市販のクラブは100切りには最適ではないこれだけの理由   2021.11.25 → 2023.1.2加筆

誰も言いませんが、ゴルフクラブのスペックは上級者用にできています。ドライバー・3番ウッド・ロングアイアンは飛距離を求められるクラブなのでしっかり振れるように、ウエッジやショートアイアンは正確性を求められるので軽く振れるように、と設計されています。上級者がスコアを出すには最適のようです。

なのでドライバーや5番アイアンを打つとスライスしか出ない人でも、PWや9番アイアンで引っかけたりフックしたりします。言い換えるとドライバーや5番アイアンではもう少し力強く振らないといけない、PWや9番アイアンはもっと力をセーブして振らないといけないのですが、我々百叩きにそういうことは無理です。

なのでまずはショートアイアンに鉛を貼りましょう。8番アイアンが得意な方であれば、9番アイアンには鉛を貼って8番アイアンのバランスより0.5低いバランスに調整します。同様にPWも9番アイアンより0.5減らします。例えば8番D2.1、9番D2.6、PW_D3.1とかになります。

これで味をしめたらドライバーも調整しましょう。0.5インチ手元をカットしてグリップを装着するだけです。これでだいぶ改善するはずですが、そんなでもないなと思われたらもう0.5インチカット(合計1インチカット)してみましょう。鉛を貼らないと打てるわけないと思ったりしますが、元の長さが45.5インチ以上であれば1インチカットしても鉛なしで打てると思います。そしてスライスが出なくなってませんか?

そしてここからが本番です。ドライバー、6番アイアン、8番アイアン、PW、SW、パター、この6本でプレイしましょう。7番と鉛で調整した9番を入れて8本でもいいです。厳密に言うと6番アイアンとSWがちょっと重く感じるかもしれませんが、省略します。多分全部ミスの傾向が同じになり、振り心地が同じクラブがどれだけありがたいか痛感するんじゃないでしょうか。

何も考えずこのあたり試してから、以下の記事を読んでいただけるとわかりやすいでしょう。


−−−−−−− 以下は2021.11.25に書いた記事です −−−−−−−

1,ドライバーは試打室で飛距離が出ないと売れない

ドライバーは試打室で飛距離が出るものが売れるそうです。ということはコースでは別問題となります。試打室ではOBを恐れず打てますし、振れば飛距離が出ますので120%で振ってまっすぐ飛距離が出るスペックに調整されています。もちろんそれを練習場に持って行っても試打室と同じスイングができれば同じ結果になるわけですが、コースではそうはいきません。少し力を抜けばスライス、チョロ、OB、何でも出ます。

そしてそういうクラブなので「長く軽く」になります。「短く重い」ウエッジとは全くの別物になりますから、ドライバーでナイスショットした直後にPWに持ち替えてナイスショットが打てるでしょうか。上級者ならOKですが100切りを目指すゴルファーには無理です。

ドライバーにもアイアンと同じスチールシャフトを入れるのがお勧めです。アイアン/ウエッジとドライバーとで長さ重さがさほど変わらなくなります。それは嫌だと言われる方は、シャフトの手元を0.5-1インチカットしてバランスを落とすといいです。Cバランスはダメというのは迷信です。


2、アイアンも番手ごとに振り心地が全然違う

アイアンセットと言うくらいだから、どの番手を持っても打ちやすく設計されているだろうと思いますよね。実は上級者にとっていいセッティングになっているのですが、100切りゴルファーにとっては必ずしも最適ではなかったりします。9番アイアンを(PWでもいいのですが海外ブランドとかPWのバランスを増やしているケースがあるので)10球くらい打って、素振りせず5番アイアンを打ってまっすぐ行くでしょうか、ってことです。

上級者は長い数字の少ないアイアンはしっかり振り、短い数字の多いアイアンは軽く振ることができますが、100切り狙いゴルファーは無理です。なので4番5番アイアンはスライスし、9番やPWは引っかけます。そうなる方はまず引っかける番手のヘッドに鉛を2gずつ貼ってみてください。4gくらい貼ると引っかけはかなり改善されるでしょう。クラブが軽すぎたのです。

7番アイアンが苦手でなければ、それ以下のアイアンに鉛を貼るとかして同じ感じで振れて同じ方向に飛ぶように調整するとそれで終了です。最悪5番6番アイアンは使わなくてもOKです。長い番手の振り心地を軽くしてスライスを防ぐにはシャフトをカットしないといけないので、簡単には試しにくいですね。

アメリカのGolfsmith社はアイアンのバランスは0.5ずつ変えると振り心地が同じになると提唱しました。つまり5番C9、6番C9.5、7番D0、8番D0.5、9番D1、PWD1.5みたいなフローがいいということです。一番得意な番手はそのままにして、他の番手を調整するとベストです。バランス計は5000円くらいで買えると思うので一つ持っていてもいいと思います。


3,ユーティリティは本当にお助けクラブになっているか

100叩きの私はユーティリティは苦手でした。シャフトを入れ替えたりヘッドに鉛を貼ったりいろいろ試しましたが、どうにもいけません。練習場ではいいのですが、コースでは引っかけOBとかチョロが出ます。ソールの広い4番アイアンの方がましなので、最後の方はそうしていました。

フェアウェイウッドも同じような感じでした。3番ウッドは最初からあきらめて5番7番を使いましたが、地面から打つと本当に戦力になりません。結局理由はわからずでゴルフを中断して1年以上経ちました。

そもそも100切りを目指すゴルファーにとってこれらのクラブは必要でしょうか。もちろん得意な方は全然問題ありません。しかし結果を記録してあとで見返すと、7番アイアンの方がはるかに戦力になっていたという場合は使うべきではありません。


4、ロングアイアンは調整すると意外と使える

40年前のアイアンは3番でロフト24度、4番でロフト28度、これがロングアイアンと呼ばれていました。最近の5番アイアンはロフト24度前後ですから、機能的には十分ロングアイアンです。100切りを目指すゴルファーには5番アイアンは難しいので、代わりにユーティリティを使えというのが最近のセオリーですが、まあそうするしかないんですよね。うまくいけばいいんですが。

アベレージ向けアイアンはヘッドが大きくてソール幅も広いので、実は結構使えます。先ほど書いたように24度の5番アイアンは振り心地が重すぎて、その上ロフト角が立ちすぎて難しい番手になっていますから、シャフト手元を0.25-0.5インチカットして、軽すぎたらヘッドに鉛を1-2g貼るだけで振りやすくなります。下取り査定はがくっと落ちますから自己責任で(汗)。

そしてロングアイアンには大きなメリットがあります。ミスっても最悪チョロかゴロなのでほとんどOBはありません。当たりが薄くて7番アイアン程度しか飛ばなかった、としたら7番アイアンで刻んだのと同じことになります。100切りを目指すゴルファーにとっては想定内のミスに収まる可能性が高いクラブになります。


5、ウエッジはどう選ぶか

ウエッジはアイアンセットのものがいいか、単品の違うものがいいのか、ロフト選びはどうするか、結構悩みどころです。アイアンにしてもPWのロフトが何度かによってウエッジの選び方も違ってきたりしますし、難しいです。基本的にアイアンセットと同じものを勧めます。シャフトも同じで。

ウエッジだけシャフトは重くした方がいいという教えもありますが、同じシャフトだとバランスが軽くなりすぎるのがメインなので、単純にヘッドに鉛を貼るだけでいいのです。そのために単品を選ぶ必要はありません。

もっともかっこいいから単品ウエッジを選びたいというのはありです。そのためにはアイアンと同じシャフトのものを選び、先ほどの法則にのっとり調整です。PWより1インチ短かったら2番手分調整。

ロフトですが、最近のPWはロフト43度とかかなり立ったものが多いので、ウエッジは2本入れる前提になっているようです。一般的な56度のSWだけ入れるとフルショットでの飛距離差が30yくらいになってしまいそうですね。49度、56度の2本でぎりぎりでしょうか。本当はSWは52度とか54度とかの方がミスが少ないという話もあります。悩ましいですね。


6、まとめ

振り心地の統一感、これが一番大事です。クラブによってミスの傾向が違うようなら、それはほとんどクラブが重すぎる/軽すぎるせいです。うまくクラブが振れて、ヘッドがアドレスした位置に戻ってくればボールはまっすぐ飛びますから、ヘッドの問題は小さいものです。