フィアットパンダ3代目(1200cc5MT並行輸入) 2013年9月26日納車
2013.3.12 3代目パンダ契約
若い頃はほとんどMTの車に乗っていて、11年前に並行プント(1200ccツインカム5MT)を買って2年半乗りましたが、乗り心地が悪く頭にひびいてめまいがするので、2005年6月に手放して以降はしばらくAT車に乗るようになりました。
フィアット500ツインエアに飽きないようにとの口実で、2台目としてMTのアルファ147を買ったのですが、楽しくていつしか147ばかり乗るようになり、500は途中で手放してしまいました。147に乗っていてフィアット500の小ささをありがたく思った時はありましたが、MTが辛いと思ったことはありませんでした。渋滞も意外と辛くなかったです(さすがに30分以上の渋滞は辛いでしょうけども)。
やはり私の行き着く先はイタリアのコンパクトカーです。フィアット500の乗り心地に満足できていましたし(タイヤは結局純正グッドイヤーのままでした)、パンダと500はシャシーはほぼ共通で新しくデビューした分パンダの方が乗り心地は少しよくなっているだろうと考えました。
時々自分にとってジャストサイズの車とは、と考えるのですが、一時は3800mmが最適と考えていました。その後快適性とゴルフバッグを積むことを重視して4400くらいが最適という考えになり、最近はフィアット500のサイズの3600mmで必要十分と考えるようになりました。確かにゴルフバッグはドライバーとFWを抜かないと入りませんが、それだけで大きいサイズにする必要はありません。小回りが利くのは非常にありがたいですし。
Aセグメントサイズ、MT、4ドア、右ハンドル、そして楽しいエンジン、そういう要求を満たす車は正規輸入車にはありません。パンダがツインエア+デュアロジで正規輸入という話は聞いていましたが、変速スケジュールがどうにも気に入らないという理由で500ツインエアを手放してしまったもので、微妙と思いました。
買うとしたらツインエアのATか1200のMTのどちらかです。ツインエアはMTでは低回転時のブルブルが味わいにくいのでATで乗るべきと思います。今回はパンダで変速制御が改善しているとは思えなかったので、今しか味わえない1200ccMTという、11年前のプントと同じスペック(プントはツインカムでしたが)に戻ることにしました。
そして3代目パンダさんを3/12に契約しました。その後7/18にお店に問い合わせたら完成してイギリスに向けて輸送中、8/2に問い合わせたら日本に向かう船に積まれている、と回答がありまして、結局9/9に日本上陸を果たしました。契約して半年ちょっとですから11年前に並行プントを買った時とほぼ同じスケジュールになりました。
2013.12.12 パンダさん中間インプレ
パンダさんに乗って2ヶ月半くらい過ぎました。走行距離は2500km弱、車は慣らし中でドライバーはほぼ慣らしは完了です。だんだん印象がよくなってきまして、思いのままに動いてくれます。今までの車のことを考えると長所と欠点のバランスが素晴らしく、今はこれ以上の車は考えられません。で、中間インプレとして書きます。
(1)エンジン: 基本設計が20年ほど前の1242ccファイアエンジン(OHC)は十分スムーズでフィーリングがいいです。普段は混んだ通勤路ばかり走るので2000回転ちょっとでシフトアップして1500-2000回転で巡航するパターンですが、たまに3000回転ちょっとまで回すといいなあと思います。11年前のプント(ボアストローク同じでこちらはDOHC)とほぼ印象が同じです。2代目パンダ(デュアロジ)もOHCでほぼ同じエンジンですが、全く印象が違います。トランスミッションの差でここまで印象が違うものかと思います。
パワーは一般的にはない部類に入りますが、回せばパワーが出ます。3000回転以上、できれば4000回転くらい回すと音もいいですが、2500-3000回転くらいの間も十分満足できます。この3000回転以下での満足感はアルファ147と同等くらいあるかもしれません。それ以上は全くかないませんが。あと意外とバックギアでエンジンをちょっとふかして半クラでバックする時の音が好きです。
燃費もツインエア並によく、高速を走ると21、すいた一般道を流すと24くらい出ます(エアコンなしの場合、燃費計の表示で4-5%誤差あり)。混んだ通勤路では13-14がせいぜいですがこれは仕方ないです。同じ条件だとアルファ147は7-8くらいだったと思いますので大きな違いです。
(2)トランスミッション: 5速マニュアルはシフトストロークは長めですがフィーリングはまずまずよいです。インパネシフトのせいか、やや高めのいい位置にシフトノブがあるのもうれしいです。1000km走行時にNUTECのZZ-31(75W-85)のギアオイルに交換しましたが、寒くなるとギアが入らなくなり純正のTUTELA
TRANSMISSION
GEARFORCE(75W)に戻してよくなりました。冬場はまずまずフィーリングがよいですが(温まったZZ-31には負けますが)、夏になると軽くなると思うので夏だけ硬めのオイルに換えるといいかもしれません。
あと自転車の方が早いだろうという混んだ通勤路ですが、MTなのに渋滞がつらくないのはいいです。147のようにアイドリング発進ができればなおいいのですが、ATだったらなあという場面は今のところありません。もっともごくたまにエンストします(汗)。私はクラッチを離すのがちと早いようです。
(3)乗り心地: フィアット500並かちょっといいかもしれません。舗装状態の悪いところを走るともう少しよかったらなあと思いますが、許容範囲です。タイヤはフィアット500の時と同じポーランド製グッドイヤーDURAGRIPの175/65-14ですが、ミシュランエナジーセイバーあたりに換えてみたいです。あとビルシュタインB4(黒ビル)なんて入れてみたいですが、まだ3代目パンダさん用のが出ていないかもしれません。
(4)ハンドリング: 私は激しい走りはしませんが、常識的なスピードでワインディングを走るといい感じでした。特にロールが大きいとも思いませんでしたし、もう少しこうだったらいいなという気持ちはありません。ハンドルの重さも適切で、フィアット500ツインエアのECOモードのような軽すぎではないのでいいです。
(5)車体サイズ: 全長3653mm全幅1643mm全高1551mmはコンパクトですが、全幅については5ナンバー枠ほとんどいっぱいまで拡大してしまいました。ミラー幅は1882mmで、3ナンバーのアルファ147の1890mmとほぼ同じなのはガッカリ。デミオは1940mmとさらに大きいのですが、パンダさんもデミオもドアミラーがすごく大きいのが影響しています。ただ小回りはかなりよくてTurning
Circle(直径)はフィアット500と同じ9.3mと優秀(アルファ147は何と11.5m)で、これ以上小回りが利いてほしいと思ったことはありません。
そして駐車場に停める際に何も考えずにやるとピタリと真ん中に来ること(軽自動車でもこんなにうまくいかない)、電柱のそばを通過するのも狭い車線で60km/h出すのもあまり怖くないこと、などストレスがないのが素晴らしいです。これだけでも今までの車と全く違います。
(6)乗車姿勢: 私のパンダさんはシートリフターがありませんが、ポジション高めで絶妙にいいです。頭上にはこぶし1個半くらいの余裕あり。横の窓が大きいので視界もよし、ペダルレイアウトもかなりよく(ひょっとしたらブレーキペダルがもう少しだけ右にあるとよいかも)、私の27cm幅広の足でもブレーキの際にアクセルペダルに当たることはありません(147ではたまにあった)。フィアット500で感じたハンドルの遠さはパンダさんにはありません。あえて言うと普通に座って走り出したあと、左方向にお尻を1cmくらい動かしたくなるのは私だけでしょうか。
(7)
高速道路の走行: 100km/hだと2700回転くらいでしょうか。ロードノイズとか含むと結構うるさいと感じます。乗り心地とか安定感は大きな不満はなかったと思います。長距離を走ると疲れるかどうかはまだ試していません。ちなみに147は100km/hだと3000回転くらいになりもっとうるさいはずですが、長距離もあまり苦ではなかったような。
(8)デザイン: 外装はまあこんなもんか、とあまり感動はありません。なんとなくルノーカングーとトヨタプロボックスの中間のような気もします。ターコイズブルーのはずですが結構濃くてターコイズではありません。日本仕様の黒いサイドモールがないのでちょっと微妙かもしれませんが今のところ気になりません。内装は思った以上にいいと思いました。ターコイズ外装のLOUNGEでは青内装が選べ、当初欲しかったのですが今ので満足です。
(9)装備: 必要十分です。エアコンは私はマニュアルの方がいいのでこれでいいです。集中ドアロックがリアハッチ連動なので便利です(アルファ147は連動しなかったので不便)。フィアット500ツインエアのように不要な装備がないので(アイドリングストップ、ヒルホールド、ECOモード)いいです。強いて言うならフロントワイパーの時間調整があったら最高でした。あと助手席のシートベルト警告灯が7kgちょっとの荷物を載せると作動するのがよくないですね。
(10)総評: とにかくストレス最小限、かつ楽しく運転できます。ストレスについては今まで乗った車の中では最低レベルなので、乗り換えの原因になりにくいはずです。今までの車は納車後1ヶ月も経てば無視できない欠点が指摘でき、それが乗り換えの原因になっていたのですが、パンダさんは大きなものがありません。そして楽しさはアルファ147とかツインエアとかビートとかには負ける部分はありますが、最高レベルに近いです。世界中見渡してもこんな車があるかどうか、大げさに言えば「こんなに良すぎていいのか」です。
2014.12.31 1年3ヶ月ほど経過しました
走行距離はつい最近7777kmを超えたところです。タイヤはエナジーセイバープラス(イギリス製)に替えましたが、乗り心地は気持ちよくなったかというくらいで、純正のグッドイヤーは結構優秀だったと思っています(今はロードスターに装着)。そして最近スタッドレスタイヤを装着して、乗り心地とロードノイズは悪化しましたが、イヤになるほどではなくほっとしています。
インプレは特に1年前と変わることはなく、楽しく快適に走れています。ギアの入りは0度くらいに気温が下がっても良好、たまに2速へのシフトダウンがちょいやばいかなという感触の時は無理に入れずにワンテンポ遅らせて入れるくらいです。初代パンダさんやプントのことを思うとかなり良好です。
これはさすがに手放したら後悔すると思います。ライバルはツインエアのパンダさんだけです(汗)。3年乗るのは確実で、もっともっと年数を延ばしたいです。2台体制にしてもう1台の車をちょこちょこ替えればいいです(爆)。
2015.7.16 パンダさんとお別れ
この1-2ヶ月、パンダさんが急に体にこたえるようになってきました。確かに毎日疲れを自覚するのですが、以前と大きくは体調は変わっていないはずです。どうしたものかわかりません。1週間のうち2回くらいパンダさんに乗るのですが、パンダさんはやっぱりいい、と思うことが皆無となってしまいました。
シトロエンC3との2台持ちがいけなかったのでしょうか。しかしそれだけでもないような気がします。実際次の愛車になる車を試乗した時はウキウキした感じがあったわけですから、どんな車に乗っても楽しめないというわけでもなさそうです。
7ヶ月待ちで納車された、待ちに待った、ほぼ理想の車のはずだったパンダさん、2年も経たずに手放すことになってしまいました。後悔することがあるのかもしれませんが、それはまたその時に考えます(汗)。