'05 DUCATI Multistrada 620


2007.1.13  ムルティストラーダとご対面&契約
   イタリア車は永遠のテーマです。現在車がマツダアクセラスポーツですから、バイクはイタリア車であってもいいでしょう(屁理屈)。MOTONAVIというバイク雑誌でかなり評判がよかったのと、ドゥカティには珍しい、というか初めてのオフロードスタイル(カジバエレファントとかグランキャニオンとかいうドカエンジンを積んだものはありましたが)で、かなり変わったスタイルというのにも惹かれました。
 当初は1000ccのみのラインナップでしたから、大きすぎるかなと感じていました。確かに排気量はある程度大きくないとエンジンの味という面では不利になります。ただ回ればいいというものではありませんし、以前乗っていたモンスター400では味の薄さが気になっていました。しかし排気量が大きくなりすぎるとすぐに速度オーバーになりますのであまりエンジンを回せないということになりますし、トルクが大きすぎて渋滞路など低速域での扱いにくさにつながります。ですから1000ccはちょっと大きいかなと思っていました。しばらくして620ccが追加ということになりました。これはもしかしてちょうどいいかなと思いました。しかし新車で買うにはリスクがありますし(壊れるとかではなくて、長く乗らないうちに売って大損するリスクです)、取り回しのいい直4 の750ということで事故車ZR-7を買ったというのもありましたから、620が製造中止にでもなってから考えようというつもりでいました。
 で、つい最近620がラインナップから消えていることを発見しました。これはまずい。機は熟した(笑)。ということでまずは以前からチェックしていた中古がある県内(といっても100kmほど離れた)のショップに出かけました。
 実物は1000ccを遠くから見たことが1回あっただけで、正直変なスタイルでそれほどかっこいいと思っていませんでした。しかし実物は写真と全然違ってめちゃくちゃかっこよかったです。
2005 年12月登録の2006年モデル(マイナーチェンジ後)で、走行はなんと1100km余り。初回点検も受けていなかった新車同様です。 試乗はできなくてエンジンだけかけていただきましたが、静かすぎずうるさすぎずいい感じでした。しかも最近値下げされてかなりお買い得。もうだめです。1ラウンドKOでした。

2007.1.27  納車と初走行(1118km)
 2週間を今か今かと待ち、やっと今日の納車を迎えました。納車というより再会を果たしたという感じだったかもしれません。かっこいいです。このスタイルだけでも買う価値があったと思いました。
 マニュアルとキーと書類をいただき、簡単な説明を受けてからいよいよ乗り出しです。エンジンはまだ冷えているようで、チョークを引かないとエンストしそうな感じです。1-2分くらい暖気したでしょうか。走り出そうとしてクラッチを握り、1速に入れた途端・・・
 何と勝手に動き出してしまいました。クラッチは完全に握っています。ブレーキを離すと動きそうですし、どうしていいかわからなくなりました。そうだ、キルスイッチだ、と思った時はお店のメカニックの方がキーをオフにしてくださり、何とか事なきを得ました。すぐそばにはお店の方のバイクがあり、もう少しでぶつかるか、もしくは立ちゴケ(とは言わないかも?)するところでした。冷えているとクラッチが貼り付くことがあるとのことでした。びっくりしました。
 気を取り直して走り出すと、ZR-7とあまりにも違う感触で怖いほどでした。クラッチは国産車同排気量並みに軽いですが、少し遠くでつながるような感じでエンストしそうになりました。エンジンはアイドリング状態では静かでしたが、3000-3500回転あたりはかなりぶるぶると、まるで馬にでも乗っているかのような感じがしました。これって壊れているんじゃないよな、と思いながら乗りましたが、これはそういえばモトグッチネバダでも感じたような感覚だったかもしれません。高速に乗るまでの間、結構怖々と運転していました。でも慣れるとエンジンはいい感じです。ハンドルも切れますのでUターンは楽々、オフ車ほど重心が高くないのか押し歩きも楽々です。ただ食事をするために寄ったファミレスの駐車場で、止まりそうな速度でブレーキをかけたらカツーンと効いて、タンクに大事なところをしこたまぶつけました。
 高速に乗ると感触は一変しました。エンジンは4500回転あたりでは振動が少なくなりました。トンネルとかで回転数が落ちるとガタガタと言い出し、壊れたのか?ガス欠か?なんて思うほどでした。しかしこういうエンジンなのでしょう。流れに乗るくらいのクルージングは楽でした。速度が落ち、追い越しをしようとアクセルをひねるといとも簡単に加速します。620ccとは思えません。モトナビという雑誌で、「1000ccだと言って他の人に乗ってもらってもわからないと思う」というインプレッションがありましたがそんな感じです(750ccくらいに思えます)。ポジションも楽で、上体は立ち気味なので風は受けますが、ロングツーリングも楽かもしれません。
 このムルティストラーダ620、ドカ史上最も乗りやすいバイクかもしれません。モンスター400はポジションが少し伏せ気味で、キャブレーターなのでエンジンの始動性に難があり(最近のインジェクション仕様は全く違うそうです)、ハンドル切れ角が足りないために取り回しが少し悪かったです。また過去のページを読むと雪道にも弱いことがわかります(汗)。ムルティはもう少し乗って体になじんでくると最強かもしれません。エンジンはパワー十分で味も十分です。モンスターより10kgくらい重くて重心が少し高そうですが、それほど重く感じませんし、ハンドルが切れるために取り回しは最強です。今のところめちゃくちゃ印象はいいです。


2007.2.4 やっと2回目の走行(汗)
 やっと週末が来ましたが、前回の100kmツーリング?のせいで風邪をひいています。昨日は結構寒かったので家で休養し、今日は暖かかったので乗ってきました。家から20分ほどのところで、笠岡の埋め立て地にある公園とそのそばにある牛舎(牛が好きなのです)に行ってきました。
 今日は前回と印象がかなり違いました。まだ2回目なので慣れているとも思えず、気温の差が一番だと思います。それとも高速走行でエンジンが滑らかになったのでしょうか。3500回転前後の振動の多いあたりですが、全然苦になりません。確かにミラーは揺れているのですが、町乗りレベルではそのままその回転域をキープしても不快というほどではありません。また2000回転をキープしていれば問題ありませんが、2000回転を切るとかなり振動が出てきます。
 街乗りで使えるかどうかですが、前にいかにも運転に慣れていなさそうな車がいたとしたらちょっとぎくしゃくします。このあたりはZR-7の方が快適です。やはり少しすいた道をある程度の速度で(流れくらいで大丈夫だと思います)走る方が快適です。
 しかしながらちょっとした加速がかなり心地いいです。3500回転あたりでどろどろと走っていて、前がすいてアクセルを開けるとかなり加速はよく、気持ちいいです。エンジンの鼓動もいい感じで、もう少し排気量が大きかったらちょっとつらいかなとも思います。
 で、このまま気に入って乗り続けられるかどうかですが・・・まだいまいち自信がありません(汗)。

2007.2.19 週末しか乗れません(T_T)
 通勤の朝8時あたりはまだまだ寒いです。ただ1月はこの時間まで最低気温から上がらない印象でしたが、最近は最低気温が低くても8時にはもう少し上がっているような感じです。そろそろ通勤にも使えるかもしれません(10度以上希望)。
 今日で4回目くらいの走行でしょうか。気温は10度程度、セルを回すと重そうです。本当にバッテリー大丈夫だろうかと思うくらいです。年末まで持ってほしいです。しかしかかりはまずまず良好。何でインジェクションなのにチョーク引かないといけないんだろうと思いますがまあいいです。すぐにチョークを戻してもアイドリングは1100回転あたりで安定しています。
 ギアを1速に入れて・・・またクラッチが貼り付いたようでエンストです。気を取り直して1速のままクラッチレバーを握ってセルを回すと問題なしです。クラッチの貼り付きがなかったのは2/4の1回だけでした。
 走り出すとやはりいい感じのエンジンフィールです。遅い車の後ろでもそんなにストレスではありませんでした。時々2速でアクセルを開けて追い越します(片側2車線)。たいしてスピードは出ていませんがこれが快感。ちなみに2速では50-55キロを超えると振動が出てきてシフトアップしたくなります。3 速では35-40キロくらいを下回ると苦しいです。40km/hを下回らない流れなら3速固定でストレスはありません。
 ストレスのないバイクの条件として、1速と2速の低速域での使いやすさ(エンストしないかギクシャクしないか)、それから2速3速の守備範囲がある程度広いことが挙げられます。これらがうまくいかないと乗りにくいバイクになってしまって、いくら楽しいエンジンでも日常では使いにくいということで売ってしまいたくなります。ムルティ620はどうかというと、今のところ微妙です。体調が悪いと厳しいかもしれないなというのが正直なところですが、そういう時は乗らないという選択肢もありますから大丈夫かもしれません。

2007.3.3 エンジンかからず(泣)

 一応慣らし中ということで寒い朝には乗らないことにしています(本人が根性ないというのもありますが)。週末しか乗れないので、今日は気合いを入れていました。
 昼間の暖かい時乗ることにしました。セルはいつもより回りが力強くすぐにエンジンはかかりました。クラッチを握り、1速に入れて、お約束のクラッチ貼り付きです。ここまでは想定内でしたが今回はなかなかエンストせず、キーをオフにしました。気をとりなおしてもう一度スターターボタンを押すと・・・かかりません。カチッというリレーの音と後部からのウイーンというモーター音のような音がするだけです。
 購入したお店に電話をして、リレーを叩いてみてくださいとかいろいろアドバイスをいただきましたが全然だめでした。念のためブースターケーブルでアクセラのバッテリーと接続しましたが変化なし。イモビライザーの誤作動かとも思いましたが赤いマスターキーでかからなければその可能性も低いとのことでした。
 結局ドゥカティロードサービスに電話し、広島まで輸送していただくことになりました。週末乗れないのはつらいですが、治ればそれでよしということにします。

2007.3.19 ムルティ復活!!!
 やっと復活しました。原因はリレーだったようで交換していただき、クラッチの貼り付きがあったことからこちらも分解していただいたようです。クラッチは異常なかったようですが安心しました。
 広島から乗って帰りましたが、気温は10度以下と低かったのですが、かなり着込んでいたので寒かったのは安物スキー用手袋だけでした。快適でしたが風がしんどく、このフロントスクリーンは役に立っているのかと思いました。風といっても吹き流しが下斜め30度くらいでしたのでとんでもない風ではありません。この風では100km/h出すのが限界です。80-90km/hくらいが快適だと思いました。

2007.3.29 通勤に使う
 昨日今日と通勤に使ってみました。昨日は乗り心地が硬く感じ、また低速域でエンジンがぎくしゃくするように(いらないエンジンブレーキがかかるように)感じました。職場に着くとめまいがひどく一日治りませんでした。これはちょっと通勤は厳しいかなと思ってしまい、早速ZR-7を買い直そうかとまで考えました。
 今日は乗り心地の硬さとぎくしゃくは昨日ほどは感じませんでした。まずまず快適ですがまあZR-7ほどではありません。現在走行たったの1500kmですからもう少し距離が伸びればスムーズになるのかなとも思いました。ちなみに気温は両日ともに最低9度前後最高20度前後と暖かい日でした。
 あとクラッチの貼り付きはやはり起こります。半分の確率でしょうか。今日は朝も夕方も貼り付いてエンストしました。これも慣らしが進めば治るのでしょうか。

2007.3.30 Kappaトップケース
 カッパのトップケースのフルキット(46Lトップケースとムルティ用キャリアのセット)を注文していて、ムルティが帰ってきたので24日に取り付けてみました。キャリアは少し精度が悪く、取り付け穴を広げてやっと付きましたが1カ所ネジ山が悪いのかうまくねじが入りません。結果的にはぐらつきは全くなく頑丈に取り付いたと思います。
 まず最初の問題がキャリアに取り付けるベースプレートです。これが2種類あって、付かない方が入っていたようです。交換していただいて昨日取り付け、何とかベースプレートにケースが取り付くところまでいきました。
 しかし次の問題としてケースの鍵がかからないことが判明しました。一度代理店の方に送ってチェックしていただいて、作動良好ということでまた送り返していただきました。原因は結局やり方が悪かったということでした。ケース下部のヒンジをふたの部分にひっかけるのですが、そのあとの押し込み方がわかりませんでした。結構力を入れて押し込むとガチャンと固定され、その状態で鍵を回すとロックされます。説明書だけではわからなかったのですが、私が鈍かったのでしょうか。
 でもこれで通勤もツーリングも楽々です。46Lですからたくさん荷物が入ります。購入店のテクニカルゲイツと輸入代理店のアクティブの方にはお手数をおかけしました。非常に親切に対応していただきましたのでありがたかったです。

2007.3.31 ミニツーリング
 トップケースを付けて初めてのミニツーリングに行ってきました。福山から八田原ダム、上下、三和と経由して福山というコースです。初めてワインディングを走りましたが、やはりこのバイクの一番得意とする状況です。5000回転前後を使ってコーナーに差しかかり、エンジンブレーキ、ブレーキ、そして立ち上がりでアクセルを開ける、そのどれもがエキサイティングでした。特にエンジンブレーキが意外にいい音でした。その気にさせられます。
 これでもう少し慣らしができて、低めの回転で走っても4000-5000回転で走っても両方いけるとなれば素晴らしいです。2000回転を下回らなければそれほど困りませんし、2000回転を下回ってもドコドコ言いながら一応加速してくれます。しかし今のところは渋滞一歩手前の市街地走行はまだまだ楽しめません。

2007.4.22 入院中
 先日朝(4/12)出勤するときエンジンをかけようとして、一瞬かかったのですがすぐにエンストして、その後全くかからなくなりました。またリレーかなと思ったのですがアクセラから電気をもらうとかかりました。3分以上くらいアイドリングして、ギアを入れたらまたクラッチが貼り付いてエンストしました。その後はまたかからなくなり、クラッチの貼り付きと合わせて修理してもらうことにしました。
 4/15にお店に問い合わせしたところ、クラッチを新品にするとのことで部品の入荷待ちとのことでした。その後は連絡がありませんからまだ動きがないのでしょう。

2007.4.30 ムルティ退院
 修理完了メールが入っていたのですぐに取りにいきました。クラッチはアッセンブリー交換でテストを繰り返し大丈夫とのことでした。エンジンがかからない件はわからないと言われました。バッテリーの可能性大と思っていたのですが。
 車体を直立させ、クラッチを握ってからチョークをひかないでエンジンをかけ、かかったらチョークを引くようにアドバイスを受けました。サイドスタンドで立っているとクラッチの部分はオイルに浸っていないので、以上のような始動方法をするのがいいそうです。これはドゥカティだけでなくてすべてのバイクに言えるということでした。
 広島からまた100kmのツーリングとなりましたが、夜で雨がぱらつく高速道路は90km/h出すのがやっとです。100km/hは風圧が怖かったので 90km/h未満のトラックのあとをゆっくりついていきました。帰宅時1870kmくらいです。

2007.5.5 ムルティ復活・・・でも
 退院後2回乗りました。朝一番の始動でもクラッチの貼り付きは全くありません。イタリアからクラッチユニットを取り寄せて交換していただいた甲斐がありました。
 しかし近場を流すくらいではいまいち面白くありません。峠を走ったり高速道路で(できれば日中)加速してやるとエキサイティングなのですが、私の用途は主に通勤とお買い物ですから、エンジンのおいしい部分が使えません。あとこれは気持ちの問題ですが、また壊れたらどうしようという思いが離れません。さすがにもう壊れないとは思うのですが。
 早いですが手放します。Yahooオークションに昨日出品しました。

2007.5.24 ムルティ売却失敗
 Yahooオークションでしばらく再出品を繰り返していたのですが、落札者が現れずに終了しました。70万円でも無理なんですね。いいバイクだと思うのですが評価されていないようで残念です。安売りする気はありませんしそれではムルティの価値を自らおとしめることになりますので、しばらく乗り続けることにしました。
 実は今売却するのはあまり得策ではないことはわかっていました。というのはZR-7の新車がなくなりかけているため無理してでも乗り換えを考えたからなのです。もう新車はあきらめましたので、タイミングのいい時に乗り換えるくらいにしておきます。

2007.6.23 ムルティ売却

 今日神奈川の方がはるばるいらっしゃいまして、乗って帰られました。短い間でしたがなかなか濃いバイクライフを送ることができました。半年弱で20万円ちょっと値落ちしたのは痛かったのですが、ディーラーで購入したので仕方ありません。
 しかし意外な不人気にびっくりしたのも事実です。同じムルティなら皆さん1000ccとかの方に惹かれるのでしょうか。でもきっとこのバイクに満足していただけると思います。ドカの味はちゃんとありますし、乗りやすさはやはりドカの中では一番でしょう。新車のような渋さがまだ残っていますし、これからどんどんなじんでいくことでしょう。
 バイク自体はよかったのですが、やはり私は直4が好きなんだと思います(確信はありません)。癒し系バイクを買います。

2011.3.14 追記
 結論として、ドゥカティは私の体に合わなかったということです。2気筒も4気筒も好きですが、やはりゆっくり走って楽しめるバイクでないと私はダメなようです。ムルティストラーダ620は出来はすごくよかったと思いますし、結構いつも回して走るような熱血ライダー?にお勧めですね。