結論になってしまいました。問題ないかもしれないが、不満が出て買い替えの原因になる可能性はあるな、と。
絶対3年、できれば4-5年乗るぞと思っていたパンダさんを2年弱で手放そうとしていたことを考えると、2年でC3を乗り換える可能性は十分あります。下取り値を考えると大損です。買い替えに220万円かかるとしても、下取り値が80万円(楽観的)だったら2年で140万円。これはリスキー。
そんなことを考えながらネット検索をしていたところ、偶然クライスラーイプシロンの記事が出てきました。ああ、こんなのもあったな、というかかなりいいかも、と思い、中古車サイトで1年ちょっと経過のほぼ新車の激安プライスを見て、頭が爆発しました。
2015.7.9 イプシロン試乗
午前中にルノールーテシアを試乗しました。MTのあとDCTを、どちらかというとDCTの方が自分に合っているようです。車としてよくできているとは思ったものの、面白いとか楽しいとか欲しいとか、そういう感じではありませんでした。
午後はイプシロンを見に行きました。アポなしで行ってしまったのですが、プラチナ(上級グレード)の1台は売約済、赤のゴールド(何か変だ)は残っていました。イプシロンに赤という色は結構微妙だと思っていたのですが、そのために売れ残っていたとしたら自分的にはラッキーです。
試乗したところ、トコトコというツインエアエンジンの鼓動、小さい車に乗っているような全てが手の内にある感じ、自分にフィットしている感じ、ものすごく好印象。今まで忘れていたようなワクワク感を味わえました。確かにセミATのショックはありますが完成度は上がっているようで大きな違和感は感じませんでした。
時折1速から2速への変速の時にぐにゃんという例の感じはありますが、面白いとは思ったものの嫌だなとは思いませんでした。これはイプシロン>C3>>208です(あくまでも私の試乗の印象)。
帰りにC3初代に乗りかえても特に違和感がありませんでした。イプシロンに足りないものがあったとしたらC3に乗り換えるとすごくいい車と思えるはずですが、それがないということは・・・。
しかし初回の試乗でここまで好印象の車は皆無でした。アルファ147、フィアット500ツインエアというエンジンに特徴がある2車をはじめとしてほぼ全部の車が乗っているうちに印象がよくなってきています。初乗りで印象のよかった車はイプシロンの他にはアクセラ初代、レガシィ2.0R(買ったのはツインカムのRではなくシングルカムのブライトン)、この10年ではこれだけです。
2015.7.16 イプシロン契約
この1週間かなり悩みました。やっぱりC3を買った方がいいんじゃないか、とか。ボディサイズと小回りはイプシロンが上、乗り心地とか高速道路の走りとかではおそらくC3が上、燃費はいい勝負でしょうか。変態度はいい勝負(汗)。
ゆっくり走って楽しい/心地よいという面では両車ともにベクトルの違う美点を持っています。これは勝ち負けは付けられません。どちらかを捨ててどちらかを選ぶということです。
MTベースのセミATについてはC3もイプシロンも条件は同じです。それぞれ2回目の試乗で渋滞路の違和感を試しましたが、それを含めると熟成度はほぼ同じくらいか若干イプシロンが上と思います。この制御がのちのちネックになる可能性が高いので、そういう意味ではイプシロンを買っていいということになります。
結局のところどちらを買ったら後悔しないか、それが一番のポイントでしょうか。イプシロンを買わなかったら次に買う時はほとんど値段が下がらず中古車っぽい車を買うことになります。逆にC3を次に買う時は値段がある程度下がった中古車っぽい中古車。それなら今イプシロンを買うのがお得です。しかも私が初回の試乗で好印象を持つことは少ないですから、そういう意味でもいいはず。えーい行っちまえ(爆)。
2015年07月24日 クライスラーイプシロン納車
今日初めて乗った感じは「慣れないせいか違和感ありまくり」でした。最初の試乗の時に感じた「ぴったり感」は何だったんだろうかと思います。これだから私のファーストインプレッションはあてになりません。
エアコンをかけていたせいかぎくしゃくする場面が時々ありましたが、まあ自分がMTを運転するよりましかと思えば大丈夫かもしれません。普通に走る場面でも1速から2速へのシフトアップは少しショックがありますが、ショックを出さないようにそーっとアクセルを操作してもいいのですが、このショックを楽しむのもありだと思います。
このイプシロン、「小さな高級車」という言葉では到底語れない謎の多い車です。クライスラーというブランド、相当静かになったツインエア(中途半端?)、万人向けとは言えないシングルクラッチのトランスミッション、そしてかなり微妙な赤というボディカラー、売れ残る要素は満載です。
「変態向けの小さな高級車」でしょうか。私のところにやってくるのは運命的とも言えます。
しばらく運転していたら少し慣れてきました。1年ちょっと経過した新車同様の車で、ただいま走行200kmです。慣らし運転をしばらくしないといけません。
2015年08月30日 エコモードとマニュアルモード
イプシロンは交差点を曲がる時にギクシャクするのが欠点です。これは私のアクセルワークがどうなのかという問題もあると思いますが(汗)、デュアルファンクション(デュアロジック)の宿命でもありますのでこれを何とかできないかと思っています。
4-5日前だったか、今まで使っていなかったECOモードを試してみました。当初「うわあ、めっちゃ遅い」と感じましたがそれはアクセルの踏み込みに大して予想する加速が出なかっただけです。特にアクセルを踏み足す必要もなく、遅いなりに不満は感じません。
それ以降ずっとECOモードにしています。とはいえ交差点でのぎくしゃくがよくなったかというと・・・ちょっと微妙。もう少し観察が必要です。
以前乗っていたフィアット500ツインエアではECOモードにすると勝手に軽いステアリングになったり、1200回転以下まで粘ってぎくしゃくしたりと大きな欠点が2つありました。しかしイプシロンではそれがないので十分使えそうです。
そして今日、シフトレバーを左に動かしてマニュアルモードにしてみました。しかし2速から1速へのシフトダウンは結局自動になるということに気付き・・・。2速から上では回転上昇がスムーズすぎてシフトアップのタイミングがつかめずいつの間にか3000回転越えになり、小さいおじさんの方がはるかに上手で結局ツインエアの鼓動感をよく味わえるという結論に達しました。
好みの問題ですが、ツインエアの高回転のフィーリングが好きな人はマニュアルモードのご利益があると思います。私の場合は高速道路の坂道で失速するケースに限り使うくらいになりそうです。オートマモードのままで手動シフトダウンをしてもいいのですが、勝手にシフトアップされてまた失速することがあったもので。
2015.10.10 イプシロンのタイヤを15インチに戻す
途中からエナジーセイバープラス175/65-14を入れていましたが、乗り味に重厚感がなくなり、直進安定性も低下したような感じがありました。乗り心地は少しよくなったような感じがあったのでしばらくこのままにしていましたが、結局購入時についていた純正15インチホイール+グッドイヤーEfficientGrip185/55-15に戻しました。
見た目としてはこの15インチ純正ホイールの方がいいです。ただ薄いタイヤは個人的には変態度が足りなくてマイナスポイント(爆)。重量はなぜか1本あたり200g違いとほぼ同じ。ばね下重量とかの問題は・・・
今のところですが、直進安定性が向上、ハンドリングが落ち着きを取り戻したような感じ、その反面路面状況が悪いところの乗り心地が悪化しているようです。交換直後の第一印象で全体的に乗り心地が硬いと感じて、空気圧が高すぎるかと思ったのですが、しばらく乗った後2-3時間たって空気圧を測定したら前235後ろ225(純正指定は前220後ろ210)と決して高くありませんでした。
体調が悪い時にこの突き上げの悪化が大きなマイナスポイントになる可能性はありますが、今のところこの15インチの方が好みです。そもそも購入した当初はこの純正ですし硬いとか感じなかったはずなので、空気圧をもう少し落とすとかそのくらいで十分満足できるような気がします。
今までは何の疑いもなくインチダウンをしてきましたが、もしインチダウン前のサイズでアライメントを合わせてあるとしたらバランスが崩れる可能性があります。もっともグレードによって純正サイズが複数ある場合、それぞれに合わせているかどうかはわかりません。
2015.11.8 イプシロンの○と×
イプシロン、2650kmほど走りましたがかなり気に入っています。イタリア車のよさとシトロエンのゆるーい快適さを兼ね備えているんじゃないかと思います。いいところと悪いところを書いてみます。
イプシロンの○なところ
(1)スタイリングが個性的: 好き嫌いは分かれると思いますが(汗)
(2)ツインエアエンジンの鼓動感: 2000回転弱からじわっとアクセルを踏みゆっくり2000回転ちょっとまで上げて行く時のテケテケというバイクのような鼓動感が好きです。ゆっくり走って楽しめるエンジンは貴重です。
(3)サイズが絶妙: 全長3875mm全幅1675mmというサイズは日本車では希少。
(4)取り回しがよい: 、海外カタログを見るとほぼ同じサイズのトヨタヤリス(日本のヴィッツ)とほぼ同じ小回り性能。
(5)セミオートマ(デュアロジック/デュアルファンクション)の制御がかなりよくなりほぼ満足。
(6)乗り心地がよい: このサイズの車としてはいいんじゃないでしょうか。15インチに戻した時は乗り心地が少し悪化したと感じましたが、2500kmを超えてサスペンションが動くようになってきたせいか(悪路での動きにかなり違いがあります)今は悪いとは感じません。
(7)長距離燃費がいい。高速を走るとリッター20くらい、すいた下道を延々と走ると23くらい。
(8)アイドリングストップを一旦OFFにすると電源を切っても維持される。
イプシロンの×なところ
(1)さっぱり売れなくてほんの2年で国内販売終了。
(2)ワイパーの性能が非常に悪い。フィアット500やパンダ3代目もそうなので根本的に何かが悪い。
(3)セミオートマの制御が不十分。低速時に思いがけず加速してヒヤッとする、登り坂で高いギアを使いたがる。
(4)高速道路を90km/hくらいで走ると(ある回転域を常用すると)ステアリングに振動が出る。特に登り坂での加速。
(5)窓がけっこう振動してガタガタと音が出る(締め切った時のみ)。
イプシロンの△なところ
(1)内装があまり素晴らしくない(初代イプシロンは最高)
(2)カーステレオにUSBポートとかSDカードスロットがなく、MP3CDのみ。
(3)アイドリングストップOFFの表示大きすぎ、警告灯と間違う
(4)混んだ道での通勤燃費が少し悪い。今の時期エアコンOFF、ECOモードでリッター12ちょっと。
(5)スピードメーターの表示が奇数で、刻み方が細かく速度調整が難しい。
(6)側後方視界がやや悪い(後席窓の形の問題)。
(7)カラー設定がかなり少ない。ちなみに初代イプシロンは112色!
(8)スペアタイヤが付いていない。
(9)ディーラー数がかなり少ない。
2016.3.3 ツインエア+シングルクラッチの至福
イプシロンを購入して7ヶ月ほど経ちました。走行距離はやっと4500km弱です。まだスタッドレス(ミシュランX-ICE
Xi3)を履いていますが、一刻も早く15インチに戻したいとまでは思わず、まずまず満足しています。
ツインエア+デュアルファンクション(フィアットで言うデュアロジック、シングルクラッチトランスミッション)というシステムは私にとっては最適かもしれません。時々意図せぬ変速でエンジンブレーキがかかりすぎて「おっとっと」はありますが、平地では全くと言っていいほど嫌になることはありません。
ツインエアは2500回転を超えるとかなりスムーズになり、どれくらい回しているかわかりにくくなります。なのでMTだと回しすぎ注意になります(マニュアルモードでも体感できます)。結構回して加速したいという方にはMTもいいと思いますが、私にはATの方が合っています。クリープがないのも不便ではありませんし、サイドブレーキだけで停止できるので好都合です。
トルコンATとかデュアルクラッチを組み合わせたら果たしてどうでしょうか。そのうちそうなるかもしれませんが、私は今のままで全くと言っていいほど問題ないのでそんなのが出ても何とも思いません(嘘)。
とにかくゆっくり流している最中のヌルヌルしたフィーリング、ちょっとアクセルを踏んだ時のテケテケ感、何となくアメリカンな車をスケールダウンしたような感じもします。これはこれでクライスラー?
こんな素晴らしい車、ぜひとも車好きの人みんなに体験していただきたいです。イプシロンは新車ではもう買えませんし中古の数も少ない(おまけにあまり安くない?)ので、パンダでもいいです。後期型500もおそらくいいと思います。
2016.12.6 イプシロンの現在地と今後のこと
イプシロンを購入して1年5か月ほど経とうとしています。6月にジムニーを買ってそちらの方ばかり乗ってしまい、まだ走行距離が6500kmちょっとだったりします。
印象としては基本的に1年前のインプレと変わりありません。いい感じのエンジンと必要十分な速さ(速すぎても困る)、そしてインパクトのあるスタイリング。イタリア車の新車と中古、今乗り換えるとしたら・・・全く思い浮かびません。そのくらい欠点の少ない車です。そもそもこのサイズ(5ナンバーサイズの幅は特に貴重)の車自体もう少ないですし、新車だとパンダ以外はルノートゥインゴ、あとはVWのup!くらいでしょうか。
しばらくジムニーとイプシロンの2台体制をとるのが何かとよさそうですが、よからぬことを考えてしまいそうです。まだ乗り換え候補は1台もないのですが、トゥインゴのMTなんて出てしまったら頭が爆発するかもしれません。
2017.1.12 イプシロンとお別れ
イプシロンはいいところがたくさんあり、さほど大きな欠点がないという、ありそうでない素晴らしい車でした。ただジムニーがあるとそちらばかり乗ってしまい、たまにイプシロンに乗ると欠点が強調されて見えるようになってしまいました。私の場合いつもこんな感じで、初心を忘れて手放してしまいます。おそらく後悔すると思いますが、それはそれで。しばらくジムニーさん1台でやってみます。
トゥインゴのMTは出てしまいましたが(何と車両本体171万円と激安)、それは買う予定はありません。さあこれからどうなることやら。