ワンレングスアイアン(single length irons)について  2016.3記載 2017.4.3かなり修正

ブライソン・デシャンボーの「長さを揃えた」「超アップライトな」「極太グリップの」アイアンが去年一時的に注目されました。超アップライトと極太グリップも有望なのですが、ここでは長さが同じアイアンにスポットを当ててみます。日本ではワンレングスアイアン、アメリカではsingle length ironsと言われています。

デシャンボーさんは6番アイアンが得意だったようで、その37.5インチに他のクラブを合わせました。彼の活躍の要素はこのクラブだけではないとは思いますが、実はこのやり方、私のような100を切りたいゴルファーには参考にすべきエッセンスが詰まっています。もっというとワンレングスアイアンを一度経験して、成功してから次のステップに進むのがいいんじゃないかと思います。

全ての番手の長さが同じということは、全部のクラブに同じシャフトを入れて、同じ重量、同じライ角、同じバランス、同じMOIということになります。おおまかな特徴としては、

(1)全番手同じ長さなので、構えは全部同じでよい。ボール位置も同じ。
(2)全番手同じスペックなので振り心地は全部同じ。スイングは一つでよい。
(3)同じ位置でボールに当たるのでミスの傾向も同じ。短いのは引っ掛けやトップ、長いのはスライスなんて起こらない。
(4)ショートアイアンやウエッジは長くなるのでヘッドスピードが出てボールが高く止まりやすくなる。
(5)ロングアイアンは短くなるのでミート率が上がってミスが少なくなる。
(6)ロフト23度くらいが限界で、それよりロフトを立てるとハードヒッター以外は飛距離が出にくくなる。

最近は日本でも販売されるようになってきたようですし、デシャンボーさんの契約先であるコブラからも出ています。特にウエッジは慣れるまで違和感がありますが、慣れたらOKです。

特にゴルフを始める方にはワンレングスが超おすすめです。普通のアイアンはクラブに合わせてスイングを調整しないといけないので(だから苦手クラブというものが出てくる)、ワンレングスならひとつのスイングで対応できます。あとはドライバーだけ追加したらゴルフになります。下手にウッドとかユーティリティとか最初から入れてしまうとものすごく複雑になって悩みますのでビギナーの方にはお勧めしません。

そしてゴルフに悩んだ人も一度ワンレングスを試すと今までの常識が覆されるかもしれません。今までのクラブで結果が出なかったのはこういうことか、と気づければ最高です。

ワンレングスアイアンというのは実はセッティングの基本です。ロフト角だけ変えて飛距離を調整するわけですからこれ以上シンプルな方法は存在しません。そうすると番手ごとに長さを変えるのは(つまり市販アイアンは)応用編です。応用編をしてデメリットはないでしょうか。8番アイアンほどはうまく打てないという番手は、その変化のしかたが間違っている可能性が高く、もっと重く(軽く)したらうまく打てるということです。そのことに気づけたら今後うまくいくでしょう。

私は2016年の半分くらいをTom Wishon Sterlingというワンレングスアイアンでプレイしました。シャフトはダイヤモンドライフルというかなり特殊なものを入れてしまったのですが、今後普通のアイアンで困ったらこいつにダイナミックゴールドを入れます。ウエッジは短くてもいいかもと思いますが、ワンレングスで何ら過不足ありません。ヘッドが軽いSWでバンカーショットしてもうまくいきましたし。