慣らし運転について  2024.2.25作成

 慣らし運転についてはこだわりがあるわけじゃありませんが、やるにこしたことはないだろうと思いやっています。回転数を上げられないことが時々ストレスにはなりますが、そのストレスを乗り越えた時に喜びがあるのがいいですね。


1、慣らし運転について

(1)慣らし運転とはそもそも何か
 ここを読むような方はだいたいのことはおわかりかと思います。新車時から乱暴な運転をするとエンジン内にかなり負荷がかかり、エンジンが本来の力を発揮しなくなるというイメージです。なので少なくとも1000km到達まではおとなしい運転をするというのが慣らし運転です。

 慣らし運転中に避けたいことを把握する必要があります。高すぎる回転数、回転の急激な上下(アクセルを深く踏み込む、シフトダウンで回転数が急上昇)、低回転高負荷(低い回転数で登り坂)、この3つが代表的です。そうすると回転数の上限を決め、アクセルをゆっくり操作してゆっくり回転数を上げるようにするのが基本、登り坂では回転数を守るよりも低回転高負荷を避けることを優先、このあたりが必要になります。

(2)慣らし運転の意義
 未熟なエンジンにはどう育ってほしいでしょうか。ピストンとピストンリング、シリンダー、その関係ですが、どの部分を見ても隙間が均等でスムーズに上下するといいですね。そうなると圧縮漏れも最小限となってパワーの損失も最小限になるでしょう。あとはコネクティングロッド(コンロッド)とかその他の部品も含めて、最小限の力でスムーズに上下運動してくれればいいです。

 いずれ慣らし運転の時以上にエンジンに負荷がかかる時が来るわけですから(私のように来ない人もいるでしょう)、負荷をかけるべきところは段階を追って少しずつ強度を増し、ゆっくりアクセルを操作して負荷をかけるのがポイントでしょう。

 あとは丁寧に扱うことで車やバイクとの対話ができ、初期不良に気付きやすいというのもあります。ジクサー150の初期モデルはエンジンオイルの消費量が多く、焼き付いたという情報が複数あります。最近のバイクはオイル油圧警告灯がないものが多く、オイルが減ってもわかりませんが、そういう状態で高速を走ったりするとえらいことになります。

(3)オイル交換はどうするか
 1ヶ月点検/1000km点検でオイル交換はすることになるので、問題は500kmでするかどうかです。した方がいいとか必要ないとか、最近は後者の意見の方が多いようです。私は数年前までは車もバイクも500kmでしていましたが、最近は500km交換はバイクだけにしています。バイクはミッションオイルとエンジンオイルを兼ねていますし、オイルフィルターのない機種も多いですし、何かあったらいけませんので。

(4)メーカーの説明書にはどう書いてあるか
 乗用車については「最初はゆっくり走りましょう」程度しか書いていないことが多いでしょうか。ワゴンRの場合はそういう記載すら見当たりませんでした。なのでバイクの場合を中心に書いていきます。

 スズキジクサー150は「最初の1000kmはでは4500回転以下」と書いてありますが、平地だけ走るならよくても坂道だと間違いなく低回転高負荷の場面が出てきます。後述のように早々と4500回転リミットはあきらめました。

 ヤマハMT-25は「1000kmまでは8400回転以下」と太っ腹です。8000回転でメーター読み100キロ出ますし、私にとっては手放すまで慣らしです。レッドゾーンは14000回転なので7000リミットからスタートしましたが、山道を含め必要十分。あとはセロー250だと「1000km走行まではならし運転をする」だったようです。

 ホンダGROM(125cc)は「500kmまでは急発進・急加速・急ブレーキ・急なシフトダウンを避け、控えめな運転をする」とだけ書いてあります。CB250R(2018年)も同じ、いきなり高速を走ってもいいんでしょうか。

 カワサキは2018年に慣らし運転方法が大変更され、399t以下の全てのモデルでは200kmまでは4000回転以下、350kmまでは6000回転以下、1000kmまでは控えめな運転、そして制限回転数を一時的に超えるのは問題なし、です。なお2021年にZX-25Rのみ200kmまで6000回転、350kmまで8000回転と付け加えられましたが、4000回転だと40キロしか出せずクレームが殺到したのでしょう。


2、慣らし運転の計画と実際、ジクサー150の場合

(1)許容回転数をどうするか
 個人的なやり方ですが、レッドゾーンの半分の回転数からスタートしています。タコメーターがない場合は最高出力の回転数よりちょっと上を想定して、何となく決めます。ジクサー150の場合はレッド9500なので4500回転リミットからスタートしました。

 今までは500kmごとに500回転ずつリミットを上げてきましたが、この2-3年は200km、500km、700km、1000km、と200−300回転ずつ上げてきました。実際に走ってみると設定回転数では無理が出てくる場合があるので、その都度修正しています。後述するように今回のジクサー150では200回転ごとに上げるようにしました。

(2)慣らしが終わったらどこまで使うかを想定する
 山道走行、高速道路走行、このあたりが回転数が高めになる状況ですが、おそらく高速100キロ巡航程度の回転数が許容できれば山道走行は普通にこなせるという想定でやっています。走り屋さんはそうはいかないかもしれませんが。

 なのでカタログからメーター読み100キロ出る回転数を求め(別の方のホームページを参考にしてもいいです)、そこまでどうやってストレスなく上げていこうかなと考えます。ジクサー150の場合は7000回転でメーター読み(計算で求めた数字×1.05として)99.5キロ、連続して7000回転は1000km走ったあとにしておこうかなと考えます。

(3)ジクサー150の計画、そして実際どうなったか
 先ほどのやり方で行くと、200kmまでは4500回転、200-500kmは5000回転、500-700kmは5500回転、700-1000kmは6000回転、となります。5速6000回転ですとメーター読み85キロくらいと問題はなさそうです。

 しかし結局4500回転リミットだとちょっとした登り坂で簡単にオーバーします。エンジンも何事もなかったように回るので、4500リミットは最初の100kmだけにして、その間は坂道はなるべく避けました。100-200kmは5000リミット、そして200-500kmは5500リミット、ここでやっとストレスがなくなりました。ただ5速5500回転だとマックス78キロしか出せません。

 どうしてもの場合は高速巡航に限りプラス500回転まで容認することにはしていますが、最近はリミット回転数より巡航回転数は低い方がいいのかなと考えています。なので早めに回転制限を緩和することにして、巡航回転数はマイナス500回転と変更しました。まあ根拠がない回転数制限なので間違いだとか正解だとかないわけですが(汗)。

 慣らし計画を立て直します。100kmまで4500リミット(これは不要かも)、100-200kmは5000リミット、200-400kmは5500リミット、400-600kmは6000リミット(max85キロ)、600-800kmは6500リミット(max92キロ)、800-1000kmは7000リミット(max100キロ)。例えば600-800キロの時点では一時的に92キロまで出せるが、巡航速度は500回転マイナスなので85キロまでとします。これで1000km走り終えましたので、今後は100キロ巡航ができます。


3、慣らし運転の計画と実際、ワゴンRの場合

 うちのワゴンR(FAグレード)にはタコメーターがありませんが、他のモデルを参考にするとレッドゾーンは7000回転、なのでまずは3500回転リミットとしました。200kmで4000リミット、500kmで4500、700kmで5000、としましたが、山道では3速4000回転でメーター読み58キロ、このくらい欲しいので200kmまでは山道は避けました。高速は5速4000回転で99キロになるので十分。

 タコメーターがないので、3500回転だと2速31.6キロ、3速51.3キロ、4速71.5キロと記載して車内に貼って、それを見ながら運転してました。エンジン音だけである程度はわかるので常時見ることはありません。

 軽自動車ターボなしですが結構パワーに余裕があり、アクセル開度1/3以下でほとんどいけます。200kmまでは近場の平坦な道を走り、4000リミットになったあと山道を走りましたが、4500リミットで山道含めノーストレスになったと記載はありました。山道は2速まで落とすことがあり、厳密に回転制限をするのはきついですね。

 ワゴンRも200kmごとに回転数を上げるとしたら、まず3500リミット、200-400kmで4000リミット、400-600kmで4500リミット、600-800kmで5000リミット、800-1000kmで5500リミット、となります。5000リミットでmax124キロ、巡航112キロになるので仕上がり早すぎですね。車の場合はバイクほどはストレスがないので、もうちょっとゆっくり回転数制限を緩和してもいいのかもしれません。4000リミットまでは400kmで到達してもよいですが、それ以降は300kmごとに500回転でもちょっと早い感じ。まあこんなものか。