私の43台目のバイクです。9か月ほど経ちましたが、まだ2000kmしか走っていません。今でも他のバイクは考えられないほど気に入っています。ただし走行距離と年式の割にあちこちさびが出ていたりしてとても新車には見えません(T_T)。まあ手入れが悪いのがすべてなんですけどね。
で、2年で2800km!乗ってとうとう手放してしまいました。あまりにも乗らないのでバイクがかわいそうになったことと、どうせ近所しか乗らないならもっと軽いバイクがいいと思い乗り換えしました。今後このような味のバイクは出にくいと思いますので苦渋の選択でした。バイクとしては素晴らしいですから。
気を取り直してこのバイクの紹介をしましょう。(2002.5.6→2003.1.5追加)
0、値段
何と\79.8万円です。すごすぎる。ここ10年ほどでは最安値のグッチです。ちなみにF650GSは\89.5万円、ハーレー883 は\93.7万円(ちょっと排気量が違うが)と勝っています。国産車ではW650が67.5万円、ホンダシャドウは\69.9万円とも対抗できます。でも国産バイクに慣れた人は、こんな鉄クズを80万円で・・・と言うかも。そういえばなぜかイタリアでは「今最も売れているバイク」のようです。素晴らしい。
1、車体
車重182kgと、400ccの車体に近いコンパクトサイズです。ハンドルもほどほどに切れ、取り回しは楽です。V型2気筒エンジンが左右に張り出して壮観です。
ちなみに国産アメリカンと並んでみると非常に貧相に見えます(T_T)。迫力のかけらもない。
2、エンジン
この車体で750cc、速そう・・・と思うとがっかりします。国産400ccと同等のパワーです(48馬力)。しかしフィーリングは素晴らしいです。低回転ではドコドコと鼓動感があり、そこからアクセルを開けるとちょっとワンテンポ遅れてどるるるる、と、まるで馬にでも乗っているかのような加速をします。3000回転を越えると回転がスムーズになります。音は低くて太い音と高周波が混じり合った和音を出します。何と心地よいことか!
たとえて言えば、ドゥカティとBMWの旧型Rシリーズのいいとこ取り、という感じです。ちなみにこれに乗ったらカワサキW650が味気なく感じました。恐るべしモトグッチ。
3、ハンドリング
アメリカンと言うより、普通のバイクのハンドリングです。他のオンロードバイクと比べて接地感があるため、コーナーを曲がるのが怖くなくて楽しいです。たまにハンドルを切りすぎて、思ったより曲がって、おっとっと、ということがあります。高速安定性は 100km/hで走る分にはいいですが、それをこえると風防があっても風がすごいですので判定不能です。
4、乗り心地
ちょっと硬めですが不快なほどではありません。それに長く乗ったことがありませんので(^_^;)
5、装備
キーが2本ある(メインキーと燃料タンクキー)、ハンドルロックがメインキーと別、チューブタイヤ、燃料警告灯のみでリザーブコックなし、と泣きたくなります。ただし、センタースタンドが付いています(喜)。
購入後、フロントスクリーン(というより風防)とこけても大丈夫なエンジンガードを装着しました。この2つは必須かもしれません。あとはリアキャリア(リアシート背もたれ付き)が欲しいです。なんと純正は10万円弱!
6、どんな人に向いているか
・ゆっくり走れる大人のバイクを探している人(おじさんから熱い視線を浴びます)
・バイクに速さよりも味わいを求める人(飛ばしても楽しいけど)
・普段は街乗りで、たまにツーリングに行きたい人(軽量コンパクトでGood!)
・国産車に愛想を尽かした人(私も?)
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ネバダ日記
2002.3.? ネバダを注文する43台目のバイクはモトグッチネバダです。なぜこのバイクにしたかといいますと、
1、車体が軽い
乾燥重量182kgです。ナナハンとしてはレプリカを除き最軽量かもしれません。まあ裏を返せば400cc用の車体なのかも知れませんが。私にはぴったりです。
エンジンの味を求めて排気量を大きくすれば車体も大きくなる、という私にとってのジレンマは、このバイクではちょうどいいバランスに収まってくれました。
2、エンジンがいい
モトグッチなんぞは試乗すらしたことがありませんでしたが、エンジンの評判はどうやらすばらしいようでした。そしてある雑誌にたまたまネバダが載っていて、何と本体価格\798000。これなら買えるかも、と欲しくなりました。岡山のオートショップカメイを訪れたところ、試乗車があり、V11ルマン、QUOTA、そして社長の奥様のV40タルガと乗せてくれました。いずれもキャラクターが若干違うものの、モトグッチ独特の世界がありました。ただこの頃は「最高!」という感じではありませんでした。同じエンジンのバイクがなかったので、ネバダのエンジンについては「よさそう」という感じだけが頼りでした。
3、スタイルは・・・・
今までオフ車ばかり乗ってきたこともあり、このネバダのアメリカン?スタイルは非常に違和感がありました。まあかっこいいといえばかっこいいが、ハーレーやスティードの方がそれらしいかな、とも思いました。ただV型エンジンが横に張り出している姿は大好きです。
まあ日本に数台?数十台?しかないバイクなので、もちろん中古車市場にもないし、いわゆる売れ線でもないので試乗車もありません。半分ギャンブル気分で購入しました。
2002.4.12 ネバダ納車
仕事が終わってからネバダを受け取りに行き、店から自宅まで50kmほど乗って帰ったのですが・・・
1、音はいい感じ
ちゃんとモトグッチっぽい音がします。音量もほどほど。ただしエンジンをかけるときチョークを使うと、ちょっと近所に気を遣うかもしれないなと思いました。
2、エンジンが熱い
シートに普通に座ると、エンジンにすねのあたりが当たります。しばらく走っていてあちい、と思っていたのですが、ちょっと後ろに腰掛ければ問題ありませんでした。要はこのシートは前後長がほどほどあって、自由度が高いという感じです。
3、こいつは馬だ
発進すると、最初ぶるぶるっと震えながら、突然どーんと後ろから押されたように加速します。2500回転前後で巡航すると、どるるるるるる、という感じで、今までこんなフィーリングは体験したことがありません。近いといえばBMWの旧型R80ですが、こちらの方が排気量が小さいにも関わらず鼓動感があります。今まで乗ったどのバイクよりも馬に近いなと思いました。
4、扱いには注意
ニュートラルから1速へは国産の感じではよく入りません。またシフトストロークは国産車の倍ほどあります。帰ってくる間に何回エンスト&ギア抜けしたことでしょう。
と、こんな感じでした。緊張していたので楽しめるというレベルにはなかったかもしれませんが、気楽に、楽しくつきあえそうな気がしてきました。
2002.4.14 ネバダ3日目
今日は3日目です。私もネバダもお互いに慣れてきて、一体感が出てきました。エンジンの鼓動感はやっぱり生き物のようで楽しいです。回転数によって音色とフィーリングが変わります。低回転域はどるるるるとまぎれもないVツインで、ある程度回すとスムーズになります。
ハンドリングもよく、タイトコーナーでのコーナリングも他のバイクより怖くありません。感じとしてはアメリカンというより、普通のバイクに近いです。おまけに小回りが利くので、Uターンも楽です。さすがにオフ車のようにはいきませんが。
で、悪いところも当然見えてきました。それはクラッチが重いこと、ブレーキレバーが若干遠いこと、ギアが入りにくいこと(ストロークが国産車の倍くらいありそう)、ハンドルロックがメインキーとは別にフレームにあること、などです。まあ今のところ無視できるレベルです。
でもやっぱりモトグッチは特別なバイクです。同じイタリアでもドゥカティとは全く違います。ドカは400モンスターしか乗ったことはありませんが、これはスムーズで薄味のエンジンで、マフラーを換えないとあのドカの音にはならないようです。一方同じ排気量のVツインであるV40タルガはかなり鼓動感があります。初めて乗ったときはいいのか悪いのかわからないが濃い味だなと思いました。
2002.4.29 ネバダ不調
今日20kmほど乗ったのですが、アイドリング不安定、走行時のエンジン回転不安定、バックファイアーが出る、と突然不調になりました。ちなみに走行120km。その前までは何の兆候もなかったのに・・・エンジンは左の方が少し熱いようでした。片肺飛行か?
慣らし中なのでエンジン回転は3000ちょっと越えたあたりでシフトアップして、巡航中は2500回転前後(最低2000回転)にしていました。ちょっと回し足りないのか?
2002.4.30 ネバダを診察
仕事の合間にカメイさんに電話。「混合気が濃いのかキャブレーターがオーバーフローしているかどちらかでしょう。福田モータースにはセッティングデータがないようですし・・・」ということでした。プラグを外してみて下さいと言われたので外してみると・・・見事に 2本とも真っ黒でした。
とりあえずプラグを購入し(熱価が低いBR7ES、近くのバイク屋で\900×2本)、付けてみました。さあどうなることか。燃費を測ると98.1km/8.89Lで何と11.0km/L(T_T)。カメイさんに、「15より悪かったら混合気が濃すぎですね」と言われたので十分濃いです。直してもらお。
2002.5.1 再びプラグチェック
番号を変え、かぶりにくくなったはずのプラグで10kmほど走行し、そのあとプラグを外してみました。するとやっぱり真っ黒。これはキャブをいじってもらうしかありません。
2002.5.5 キャブからガソリンを抜く
キャブの下についているねじを外すと、ガソリンが出てきます。オーバーフローを疑い、両方とも抜いてエンジンを始動しました。10kmほど走ってみましたが、異常ないようです。治ったのか?
2002.5.9 ネバダ入院
オートショップカメイに持っていって見てもらいました。簡単にいじれるねじをいじったりしてみると多少はいいようですが、やっぱり入院がよさそう、ということになりました。
持っていく途中に給油したところ、133km/10.5Lで12.7km/Lとちょっと改善(T_T)
ちなみにメインジェットがなんとネバダ350用のサイズが付いていました。ちょっと大きめですが、福田モータースの話では問題ないとのこと。なんともイタリアン。
2002.5.12 ネバダ退院(走行300km弱)
キャブを分解して、調整できるところは調整したとのことです。ジェットは交換していませんでした。帰りの
50kmほどの運転では、代車から乗り換えたこともあり、はっきり違いがわかりませんでした。でも久々のこのフィーリング、いいです。
2002.5.19 自分でオイル交換(走行474km)
1000km点検までオイル交換しないのも不安なので(車はいつも500kmで交換)、マニュアルを読んで、店に問い合わせてやってみました。でも非常に簡単な作業です。
オイル注入口が付いているのがオイルパン(オイルのたまり場)で、その前に大きいねじ、後ろに小さいねじがあります。後ろのねじには磁石が付いていて、どろどろしたオイル(おそらく鉄粉が多く含まれている)が付着していたので掃除しました。両方とも外してオイル(粘度は普通で少し黒っぽくなっていた)を排出し、またねじを締めます。店の人に「締めすぎないように、ゆるまないように」と言われましたので、デリケートなねじかもしれません。
で、新しいオイルを注入するのですが、おすすめは化学合成の20W50です。ただし今回は500km走ったら交換するんだし、と思い、5W50のカストロールシンテック(アメリカより並行輸入で、シントロンと同等品?)を入れました。マニュアルには2Lと書いてあったので、1.8Lを目安に注入したのですが、それでも多かったようです。少し抜いて捨てました。結局1.6Lくらいか?もちろんオイルフィルターを同時に交換する場合はもっと多く必要ですので、その時は2Lかもしれません。
走行した感じは・・・あんまり変わったような感じがしないのですが、鈍いのかな?
2002.6.2 走行距離が増えない
ネバダが来てそろそろ2ヶ月になろうとしているのに、まだ550kmです。情けない。職場の往復だと5km/日なので全然だめです。ゆっくりできる休みが欲しい。
バイク自体は調子いいのですが、キャリアが付きそうもありません。強度のありそうだったリアシートの下のレールの取り付けが弱そうで、断念しました。さあどうやって付けようか。
2002.6.4 燃費
157.2km/10.1L=15.7km/Lです。もっと伸びてほしい。
2002.6.15 エンジンがかかりにくい
最近チョークを引かなくてもエンジンが一発でかかることがわかりました。そんななか、エンジンをかけて、アイドリング中に止まりました。始動直後は800回転くらいになるので、いつもはちょっとアクセルをひねり気味にして、1000回転以下にならないようにしていましたが、この時はしていませんでした。そしてふたたびかけると・・・かかりません。なんどもセルを回しましたがかからなく、ガソリン臭いにおいがしてきました。かぶった!やばい。
結局少し休んでセルを回したらかかって一件落着でした。でもやっぱりガスが濃いのかな。(走行760km)
2002.6.25 1000km点検(1ヶ月点検のはずが2ヶ月点検になった)
やっとのことで1000kmを走破し、点検に出しました。タペット調整が主なようです。エンジンオイル、ミッションオイル交換もしました。なお、ここでフロントスクリーン、エンジンガード(パイプの丈夫そうなやつ)を付けてもらいました。
走ってびっくり。なんと代車でKSRの80ccを借りていたので、生まれて初めてグッチを乗ったときのあの奇妙な感じがよみがえってきました。でもやっぱりすぐに慣れました。おもしろかった。
変わったことは・・・今までは3200回転あたりをキープしていると、不快な微振動があって、すぐにギアチェンジしたい気分でしたが、その不快感がかなりなくなっていました。これなら巡航も可能です。すばらしい。この素晴らしいモトグッチがさらに無敵に近づきました。
2002.8.4 走行距離伸びず(T_T)
ただいま1250kmと、低空飛行です。遠出ができません。まあ好調だからいいや。
2002.8.17 燃費が悪い
今回はなんと12.3km/Lです。あまりに悪すぎますね。どうしよう。プラグを見ると回りが真っ黒で、電極付近だけ灰色です。きつね色にはほど遠い。
2002.8.26 ネバダ入院
あまりに燃費が悪いので、カメイさんのところに持っていきました。店の方が乗ってみると、特に異常はないということでした。排気ガスのCO値が高くないということで、キャブのオーバーフローも否定的です。「低回転でアクセルを開けるような運転をするとこうなることがあります」と言われ、タンデムシートに乗っけてもらい実演してもらったところ、確かにそういう感じもあるかな、と思いました。
でも結局、入院して調べるということになりました。
2002.9.9 ネバダ退院
セッティングを変更したネバダが退院しました。ジェットニードルの位置を燃料が一番薄くなる方向にずらしたため、2500回転あたりで今までのスムーズさが欠けている印象です。おまけにエンジンがかかりにくくなり、アフターファイアーまででる始末でした。これではいけません。元に戻してもらおう。
2002.9.16 ネバダ燃費向上
セッティングをかえてもらおうと岡山まで走って、給油してみました。すると何と137.6km/6.8L= 20.0km/L!!!距離の半分はいつもよりエンジン回転を高めにしてみてのデータだけに、本気ですごいです。それともこう乗るべきなのか。
カメイさんに見せたところ、プラグの焼けもきつね色になり、カメイさんの乗った感じも、ちゃんと2000回転あたりでもノッキングせずに走れるとのことで、しばらくこのまま様子をみることになりました。このセッティングは果たして正解か不正解か?
2002.11.4 なかなか乗れません
寒いのと、風邪をひいたせいで(ひきそうだなと感じたときも)なかなか乗れないでいます。このままネバダが腐ってしまったらいやですね。早く2000kmに到達してエンジンオイルを交換しましょう。まだまだ1800kmちょっとです。
今日は夕方に久しぶりに乗ったのですが、冬並の気温のせいで寒い寒い!でもエンジンは一発でかかり、好調でした。ひょっとしてこのセッティングは大正解?
2002.11.20 久しぶりに乗りました
2002.12.23 尾道まで走りました
ネバダオーナーのKさんが尾道にやってきてくれるというので,前日に下見をして,そして今日も走ってきました。
ネバダとKさんにご対面。試験輸入時代のネバダ(とはいっても2001年12月登録で私のと3か月違い)はいろんな所が違っていました。タンク上面のステッカー、リアサスペンションのステッカー,エキパイの入り口などです。まあちょっとした違いですね。燃費は一般道で18、高速で20くらいということです。私のとあまり変わらないようです。短い間でしたが,楽しいひとときでした。
私のネバダは3000回転ちょっとで巡行することが多くなりましたが,そのあたりの回転域の振動がマイルドになったようです。Kさんも5000kmを過ぎたところですが、だんだんこなれてきたようなことをおっしゃっていました。まだまだこれからです。
帰ってきて走行距離は2001kmとなりました。万歳万歳!燃費も計りましたが180km/10.5Lで17.1km/h。まあ寒い中の通勤が足を引っ張ったのでしょうか。
乗れば乗るほど愛着がわいてくるネバダ、いい感じです。肌が合う,というのでしょうか。こんなに一体感があるバイクはいままでありませんでした。
しかし・・・酸性雨には勝てず、それに洗車をさぼっていたつけも加わり,1年経たずしてさびがあちこちに出てきました。どうしよう(T_T)
2003.3.30 オイル交換
冬の間はほとんど乗れず、何と走行距離はまだ2091kmです。そろそろオイル交換の時期(走行距離による)だなとずっと思いつつ、もう少しもう少し・・・と気が付いたら何と6/25からオイル交換をしていないことがわかりました。あわてて交換。バルボリンレーシングの20W50です。何と2L弱で796円です。大丈夫かなと思いながら試運転をすると絶好調です。
ちなみに交換したときは、後ろ側のドレーンボルトの穴から普通のオイルが出きったあと、乳化したオイルが少量出てきました。これは何を意味しているのでしょうか?前側の穴からは普通のオイルしか出なかったのですが・・・
2008.1.28 モトグッチ再び
すでに書いたようにネバダは手放してしまったのですが、あの「バイクのようでバイクでない?」感覚は忘れることはありませんでした。単気筒、二気筒、四気筒、全部乗りました。しかしどこかが欠けているようなのです。振動が大きくて乗りづらかったり、振動がなくて味が薄かったり・・・
で、とうとう戻ってきてしまいました。さてどうなることか。
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ドイツ人のネバダ評論(ドイツMOTORRAD誌のインプレ1993年)
ネバダの資料を探していましたが、さすがに超マイナー車種、やっと見つけたのが「日本と世界のオートバイカタログ」という、ドイツのMOTORRAD Katalogという雑誌の日本語版です。しかしそこに書かれていたものは・・・
「チョッパーとマッスルバイクを一緒にした形。それがこのネバダ750かもしれない。フォークや燃料タンクなどのフロント部分を見ると、完全にチョッパーの顔立ちだ。しかし、その小さなタンデムシートや燃料タンク下にある磨き上げられたインテークマニホールドは、むしろヤマハのマッスルバイク、V-maxを思わせる。27psあるいはオープンバージョンの49psという数値は、パワーを知っているライダーには物足りなさを感じさせる。」
うーん厳しい。しかも同様に紹介されているV65Floridaは、「その古めかしいエンジンコンセプトを考えると、入門用チョッパーとして安いとは言えない」、なんて書いてあります。ちなみにこのV65Florida、エンジンは643ccの48ps/27ps と、見た目を含めて本当にネバダそっくりです。値段はFloridaの11600マルクに対してネバダは13060マルク。
なお、同じような値段(11500マルク)でBMWのR65がありますが、こちらは「120-140km/hのクルージングスピードで十分という人は、是非このR65を候補マシンの一つに加えるべきだ。」と書いてあります。なんだこの違いは。
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ネバダのデータ(4カ国語マニュアルより)
車体寸法
全長2205mm、全幅875mm、全高1160mm、ホイールベース1482mm
乾燥重量: 182kg シート高: 775mm
性能
最高速度: 165km/h(一人乗り)、 燃料消費: 5.4リットル/100km
エンジン
形式: 4サイクル2気筒(90度Vツイン) 排気量: 743.9cc
ボア×ストローク: 80mm×74mm 圧縮比: 9.6:1
最大出力: 35kw(48ps)/6200rpm 最大トルク: 59.44Nm(6.06kgm)
使用プラグ: NGK BRE8ES、CHAMPION RN3C、BOSCH WR4CC
キャブレーター: Dell'Orto”PHBH 30 BD/BS”×2
トランスミッション
クラッチ:乾式、ディスク1枚
変速機: 5速ミッション
ホイールサイズ
フロント: 2.15×18、リア: 2.50×16
タイヤサイズ
フロント: 100/90V18、リア: 130/90V16
ブレーキ
フロント: フローティングディスク×2 リア: シングルディスク
ガソリン、オイル容量
燃料タンク容量: 14リットル(リザーブ4リットルを含む)
エンジンオイル: 2000cc(Agip 4T SUPER RACING 20W/50を推奨)
ギアボックスオイル: 1000cc(Agip Rotra MP 80W/90推奨)
リアドライブボックスオイル: 170cc(160ccの85W/140と10ccのモリブデン)
フロントフォークオイル: 100cc(Agip ATF II D推奨)
ブレーキフルード: Agip DOT4推奨
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ネバダのメンテナンス
ネバダもモトグッチファミリーの一員なので、ある程度他のグッチと共通点があります。その中でも一般人にできそうなことを書きます。
0、車体のお手入れ
私の住んでいるところは海が近く、しかも某大工場の煙でよく酸性雨が降ります。このせいで1年も経たないうちにさびが多発しました。屋根はあるものの車体は丸出しで、しかも手入れをさぼっていたせいなのですが・・・皆さんは注意しましょう。
1、エンジンオイル交換
20W50の化学合成がおすすめとなっています(2000cc入ります)。ショップでは2000-3000kmでオイル交換、オイル交換2回につきオイルフィルター1回交換、と言われました。それらしいねじがオイルパンの前面についているので、それさえわかれば国産車と同じです。ミッションオイルが別なので、添加剤がいろいろ使えそうです。
2、その他のオイル(ギアボックスオイル、リアドライブボックスオイル)
説明書に(英語で)やり方が書いてあるので、やる気になればすぐできます。フォークオイルはプロに任せろと書いてあります。
3、プラグ交換
これほどプラグ交換しやすいバイクはそうはないでしょう。車載工具で一発(二発?)です。プラグコードをノロジーとか永井ウルトラとかスプリットファイアーに交換するとパワーと燃費が向上するかも。
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モトグッチのお約束
古き良き時代の?モトグッチは国産車と違うところがかなりあります。ドカの比ではありません。
1、ギアチェンジペダルのストロークが大きい
だいたい国産の1.5倍くらい長いです。国産車のつもりでちょこんとチェンジすると、あっという間にギア抜けしてしまいます。ゆっくり確実にチェンジしましょう。
2、慣らし中にギアが入りにくい
最初の数十キロはどうしようかと思いました。意識して力を入れてペダルを上げても入らないこともあります。そういうときは一度クラッチをはなしてもう一度握って入れるといいかもしれません。今でもギアが入りにくい時がありますので、クラッチをほんのわずか(1cmくらい?)離しながら入れることがあります。
3、キャブレーター不調がおこりやすい
イタリア製デロルトのキャブは、ちょっとしたことで調子を崩すようです。ごみがつまってオーバーフローとか、かぶってしまったりとか、少々神経質です。ちょっとたたくだけで治ることもあります。
4、リアのユニバーサルジョイントのトラブルに注意
よくわからないのですが、ここが壊れるとこわいので、よくチェックするといいらしいです。
5、タペット音がでかい
タペット音(バルブの音)がでかく、壊れているか不安になります。その割にまめに(1年くらい?)バルブクリアランス調整をやらなければいけないようです。