上手な運転とは 〜 道路交通とは空気の読み合いである

タイトルの通り、上手な運転というのは車を上手に操縦するという要素も含みますが、交通の全体的な流れや近いところの他車の動きを読んでそれに合わせることの方が重要になります。

(1)何キロで走るべきか

 例えば速度制限60km/hの道路を走る場合、最低速度の規定がないからといって30km/hで走ることはよくないというのは皆さん十分おわかりかと思います。50km/hでもよくない場合もあります。ではどうするかというと、そこを走るドライバーの80-90%の人が走る速度に合わせるのがいいです。

 いわゆる「流れに乗る」ということです。上位5-10%の人は速すぎるスピードを出しているかもしれませんし、下位5-10%についても同様です。これらは流れとは関係ありませんので無視していいです。上位5%と下位5%を除けば残りは90%になりますし、それぞれ10%とすれば残りが80%になります。ですので80-90%の大多数のドライバーに合わせることになります。

 高速道路は通常2車線以上ありますので、同様に走行車線と追い越し車線それぞれの流れを読んで、それに合わせて走行すべきです。私の経験では上位5%は免停速度くらいと思いますので、そんなのは参考にする必要はありませんし、自分が捕まる/事故るリスクをかぶるのはよしとしても、他人にその速度を強要する(あおる)権利はないはずです。まあめんどくさいのでどけますけども。

 そうでなくても、免停速度を出して捕まると「犯罪者」になり、仕事を休むことにもなりますから、社会人としてはやるべきではありません。私は工事で50km/h制限に落ちている区間でも免停速度だけは出さないようにしています。

(2)右左折待ちや合流待ちの車に対して

 ある程度速度が出ている場合、自分が速度を急に落として他車に進路を譲るというのは危険を伴います。それはなるべくやるべきではありませんし、逆に相手の車の立場で考えるとできれば車間距離が開いている場所で入るべきでしょう。

 この時、待っている車の存在を知りながら(知らないのも困りますが)速度を上げて車間を急につめる車は結構いるのですが、全く無駄なことです。ほんの少しアクセルをゆるめるだけで進路を上手に譲ることができるのに、と思うことが多いです。

 また、片側1車線の道路で、例えば私が右折待ちをしていて、対向車の先頭が右折のウインカーを出したとします。私だったら対向車と動きを合わせて一緒に右折します。ここでもし私が先に右折してしまうと、対向車が右折する前に私の後ろの車が直進して右折できなくなってしまうかもしれません。私がほんの数秒待てば、対向車の流れがスムーズに行くわけですから、ぜひそうすべきです。

(3)車間距離のとり方

 私は車間距離を多く取る方だと思いますが、それでも全体の80%には入っていると思います。先に書いたように全体の80-90%の人に合わせて車間距離を設定するという考え方もありますが、全体的に車間距離が短すぎると思いますので、上位50%を参考にするといいです。

 あと、前の車が右折した後とか、急に前の車との車間距離が開くことがあります。この場合急に車間距離を短くするのではなく、徐々に車間距離を短くしていくのがいいです。自分より前の交通の流れがずっと続くわけではないからで、徐々に車間距離が開くのは避けて(下手だと思われる)、減速する可能性を十分考えて徐々に速度を上げるべきです。

 これを知らないで、単に今の車間距離が開いていることだけ見てあおる人も結構います。前が詰まっているのにと思っても、わからない人にはわからないようです。残念。

(4)アクセルとブレーキとエンジンブレーキ

 ブレーキペダルをスイッチのように使う車、結構多いです。アクセルをラフに踏んで速度を上げ(今の車は急加速しますよね)、速度が出すぎるとブレーキを踏んで減速、という感じです。一見普通ですがこれは下手な運転です。

 前の車がこんな運転をすると、前方の見通しがよければその前の車の動きが見えますが、もしそれが車高の高い車だったり、黒いフイルムを後ろ窓に貼っている車だったりすると、その車の動きを見ながらこちらも運転せざるを得ません。ブレーキランプが付いてもそれは通常の減速なのか、非常事態なのか、全く区別がつかなくなります。こちらが車間距離を長くとらないと後ろの車に迷惑な運転になってしまいます。

 必要なだけ加速し、必要な分だけ減速する、なるべくアクセルワークで速度調節をしてブレーキは停止直前とか非常時にしか使わない、というのを心がけていただきたいです。それができないならば車高の高い車や後ろ窓のフイルムはやめてほしいです。

 また、基本として、他車にブレーキを踏ませるような運転は避けるようにとありますが、全く考えていないような車は多いです。傍若無人なのか、確認がなっていないのか、両方のパターンがあるようです。進路変更するときは相手にブレーキを踏ませない、できればアクセルもゆるめてもらわなくていいような状況を狙ってやりましょう。

(5)駐車のやり方

 駐車禁止区域(特に危険性が高い場合)に止めないとか、枠をはみ出さずに止めるというのは基本中の基本で、これができなければ車に乗ることで他人に迷惑をかけているというのはまず認識していただきたいです。最低限大きい車に乗る資格はありません。

 駐車の際に皆さんバックで入れることが多いと思いますが、これはどうなんでしょうか。私は下手なのかもしれませんがバックでちょうどいい場所に入れる自信がありません。またバックで入れると時間がかかるので、他の車を待たせることになります。

 私はよほどのことがなければ前から入れています。明らかに時間短縮になりますし、うまく停められます。出るときはバックになりますが、狭い場所にバックで入れることを思うと全く問題になりません。もちろん後ろを見ながら出れば他車を待たせることも最小限になりますし。

 BMW318tiやレガシィツーリングワゴンだとバックで出るのが辛かったですが、同様にバックで駐車するのはもっと辛いことになります。だからこのサイズは私には手に負えないと思いました。318tiはサイズの問題と視界の問題がありましたので、初代アクセラサイズの全長4400mmがぎりぎりでしょうか。

 バックで入れて斜めになって枠の線を踏んでいる大きい車を見るとこんなことを考えます。

(6)渋滞路の走行

 渋滞区間にさしかかったら、何を考えたらいいでしょうか。まずは何キロで走るのが皆にとっていいことかを想像します。制限速度が100km/hだったとして、80km/hならどうか、無理そうなら60km/hくらいか、と考えます。理想を言えば、運転手全員が同じ速度を想像してその通りに走れば渋滞はかなり軽減します。

 その次に、なるべくブレーキを踏まずに走ることを考えます。60km/h以上で流れそうなら、車間距離は多めにとるのがいいでしょう。アクセルワークだけで車間距離を維持するためには必要です。ブレーキを踏めば踏むほど後続車の渋滞は悪化しますので。

 一時的に渋滞が緩和して前が開けたとしても、通常速度は出さない方がいいです。少しずつ前方の車との車間を短くしていき、そのうちまた渋滞が始まるだろうと思っておくとちょうどいいです。80km/hで走れれば上出来だと考えましょう。もし本当に渋滞が解消したと思えたら通常通り走ってもいいですが、次の渋滞が電光掲示板に表示されているのに通常通り走るのはよくありません。

(7)とにかく他車のことを考えて運転する

 いろいろ書きましたが結局これです。体調がよくて運転技術に余裕がないと難しいですが、ぜひやってみてください。