酔竜の音楽活動  2021.12.18 全面改訂  2024.1.2小変更 2024.11.17小変更 2024.12.1小変更

今まで試した楽器はフォークギター、クラシックギター、エレキギター、エレキベース、アルトサックス、テナーサックス、トランペット、デジタルサックス(T-SQUAREが使うようなやつですね)、ピアノといろいろありますが全滅(汗)。しかしバリトンウクレレは2014年6月からずっと続いていて、なんと10年経ちました。

1、バリトンウクレレとの出会い

ギターを始めたのが確か1995年、挫折してしばらくしてまた再開の繰り返しで特に進展はありませんでした。2009年あたりに「楽器挫折者救済合宿 ギター・ジャカジャカ」という本を買ったようですが、しばらくはこの本も効果を発揮しませんでした。2012年にカマカHF-3というテナーウクレレを買ったものの挫折、2013年には一五一会ベーシックを買い4弦ギター仕様にしていたようです。多分そのあたりでその本の効果が出て(4弦奏法という裏技)、アルペジオである程度弾けるようになったのでしょう。

これでギターも弾けるんじゃないかと思ったようで、2013年RF-90カスタムをオーダーメイドし2014年1月からギターのレッスンを受け始めました。RF-90カスタムが4月に届いたものの5月にギターレッスンを断念し、そこでギターは正式に(汗)挫折しました。しかしその直後の5月末にテナーウクレレを買い、あれだけギターレッスンで苦労していた曲がいとも簡単に弾けたのにびっくり。そしてウクレレっぽい音に満足いかず、ネット検索でバリトンウクレレの存在を知り、2014年6月にバリトンウクレレを購入しました。

おそらく2014年のテナーウクレレを買った時だと思うのですが、実はウクレレってギターの5弦6弦を取っ払ってチューニングを変えただけであることに気付きました。そうです。ギターでは裏技とされている4弦奏法というのはウクレレ奏法そのまんまです。


2、バリトンウクレレの特徴

(1)ギターと同じチューニング、ギターの楽譜がそのまま使える
同じウクレレでもソプラノ、コンサート、テナーはギターとチューニングが違うので、ギターの楽譜をそのまま使うとキーが違います。カラオケのキー調整の高くなるボタンを5回押したのと同じことになります。しかしバリトンウクレレだとギターの楽譜がそのまま使えます。これはでかい。

(2)音色はギターに近い
ソプラノ、コンサート、テナーはウクレレの音がします。バリトンウクレレはフォークギターとクラシックギターとウクレレを足して3で割った感じの音がしますので、ポップスの伴奏をして全く違和感がありません。なおバリトンウクレレの5フレットあたりにカポタストを付けるとウクレレっぽい音がします。バリトンウクレレがギターっぽい音がするのは本体の構造というよりはチューニングに秘密がありそうです。

しかもただギターっぽいというだけでなく、音色が優しいです。バリトンウクレレに慣れるとフォークギターの音がキンキンして嫌だなと思うこともあります。もちろんキンキンしないフォークギターもあるんでしょうけども。逆にギターと比較するとバリトンウクレレの音は小さくてショボいなと思うことがありますが、まあいいでしょう。

(3)弦と弦の間が広い、フレットとフレットの間が狭い、なので弾きやすい
バリトンウクレレは弦と弦の間はギターよりかなり広くて私の太い指にぴったり。フレットとフレットの幅も狭く、私の伸びない指でも結構いけます。

(4)やはり弦が4本しかないのは素晴らしい
「Fの壁」も相当なものですが、ギターではGとかG7も簡単じゃありません。バリトンウクレレではGもG7も指1本です。5弦6弦は音に潤いを与えますが、なくてもそこまで大差はありませんし、そもそも6本も弦を操れるわけがありません。弦が2本ないだけでも難易度が大幅に下がりますし、後述するいんちき技を使えばさらに敷居が下がります。

(5)ギターより軽く、持ち運びしやすい
(6)音が小さく、家で練習しやすい


3、バリトンウクレレ本体について

私が一番最初に買ったのがKALAのKA-Bです。2014.6.7に発送しましたのメールが届いています。お値段は当時で14000円ほど、見るからに安っぽいベニヤ板という感じの合板でできていますが、音が悪いわけではありません。というか他のと比較しなければ(しても?)問題ないんじゃないかと思います。このKA-Bは仲間にも勧めて皆さん満足しているようです。

その次に買ったのがPONOのMB(2014年11月)、これはオールマホガニー単板という贅沢な作りです。お値段も当時54000円くらいと高いです。そしてその次に買ったのがKALAのKA-SBG(2015.11)、これはスプルース単板トップ、KA-Bより高級感がありますね。お値段は当時28000円ほど。音はというと・・・そんなに違わない??

楽器屋さんにはバリトンウクレレはほぼ置いていないので、取り寄せてもらうか通販になります。間違ってテナーウクレレを買っても、バリトンウクレレと同じチューニング(DGBE)をして違和感なく弾けるものもあります(MAHALO MP3はまあまあでした)。ただやっぱり音色的にバリトンがいいと思います。特にカポタストを着けると結構きついので、手が大きい人だと間違いなくバリトンがいいです。

MAHALO ML2というコンサートサイズでもバリトンチューニングをやってみましたが、かなり弦のテンションがゆるくなります。小さい音でも出ればいいか、くらいの用途ですね。バリトンの雰囲気を味わって買い換えを検討するくらいならいいですが、実用的には全くお勧めはできません。

ここから2024年の話です。最近KALAが高くなってしまい、一番安いKA-Bが25000円もします(ちょっと前まで17000円くらいだったのに)。そのため2023年あたりからMAHALOを貸し出し用に買ったり、部員にお勧めもしています。2024年10月現在で普通のMJ4が1万円弱、トップ単板のMP4が12000円くらい、オール単板のMM4が2万円くらいとリーズナブルです。MP4とMM4は音がきらびやか方向、MJ4もこれで十分という音がします。


4、いんちきを駆使してバリトンウクレレを手なずける

先に紹介した「楽器挫折者救済合宿 ギター・ジャカジャカ」という本で得たのが4弦奏法(これはウクレレでは標準)ともうひとつコードの簡略化です。この本では入門者向けとして通常コードと同じ感じになる簡単な押さえ方が書かれていました。弦が4本しかないウクレレの場合は相当簡略化してもそれなりに聞こえます。これを私は「いんちきコード」と命名しました。

(1)いんちきB(1弦2フレット、3弦2フレット): 指3本のD7より簡単ですね。BmもBm7もBもB7もこれでそこそこ大丈夫です。4弦は弾かないようにしましょう。余力ができたらいんちきBに指1本を足してB7で置き換えるとさらによくなる場合もあります。

(2)DはD7に置き換える
Dが苦手な方、結構いると思います。私も始めた頃はそうでした。その場合、より押さえやすいD7で置き換えると違和感がないことが多いです(7割くらい?)。もしくはいんちきB(もともとD6ですし)で代用できる場合もあります。

(3)いんちきCm: 2弦1フレットだけ押さえ、1弦と2弦だけ弾きます。3弦を弾いてもぎりぎりセーフでしょうか。

(4)FはFM7、Dm、Fm7、F7のうち一番ましなのに置き換える
Fはそのうちマスターしたいところですが(ギターよりは格段に簡単)、苦手なうちはFM7で置き換えます。FM7はAmと似ていて難易度は低いです。時々FをDmで置き換えてもいいことがありますが、Dmも苦手な人が多いかもしれません。

あとFm7という指1本で1フレットを4本全部押さえるコードで代用できることもあります。もう少し余裕ができたら指1本足してF7とか。F7が弾ければおそらくFの代用はほぼできるでしょう。同様に意外と出てくるF#7を、F#m7(2フレットを指1本で4本全部押さえる)で代用できます。

(5)意外と出てくるBbやGmは3弦奏法で
Bbは2弦3弦4弦と3フレットを3本の指で押さえ、小指で1弦をミュートして弾きます。もしくは1弦から4弦まで人差し指で一気に押さえて1弦を弾かないようにしてもいいです。BはほとんどいんちきBでクリアできますが、時々Bbを1つずらした弾き方にしないといけないことがあります。

Gmも同様に3フレットの1弦2弦3弦と3本の指で押さえて4弦を弾かないようにしています。Bbと同様に1本の指で一気に押さえてもいいです。

このようないんちき技を使って難易度を落とせば、結構簡単に弾ける曲が見つかるはずです。まずは後述する6つのコードのみでやってみましょう。そのうちFがクリアできるともう何でも来い(汗)になります。


5、課題曲選びはG、C、D7、Em、Am、いんちきBの6つのコードで

ギターの教本や楽譜サイトにはたいてい「簡単だが弾いていてあまり気持ちよくない曲」とか、「入門編と言いながらそうでもない曲」とかが載っています。例えばなごり雪とかコード自体は簡単ですが、次々チェンジするので入門には向きません。そして右手の動きを複雑にしないとかっこよくない曲もあります。スローな曲を選べばいいかというとそうでもなかったり。

(1)まずは使用コードができるだけシンプルなもの
「多くの曲は移調させればG、C、D7という骨格が見えてくる」、これは常識と言えば常識なんでしょうけど、こんな感じで書いているのを見たことがありません。「C、F、G7」「G、C、D7」でできている曲は多い、くらいは見たことがありますが。

演歌とかマイナーコードがたっぷり出てくる曲は「Am、Dm、Em(E7)」が骨格となる感じで、ちょっと違いますね。これも「Em、Am、B7」に移調すれば先ほどの6つのコードで行けます。<2024.12.31追加>

最初はG、C、D7だけでいける曲、と言いたいですが、実はほとんどありません。例えば「青葉城恋唄」が該当しますが、好きな人はどうぞ(私はこれで始めました)。あとは「日曜日よりの使者」がC-F-G7なのでキーを変えるとG-C-D7になります。英語が苦にならなければAmazing graceとImagineがお勧めです。

コードが載っているサイトでキーを上げ下げするボタンがありますが、何回かボタンを押すとG、C、D7がたくさん出てくるパターンが見つかります。それをメモってそのまま弾いてもいいですし、カポタストを使って自分の好きなキーしてもいいです。いんちきウクレレにはカポタスト必須。

いろんな楽譜を移調させてみると、G、C、D7の他にEm、Am、いんちきB、この6つのコードで弾ける曲がたくさんあることがわかりました。時々似たようなG7、A7、E7とか混じる場合がありますが、難易度はAm以下でたいしたことはありません。初級者はAmは結構苦手ですが、最初はCで置き換えていいよと言ってます。しかし意外とCが苦手な人もいます。

(2)おすすめの課題曲
最初はどうしても「弾ける曲」になりますが、結局のところ「弾きたい曲」を弾かないとうまくいかないでしょう。最低「弾ける曲」2曲くらいと「弾きたい曲のうちそこそこ簡単なもの」の3曲くらいの合計5曲くらいを並行して練習するといいです。

「弾ける曲」のおすすめは青葉城恋唄、乾杯(capo7)、日曜日よりの使者、Amazing grace、Imagine、さくら(森山直太朗)、Stand by me、Let it be、です。古い英語の歌が多いですね。

「弾きたい曲」候補(まあまあ簡単なやつ)は、なごり雪、デイドリームビリーバー(タイマーズ/モンキーズ)、青空(ブルーハーツ)、True Love、白い雲のように、I love you(尾崎豊)、サボテンの花、女性にお勧めなのは待つわ、秋桜(capo1)、ダンシング・ヒーロー、フレンズ(レベッカは結構いける)、M(capo5)、風になる(capo5)、ラヴ・イズ・オーヴァー(capo3)。

2020年前後の曲はかなり複雑なコードやリズムのものが多く、大変です。藤井風とか結構難しいです(が満足度高い)。やっぱり70年代80年代あたりが簡単に弾けて歌って楽しいですね。なごり雪は実はコードチェンジが多くてそこまで簡単じゃありませんが、ゆっくり弾けば大丈夫です。


6、練習のやり方実践編

(1)自分だけの楽譜を作ろう
Ufret、楽器me、J-Total Musicなど歌詞とコードが載っているサイトがいくつかあります。そのサイトで自分に合ったキーにボタンで調整し、そのまま弾いて歌うこともできますが、結構きついコードがあったりします。もちろんいんちきコードなんてありませんので自分で置き換えます。

「これ違うんじゃない?」というコードが書かれていることが結構あります。違うサイトを見ると違うコードにしてあることもあるのですが、結局自分でもっとふさわしいコードを探すことが多いです。知っているありったけのコードを弾くと見つかるでしょう(汗)。

なので私は一つ一つ自分専用の楽譜を作っています。Word互換のOpenOfficeのワープロソフトで歌詞を打ち込み(結構大変)、コードを載せ、そのまま弾いてみて、おかしいところを修正、いんちきを駆使して改変、です。Am7は押さえ方が同じになるCに(同様にCM7をEmにとか)書き換えると読みやすいです。

こういう作業をしていると、4弦であるウクレレで使うコードって割とアバウトでいいのかも、と思えてきます。6弦のギターは多分こうはいきません。

(2)私の構え方・弾き方
まず私の構え方ですが、椅子に座り右太ももにウクレレのくぼみを置き、サウンドホール付近を弾いています。これが基本かどうかわかりません。小さいウクレレの場合はサイズ的にサウンドホールあたりは窮屈でしょうしネック側を弾く人が多いようですが、バリトンではサウンドホールあたりを弾くのがちょうどよさそうです。まあ人それぞれでいいでしょう。

私の右手の弾き方はピックを使わず、人差し指の爪でダウンストローク、親指の爪でアップストローク、です。普通のウクレレだと親指の腹を使って弾くように言われるでしょうけど、私はできませんでした。いろいろ試行錯誤してこのスタイルになりましたが、こうやっている人は聞いたことがありません。

(3)右手は最初は簡単なリズムパターンで
一番簡単なパターンは1小節をダウンストロークで2回とか4回弾くもので、最初はこれでいいです。例えば森山直太朗のさくらですと、「僕らはきっと待ってる」をG4回C2回G2回(もしくはG2回C1回G1回)で弾くといいです。太い方の4弦から細い1弦に向かってジャラーンと指を下ろすのですが、1弦2弦がよく鳴るように。

これで物足りなくなってきたら、1小節を「ジャーン、ジャンジャカ」と長いダウン+普通のダウン+短いダウン+短いアップストローク、という組み合わせをするといいです。その次は「ジャンジャカ ジャジャジャ」になります。私のようにさびしい歌が好きな人は、アルペジオで弾かないと雰囲気が出ない場合があり難しくなりますが、やってやれないことはありません。

(4)最初は歌詞とコードを暗記して、楽譜を見ずに
初心者を教える場合、Gを押さえてジャラーンはすぐにできます。そのあと第一段階としてコードチェンジが難しいのでG→Cのチェンジ練習、慣れてきたらG→C→D7→Gとチェンジの練習をしてもらいます。そのあとコードが簡単な歌を、楽譜を読みながら弾いてほしいのですが、これがなかなかの難関です。なのでこれは第三段階にして、第二段階として使用コードと歌詞を覚えて楽譜を見ないで弾くのがいいです。なかなか適当な歌がないのが難点ですが(汗)。

(5)練習環境
音が小さめのバリトンウクレレとはいえ、遠慮して弾かなくてもよい練習スペースが大事です。私も実は離れを建ててから上達スピードが上がりました。家族に遠慮して小さい音で、というのはストレスがたまります。


7、一五一会を4弦ギターにチェンジする裏技(自己責任でお願いします)

一五一会の弦を張り替えると4弦ギターとして使えるという情報を得て飛びついてしまいました。購入した一五一会ベーシックはトップがスプルース単板、サイドバックがマホガニー単板という本格派で私の大好きなRF-90と同じ組み合わせで、似た感じのきらびやかな音がします。定価は何と11万円もします。

一五一会は説明書通りにDGDGとチューニングすると指1本でコードが弾けるようになります。見た目ブリッジの配列は普通のギターと同じようです。何が特殊なのかとずっと思っていました。そのからくりは細い方からギター用の1弦、3弦、4弦、5弦を使うということだと知りました。

通常のギターであれば1弦から6弦までEBGDAEとチューニングします。それを一五一会にすることを考えてみましょう。まず2弦と6弦を取り外し、1弦をEからDにゆるめ、3弦Gと4弦Dはそのまま、5弦をAからGにゆるめ、というようにするとギターが一五一会になります(2弦がなくて不恰好ですが)。ならばこの逆をやってみると一五一会が4弦ギターに変身するというわけです。

1弦をノーマルよりきつく張るようになるので耐久性がどうかと思いましたが、一五一会の説明書には1弦をEにしても大丈夫と書いてありますのでOK。ちなみに一五一会は通常のギター(K.yairiの標準的ギターが645mm)よりスケール(弦長)が短く630mmです。スケールが短くなると同じチューニングでは通常ギターより弦の張り(テンション)は弱くなるはずなのでいずれにせよ大丈夫なはず、まあ誤差範囲か。

私の一五一会は新品ではありますが2007年製、弦はさびがありました。K.Yairi推奨のダダリオEXP16を買って1弦から4弦を張りました。この弦には根元に色がつけてあり区別がしやすくなっていますが、外した弦にも同じ色が付いていました。もしや同じEXP16が張ってあったか。この2007年製は手放してしまうのですが、その後2003年製の長期在庫品を買い直しました。

そうそう、ギターの弦は1弦と2弦が切れやすく、特殊な弦であればばら売りがないかもと心配していました。しかしこのダダリオEXP16、ホームページで組み合わせを見てみると1弦はPL12、2弦はPL16となっています。他の弦セットでもこの1・2弦を使うことが多く、ばら売りもありそうです。よかった。

そういうわけで一五一会にギター用の弦を1弦から4弦まで普通に張ります。これで無事4弦ギターが完成しました。おそらく一五一会音来(にらい)でも同じようにできるかと思います。奏生(かない)はナイロン弦でウクレレチューニングですから間違えて買わないようにしてください。(2023.5.14追記:最近のはギターと同じチューニングらしいです。スケールは同じようなので弦を変更したのでしょうか。)

おそらく一五一会のうたい文句通りの指一本奏法はとっかかりとしてはいいのですが、間違いなく飽きますし、指を正確にスライドさせるのって結構難しいと思います。その点この一五一会4弦ギターバージョンはお勧めです。音が違いますからバリトンウクレレと両方持っていてもいいです。

<2023.5.14追記>一五一会音来(にらい)のナイロン弦バージョンがあるようです。交換用の専用弦がなくて、ダダリオのEJ33の1、3、4、5弦を使用すればいいという情報を見ました。ということは、うちの一五一会ベーシックでもこの弦の1-4弦までを張ればナイロン弦バージョンになるってことかもしれません。そう思っていたら、弦が太くなるのでナットの弦を通るところを削って広げないといけないことに気づきました(汗)。


8、弦と弦の間の広さ

モーリスのギター(ドレッドノート型)、KALAとMAHALOのバリトンウクレレの3つでナット幅と弦と弦の間など測定してみました。1mm以下は気合いで読みましたので誤差ありです。なおモーリスとMAHALOは木のサイドにプラスチック板を貼ってありますので、ナット部分の木だけの幅はモーリス40.0mmMAHALO33.0mmです。

モーリス ナット幅43.7mm 1-2弦6.6mm 1-3弦13.1mm 1-4弦21.2mm 1-6弦35.4mm
KALA  ナット幅37.9mm 1-2弦10.5mm 1-3弦20.5mm 1-4弦30.7mm
MAHALO ナット幅40.0mm 1-2弦9.8mm 1-3弦19.0mm 1-4弦28.2mm

これらはいずれも弦自体の太さを含みます。参考までに弦を含まない1弦と3弦の間(つまり指が入るスペース)も測定しましたが、モーリス12.2mm、KALA19.2mm、MAHALO18.1mmでした。KALAバリトンの1弦から3弦までの間と、モーリスの1弦から4弦までの間がほぼ同じというのがびっくりです。

やっぱり私のような指がめちゃくちゃ太い人はギターは無理というのがよくわかります。例えばAのコードで指3本を斜めに並べると、1mm以下の精度で押さえないと隣の弦に当たりますので物理的に無理です。

<以下はおそらく2014-2015年頃に書いた記事です>
 弦と弦の幅をKALAのバリトン、一五一会とSeagullフォークギターで測定してみました。1弦と3弦の間は指が入るスペースを想定して弦を含まない寸法、1弦と4弦の間は一五一会との比較をするためで、こちらは弦の幅を含めてにしたのは一五一会のナット幅からこの寸法を引くと余剰スペースがわかるという意味です。いずれも1フレットのネック寄りにぴったり定規を当てて測定しました。

 KALAバリトン: 1弦と3弦の間19.0mm、1弦と4弦の間30.0mm、ナット幅37.5mm
 一五一会 :   1弦と3弦の間16.3mm、1弦と4弦の間25.6mm、ナット幅33mm
 Seagull S6:   1弦と3弦の間15.3mm、1弦と4弦の間23.8mm、ナット幅46mm

結局バリトンウクレレは大差をつけて広いです。あとフレット幅も一五一会やギターより狭いので、手の小さい方には楽です。一五一会はSeagullより若干広く、ナット幅48mmのギター相当の幅がありそうです。クラシックギターは一五一会とバリトンウクレレの中間くらいです。

なおSeagullの46mmは結構広い方です。海外メーカーでもMartinのD-28は44.5mm、国産メーカーは42-43mmが多いようです。エレキはもう1-2mm狭い感じでしょうか。


9、普通のギターを4弦ギターにチェンジする裏技

普通のギターは弦が6本もあるだけで難易度大幅アップですが、さらに上記のごとく弦と弦の間が狭いので、私のような指の太い人にはお手上げになってしまいます。私はオーダーメイドで4弦ギターを作ってもらいましたが、そのあといいアイディアが浮かびました。

まず何でもいいのでギターを用意して、ナット(ヘッドとネックの境目の弦を通す溝があるところ)をギターショップで加工してもらいます。もともとのナットには溝が6本彫ってありますが、それを4本(バリトンウクレレと同じ幅)にするのです。とあるショップのホームページではナット交換が1万円と書いてあったので、そのくらいでやってもらえるかもしれません。

あとは弦を取り付ける時に1弦と6弦の場所はあけておいて、2弦から5弦までの場所に1弦から4弦まで装着し、あとはナットの溝に乗せて近いところのペグで巻いていく、これだけです。2つ弦が入っていないペグがありやや格好悪いですが、気にしないように。

以上妄想で書きましたが、とうとう実行に移しました。モーリスM-601を中古で購入し(届いたのが2024.10.16)、全然無理ということを確認して(汗)、1ヶ月ほど寝かしてショップにお願いし、1週間ほどで仕上がりました。KALAバリトンと同じ弦の幅にしてほしいと言い、ブリッジ部の弦と弦の間がちょうどそのくらいなのでそれで行きましょうという話になりました。今日11/24に受け取って弾いてみましたがいい感じ。1万円以下でできましたし、6弦仕様に戻すのも1万円以下でできます。これかなりお勧めかもしれません。ただしバリトンウクレレよりは弦と弦の間は狭く、一五一会並です。


10、ウクレレでボサノバをやる裏技

ボサノバの楽譜を見ると、1弦と6弦をほとんど使っていないのに気付かれるでしょう。ということは2弦から5弦までをウクレレの1弦から4弦までに担当させれば、ほぼ楽譜のままで弾けてしまうのではないかと考えました。

一つだけ注意事項があります。ギターやウクレレを手動でチューニングするとわかるのですが、3弦と2弦だけフレット4個分(半音4つ分)音が離れていて、その他は全部5つ分離れているのです。3弦の4フレットを抑えて2弦を同じ音になるように調整しているのはそういうことです。

例えば2弦「B」と1弦「E」は、B→C→C#→D→D#→Eと5つ音が変わります。そして3弦「G」から2弦はG→G#→A→Bb→Bと4つしか音が変わっていません。このせいでボサノバコード表の2弦から5弦までの押さえ方を見ても、ウクレレの1弦から4弦までで再現できないのです。

そこで思いついたのですが、「DGBE」(なぜか4弦から呼ぶようです)のチューニングを「DGCE]、つまり2弦を半音上げげればいいんじゃないかということです。これで通常ギターの5弦から2弦にかけて5→5→4と高くなるのが、DGCEチューニングのバリトンウクレレの4弦から1弦にかけて同じく5→5→4と高くなります。つまり音程が半音5つ分違うだけでボサノバコードの楽譜がそのまま使えることになります。間違ってないでしょうか(汗)。

そして半音5つ分違うということは・・・テナーウクレレを使えばこのチューニングでギターの2-5弦部分と全く同じ音程になってしまうということです。