酔竜の館 カープの間 まとめ
FC2ブログで「酔竜の館 カープの間」というのをやっています。スポーツ音痴+カープファン目線でいいところを取り上げたり、「これは違うぞ」とあんまり普通じゃない目線から斬新な意見を書いたりしています。ブログなので過去記事は埋もれてしまって見にくいので、こちらでまとめます。
2025.1.3 打順は固定しない方がいい
打順はなるべく固定すべきvs流動的にすべき、とおそらく意見は真っ二つに分かれる話題です。固定した方がいいと考える方が多いかもしれませんが、私は「固定することに意味はない」という意見です。運動オンチで野球どころかまともな集団スポーツ経験がない私が言うので話半分でお願いします(汗)。
打順を固定する意義を想像してみると、
(1)自分の役割が明確になる
(2)自分の2つ前の打順の選手から即時にフィードバックを受けられる
(3)固定されるとなんとなく落ち着く(ルーティーンを大事にする選手など?)
これだけじゃないかと思います。(1)については例えば1番だから出塁オンリーでいいかというと、刻々と変わる場面でそうじゃない役割を求められるはずです。もちろん1番であってもランナーがたまっている状況だと返す役割になります。いつも同じ打撃しかできない選手であれば逆に何番に置いても同じです。
バッターボックスの選手はかなりいろんなことを考えているはずです。相手投手の球種と配球の傾向を頭に置いた上で、今何回であるか、点差はいくつあるか、ランナーとアウトカウント、などの情報をもとに自分のやるべき打撃を考えます。カウントによって来そうな球を予測、狙い球も手を出してはいけない球も予測します。打球方向は右左どちらがよいか、強打がよいか軽打がよいか、本当にいろいろですね。
ベンチからのサインを見て、そこまで考えていたことを1球1球修正しないといけなくなるかもしれません。ランナーが走る状況だと三遊間や一・二塁間が空くので狙う方向を変える場合もあるでしょう。では打順を固定したら考えることは減るでしょうか。減らないと思います。
なので私は打順を固定する意義は見つけられずにいます。上位打線に調子を落とした選手が残ってしまうと打線がそこで切れますし、その方がはるかにマイナスが大きいでしょう。2024年に阪神が優勝できなかったのは不調の中野(シーズンOPS.579、規定クリアの選手の中で最低)が2番に入るケースが多かったから、という要素結構大きかったと思います。
打者の並びはもう少し重要度が上です。例えばまあまあ以上の調子の小園と坂倉でファビアンをはさむと、ファビアンには甘い球が来やすくなり、打撃成績が上がるだろうということです。もちろんファビアンがそこそこ打てることが条件ですし、この3人のうち誰かが調子が悪くなったら、はさむ選手はさまれる選手を替えないといけません。
なので結局のところ、1番から4番までに調子のいい選手を配置することになり(5番6番まで行ければなおよし)、セイバーメトリクスでは当たり前のことをした方がメリットは大きいでしょう。打てる期待値の高い選手を固めて配置し相乗効果を期待し、上位であれば打席数も増えるし、というシンプルなことです。
そうなると1番秋山ってかなりよくて、OPSがチーム3位と高目で出塁率もよくて返す役割もできます。実は野間の方が出塁率もOPSも上だったりしますが(汗)、1番秋山2番野間ならOKです。9月に野間が大失速して秋山はOPS.772と好調だったので、やはり調子に応じて適宜入れ替えですね。
あと4番最強説については私は否定的です。1番2番3番にそれぞれ最適な選手がいる場合、たまたま最強打者が4番に座るのであればいいのですが、2番に出塁率の低い選手を入れてまで4番に最強打者を置くのは大反対。ましてや調子が悪くても4番から外さないとかは理解できません。2024年のカープは末包が不調の時でも4番に入るケースが多く、これは問題でした。
2024.8.14 投手の個人タイトルと完投は狙ってはいけない
打者の個人タイトルは打率、安打数、本塁打数、盗塁数、などがありますが、自分が頑張れば数字は自動的に上がっていきます。しかし投手の個人タイトルの場合そうはいきません。味方が点を取ってくれないと勝利数は増えませんし、セーブを狙いに行くと3点リードの場合登板過多傾向であっても登板させてしまったりします。
あくまでも投手の個人タイトルは狙って取るものではなく、自然についてくるものです。例えば今年の大瀬良は防御率0.96被打率.193WHIP0.99と文句のつけようのない成績ですが、ここまで4勝2敗と勝ち星に関しては散々です。しかし大瀬良の投げた17試合の最終的な勝敗は以下のように12勝3敗2分とものすごいです。6/31はソフトバンク戦なのでほぼ勝ちに匹敵する評価です(汗)。
4/4(木)6-3、11(木)7-4、21(日)0−0(5回コールド)、5/1(水)2-2、8(水)3-1勝、17(金)2-0勝、24(金)5-2、31(金)1-2、6/7(金)4-0勝、14(金)1-0楽天(延長11回)、22(土)3-1、29(土)2-1、7/6(土)1-2敗、13(土)1-0(延長11回)、20(土)1-0(延長11回)、8/1(木)2-1、8(木)0-5敗
先発投手の役割は勝ち星を増やすことではなく、チームを勝たせることで、それが一番できるのがエースと呼ばれます。ただし個人タイトルでは防御率くらいしか大瀬良をまともに評価できる指標がありません。もしカープが優勝できたら大瀬良はMVPに値するでしょう。結局のところ勝利数というのは昭和の価値観を引きずっているだけで、評価するのはやめた方がいいと思います。こういうので評価するから、9月終わりに数イニング投げて先発投手から勝ちを横取りすることもありますし。
そしてチームを勝たせるためにはできるだけいいコンディションで、年間なるべく多い試合に投げる、ということになります。この2つを両立させるのはかなり困難ですが、ここで「リリーフの負担軽減のためになるべく長いイニングを投げる」にスポットを当てすぎるとコンディションが悪化します。
過去に何度も書きましたが、80球(投手によっては90球とか100球)を超えて上位打線と当たるイニングは投手を激しく消耗させます。大きく勝っている試合ではリリーフ温存のため完投、ではなく、非勝ちパターン投手で残りのイニングを補い、早めに降板して次の試合に疲労を残さない方がチームの勝利を増やせます。
「無理させて完投したから抹消して中10日」なんてとんでもありません。毎回100球以上投げているのに中6日を連続させるのも、疲労が蓄積するため避けるべきです。規定投球回数クリアにこだわるとこうなりがちです。規定投球回数クリアできる投手はリーグに10人前後しかいませんので、逆に考えるともう少し登板試合数や1試合あたりの投球数を減らさないいけないでしょう。
同じことがリリーフ投手にも言えます。コンディションを維持して年間なるべく多くのイニングに登板、とすると連投・三連投なんてとんでもありませんが、昭和の価値観を引きずるとそうではなくなります。連投させると最低2日は休ませたいですが、そうもいかずに成績が落ちたりします(その年は大丈夫かもしれませんが)。
ましてや3点差あるからセーブ数をかせぐにはおいしい、というだけで8/4は栗林が登板し、連投-休み-連投という恐ろしいことになってしまいました。3点差あってほぼ2点以内に抑えられない投手なんて一軍にいないはずですし、そりゃ栗林でもたまにはそうなります。セーブ数という優勝には全く関係ない数字を狙うために酷使をするのでは、優勝するのに逆効果なのは誰が考えてもわかります。
そして勝てていないチームのクローザーはセーブ数が増えません。中日のライデルマルティネスだけは別格で、1-0とかロースコアの展開を締めることが多いので栗林とほぼ変わらないセーブ数です。そして打撃のよいチームのクローザーは実力よりたくさんセーブがもらえます。なのでセーブ数という評価も昭和の古い価値観です。狙って取るものではなく、タイトルが取れたらラッキー、でいいです。
2024.8.11 9連戦の中の延長戦でのリリーフ投手の起用法
今年は特に投高打低なのでロースコアの展開が多く、必然的に延長戦も増えてきます。私は10回からタイブレークを導入してさっさと勝敗を付けてほしいと考えるのですが、今のところそういう動きはなさそうです。なので延長12回をどう戦うか、が今回のテーマ、主に投手目線です。
まずホームなのかビジターなのか、現状のチーム状況(順位と最近の成績)、投手陣の登板状況、翌日からの試合日程、相手チームの特色、このあたりがかなり関わってきます。6連戦の最終日のホームゲームの延長戦であれば一番考えることは少ないですね。7回表終了時同点であれば、勝ちパターン投手を3人投入し、そのあとは臨機応変にです。
直近では8/7(水)に延長突入しました。9連戦の2戦目のビジター、できるだけリリーフ投手には負担をかけたくありません。実際の起用は先発床田が7回2失点、1点リードの8回裏は島内と塹江で1失点、ここで同点に追いつかれてしまいました。相手は巨人で、9回表は大勢が出てくるのは間違いなし。それ以降出てくる投手は盤石ではない感じ。
前日アドゥワが完投勝利していてリリーフ陣は全員2日以上休めている状況ではありますが、この日を含めて8連戦なので、勝ちパターン総動員はリスクがあります。実際には9回森浦10回ハーン11回栗林12回黒原と、勝ちパターン総動員で引き分けました。もちろんこれでいいと考える方は多いでしょう。
栗林が連投-休み-連投-2日休みと十分疲労がとれていなくて3-4日休ませたいところです。なので私だったら栗林は抜きで組み立てます(私だったら酷使そのものがありえませんが)。残る投手の序列がハーン>森浦>黒原>コルニエル>河野だとしたら、河野はおいといて9回コルニエル10回黒原11回森浦12回ハーン、で行きたいです。相手のリリーフ状況が今ひとつのチームだとして、勝ちに行くなら9回か10回の打順のきつい場面でハーンを起用する程度です。
いずれかの投手が失点したら試合終了なので、打順の巡りは考慮の必要がありますが、早いうちに失点確率の高い投手を出しておくと、負けた場合に温存できる投手が変わってきます。ビジターで多少不利があるので、負けても仕方ないと考える方がいいんじゃないでしょうか。
9回表はクローザーが出てくるので点を取って9回裏クローザーで締める展開は可能性が低いです。そしてクローザーを早い段階で準備させ、結局11回や12回に使ったとしたら普段より消耗するのでこれも反対です。なので私はクローザーを使うなら9回か10回の打順がきつい場面、しかしこの日はクローザー栗林を使いたくないので、ハーンにその役割をしてもらいます。
でもこれはあくまでも勝ちに行く場合です。この時点のカープは貯金12、2位巨人が貯金8、3位阪神が貯金7です。無理に勝ちに行く必要はなく、リリーフ投手の起用を適正化して9連戦を無事に、疲労を持ち越さず乗り切ることの方が大事です。栗林を投入して負けるのが最悪でしたが、結果栗林を投入して引き分けと微妙な結果に終わりました。
実のところ次の日(8/8)からどういうリリーフ起用をするか、が大きく影響してくるのですが、この日投げなかったコルニエルと河野ともう1人ファームから上げた投手で乗りきってほしいです。実際は先発大瀬良が7回だけで5失点してしまい、7回途中から河野とコルニエルで継投して0-5完封負け。もし大瀬良が1失点くらいだったら、そして考えたくないですが延長突入になっていたらどういう継投をするつもりだったでしょうか。
翌日負けはしましたが、ダメージの少ない負けでよかったかもしれません。そして8/9(土)は森下116球完投、と結構無理させます。4点リードの最終回は勝ちパターンのうち1人(ハーンと栗林以外)を登板させた方がメリットは大きかったと思いますが、相変わらず保守的です。以前も書きましたが完投の翌週中6日で登板すると成績はよくないようですが、森下は中7日か8日になりそうなので大丈夫かもしれません。
2024.5.28 先発投手の調整法を考えると三連投なんて恐ろしい
先日いくつかの記事を読み、先発投手の1週間の過ごし方、つまり調整法を調べてみました。だいたい翌日翌々日は投球練習をせず、中2日で6割くらいの力で50-80球、そしてその翌々日に8割くらいの力で30-50球とか投げているようです。もちろん登板前日は投げません。
人間の筋肉は激しく使うと一旦壊れ(断裂)、24-72時間くらいかけて再生するようです。筋トレの場合ではふくらはぎや腹筋は24時間、肩や腕の筋肉は48時間、背中や脚は72時間のようです。ということは先発投手が試合で投げて60時間後に6割くらいの力で投球するのはまあまあ理にかなっているのでしょう。
ではリリーフ投手が試合で投げて24時間後にもう一度投げる、つまり連投するとどうなるでしょうか。あちこち断裂して、完全に修復されないまま全力投球するわけですから、もちろん万全な調整ができている時よりパフォーマンスは落ちるでしょう。そして修復されている過程で壊れると、体は「治したいのか壊したいのかどっちなんだい」とパニックを起こさないでしょうか。
つまり筋肉の修復過程がおかしくならないだろうか、最適な状態に筋肉が戻らないんじゃなかろうか、という心配です。オーバートレーニング症候群が近いんじゃないかと思います。まだここまで三連投とか、三連とのあと1日休んで連投とか、そういうことは書いていないのですが、想像するだけで恐ろしいです。
2024.2.21 外国人大砲が不作な理由
スポニチアネックスの高橋慶彦さんの記事で、外国人野手が最近なかなか当たらないのは日本の投手がよすぎるからではないか、とありました。
これ当たってると思います。日本の投手陣の上位10%(各球団3-4人)くらいはMLBでも通用する感じですが、通用するというのはMLBの上位10%の強打者と十分勝負できるということです。これは相当なハイレベル。ではMLBの上位50%を除いた打者と(つまりスタメン野手の上位4人がいなくなる感じ)勝負できる投手はというと、結構いるんじゃないでしょうか。
逆に考えると、日本に来る外国人野手というのは下位50%の中の下の方にいるか、完全に外れるレベルです。そういう打者がNPBの先発ローテーション投手とか、勝ちパターンリリーフとか、打つのは難しいと考えられます。うーむやはり純日本人打線というのは結構現実的じゃないかと思えてきました。
2023.11.1 試合の流れは存在するのか
よく野球の解説で「エラーすると流れが相手に行ってしまう」「ここを三者凡退にすれば流れを呼び込める」とか耳にします。一方でセイバーメトリクスの世界なんかは流れを否定していますし、否定的な調査結果はいくつも検索できます。そして私も流れ否定派です。
点が入った場面で、そこに至るまでの間に何か記憶に残ることがあれば、そこに関連を感じてしまう、そして関連のあるものだけが記憶に残る、それだけなんじゃないかなと。雨男/雨女というやつと同じです。その人が天気を左右することなんてできるわけがありません。
ここは得点(失点)確率が高い、という場面はもちろんあります。例の「80球の法則」なんかはそれですね。そういうのは流れ以上にはっきりと根拠があるのですが、いまいち有名ではありません。そしてそこで打たれたら「あそこで四球を出したからだ」とか存在が疑わしいストーリーを付けられますが、実際は80球を超えて球の力が落ちてきただけかもしれません。
あとはメンタル関連ですね。ランナーが出てしまうと、ヒットや四球であればおおむねバッテリーの責任、エラーであれば違います。自分の責任じゃないエラー出塁に対して腹を立てたり、四球を悔やんだりして、力んでいつもの投球ができなくなったとしたら、ヒットによる出塁よりは失点に結びつきやすいと言えます。でもこれはコントロールしないといけません。一流投手ならコントロールできるでしょう。
今日の日本シリーズ第4戦で、7回に桐敷が2点タイムリーを打たれたのを「三塁手がエラーしたから流れがオリックスに行ってしまった」と考える人は多いでしょう。私はただ単に桐敷が昨日15球投げ、今日連投で回またぎをしたからだと考えています。その場面を見ていないので全然違うかもしれませんし、サヨナラ勝ちしたので問題視されないでしょう。
2023.10.23 2023年の問題点を2022年と比較
まず2022年の佐々岡監督時代、賛成できなかったことを挙げます。
(1)先発投手に長いイニングを投げさせ、成績を落とした
(2)コンディション悪く打撃成績の悪かった會澤の重用(先発79試合)
(3)中崎をシーズン当初に登板-休み-登板-休み-連投-休み-登板と酷使、7月に復帰後も2回連投させた。(2022.11.2の記事参照)
(4)盗塁ができない割に盗塁死/牽制死の頻発
(5)菊池の2番起用(絶不調の時のみ7番か8番)
(6)坂倉をサードで起用し、フルイニング出場(そのせいで成績が落ちた?)
2023年に新井監督-藤井ヘッド体制がスタート、もちろんこれらの問題は把握済みでしょうし、実際変更になった部分もあります。シーズン当初は先発投手の球数制限の話もありましたし、坂倉はキャッチャー専念になりました。その上で2023年の問題点を挙げてみます。
(1)休養不十分で8月9月は大瀬良と森下の防御率が大幅悪化、床田は小幅悪化
(2)リリーフ陣の酷使
(3)マクブルーム、秋山を不調でもクリーンナップから外さず、デビッドソンも出場継続
(4)打順を固定することにこだわり、打線のつながりを欠いた
(5)松山を時々4番5番ファーストで起用、代打打率>>スタメン打率
(6)會澤を週2回起用し打率.172、磯村はほとんど起用されず
(7)期待の選手を成績度外視で起用し続けることはなかった
スポニチアネックスの2022.10.23の記事を見てみます。
「球数一つにしても中長期的なマネジメントが必要だと思う」
「(大瀬良)大地に関して言うと、球数をたくさん放らせて、疲れを残したまま(次戦を)迎えさせたくない思いもある」
「時と場合によるけど、ロースコアで調子がいいとしても、球数が5、6回で増えていたら、そこは腹をくくって代えていかないといけない」
「しばらくは我慢しないといけないと思う。1―0で“この投手行くの?”ということもあると思う。行く投手は腹をくくって、それで逆転されたとしても、実戦の中でいいことも悪いことも経験しないと成長しない。自分も腹をくくって、しっかり我慢して来年やらないといけないと思っています」
このように新井監督本人のコメントがあるわけですが、もちろん2022年から改善しないといけないポイントを突いた発言です。なおスポニチでは大瀬良が120球以上投げた試合が2022年の開幕から8試合中4試合もありその後調子を落としたことに触れています。わかってはいても、理想と現実のギャップに苦しんだのでしょうか。
もう少し詳しく書きますと、
(1)先発投手の球数制限が途中から?緩和され、大瀬良森下床田と調子を崩した。4月は大瀬良床田とリフレッシュ抹消があったようだが、8月9月はまとまった休みはほぼなし。大瀬良と森下は去年の投げさせすぎの反省なく同じことを繰り返した。調べてみると完投させると翌週ひどいことになると判明(8/28の記事参照)。
(2)腰痛でWBCを欠場した栗林を開幕からクローザーに据え、いきなり酷使。4/24記事参照。去年までの実績のみで起用したことは明らか。
(3)栗林、島内、矢崎、大道を酷使して、失点を重ねても「**で打たれたら仕方ない」となかなか休ませない、勝ちパターンの誰かが調子を崩したら違う投手を酷使するなど反省なし。「1-0でこの投手を?」どころではなく非勝ちパターン投手への信頼が薄すぎる。
(4)チーム全体が打撃不調の時期にマクブルーム、デビッドソンの2人をスタメン固定、結果復調せず。マクブルームは6/6まで4番スタメン(5/30と6/1のみ例外的にスタメン外、4番DH松山)、6/7に6番降格、6/11に心身ともに疲れているとやっと抹消、結果OPS.700以上の月が一つもなし。デビッドソンは5/18に最初のスタメン外、翌日左肩痛で抹消、7月.750で8月.955だったが9月.463と大失速。
(5)調子を崩した秋山を頑なに3番固定、結局復調せず。秋山は4月までは絶好調でOPS1超え、交流戦直前までは打率.361(OPSも多分この時点で1くらい)、交流戦が始まる5月第5週以降はずっと低調で7月のOPS.622が最高。しかし8/12抹消までずっと3番で全試合出場(フルイニングかそれに近い感じ)、結果打線がつながらなかった。
(6)8月9月の疲労がたまってくる時期を多くの選手起用で負担分散し乗り切ってほしかったが、ベテラン野手を十分に休ませず起用し、野間西川秋山上本と同時期に故障離脱(菊池もヘッドスライディングで9/5負傷、その後抹消)、10連勝で7/27に首位に立ったものの失速。
(7)松山を時々4番5番ファーストでスタメン起用し機能せず。とあるサイトでは途中出場での打率は.377、スタメン打率を計算すると.178と散々。足が遅く長打が打てないので余計に先発出場だときつい。ファースト守備は去年までよりよくなったかも。
(8)走れない會澤を週2回スタメン起用(打てている時期はよいが)、7番ならましだが8番は本当に機能しない。磯村の方が打てそうだが出番はほぼなし。首脳陣の中では捕手の能力として會澤>>磯村なんだろうか。會澤はこの3年間徐々に成績を落としてとうとうOPS0.5を割ったので、そろそろ半分コーチという第三捕手にするのがよさそう。
(9)打順を固定することが目的になっていて、出塁率が期待できない選手を1番2番にちょくちょく置く(5/21初スタメンの中村貴浩を2番、7/25に1番中村奨成、あとは矢野とか)。調子を落としている時の坂倉5番固定も意味がわからなかった。9月はじめの西川の4番起用→不振→再抹消も同様。
全体的には「チームは家族」「好き嫌いでは起用しない」と言いながら、実績のある選手や期待値の高い選手を成績度外視で重要なポジションに置き、十分に休ませず起用してしまった印象です。
そうは言ってもシーズン前は5位6位予想が大半だったのにAクラス入りなので、首脳陣には賛辞を送りたいです。もちろん選手の疲労とパフォーマンスのバランスでぎりぎりの所を探った面はあるんでしょうけど、もう少し休ませる方向にシフトしたらさらにいい結果が出るような気がします。昭和の精神論だけは抜きでお願いします。
2023.9.25 2023年の森下の登板状況
5/4 6回84球5安打1四球2失点
5/13 6回94球6安打2四球2失点 雨天順延2試合のため中8日
5/20 8回2/3で108球6安打2四球1失点(サヨナラ負け)
5/27 7回105球3安打1四球無失点
6/3 7回108球2安打2四球1死球無失点
6/10 7回105球6安打2四球3失点
6/17 6回96球7安打1四球2失点
6/28 7回108球8安打1四球2失点 中10日
7/5 6回121球6安打3四球2失点(自責1)
7/12 9回109球8安打1四球完封
7/22 8回94球8安打1四球3失点(自責2)中9日
7/29 5回1/3で92球7安打1四球2失点
8/12 7回117球6安打5四球3失点 中13日
8/19 8回120球7安打2四球3失点
8/26 4回73球6安打1四球5失点(自責4)
9/2 9回116球7安打2四球1失点
9/9 5回90球8安打1四球5失点(自責4)
9/16 4回2/3で90球9安打3四球7失点
9/23 6回107球7安打4四球3失点
森下は右肘の手術のせいで1ヶ月ちょっと遅れて5月はじめに初登板、7月終わりまではまあまあの起用で結果も出ていましたが、中13日とはいえ8/12に117球投げ、中6日で120球というのは今までにはなかった起用です。その翌週の8/26に今までになかった失点、その翌週9/2は結果はよかったものの116球投げてしまったせいか翌週9/9にまた5失点、90球で切り上げ余力を残したつもりが翌週9/16に7失点。
8/26の結果で頭を抱えてほしかったのですが、いくら遅くとも9/16の結果でやり方を変えないといけないでしょう。結果9/23は目先の二桁勝利にこだわり106球も投げさせました。9/30にまたまた中6日で登板は既定路線のようですが、阪神戦ですので多分勝つのは無理です。序盤から点を取って、森下が5回80球3失点くらいでないといけないでしょう。
2022.10.8の記事にこう書きました。森下の防御率は1.91→2.98→3.17、被打率は.231→.240→.281、WHIPは1.09→1.20→1.34とこの3年でどんどん落ちています。じゃ何が上がっているのかというと登板試合数(18→24→27)とイニング数(122.66→163.33→178.66)です。そして1試合あたりのイニング数は6.8回→6.8回→6.6回とあまり変わっていません。より打たれているのに投げるイニング数が変わらないということは、投球数は増えているでしょうし、ギアを上げて投げる球数も当然増え、イニング数以上の負荷がかかったと考えられます。調子を落として当たり前です。
結果2022年のシーズンオフに右肘の手術をしています。もちろんぎりぎりで起用しないと成績が出ないという理屈はわかりますが、もう少し登板イニングと1試合あたりに投げる球数を減らせば成績が上がる余地が十分あるわけです。手術したから去年までの数字がリセットされるわけじゃありませんし、同じ失敗は繰り返してはいけません。
9/30の試合にもし6イニング投げて自責点3とすると、20試合登板で投球回は132回2/3、防御率は3.05となります。4月に普通に投げていれば余裕で規定クリアでした。9/23試合後時点で防御率2.98、被打率.253、WHIP1.23なのでほぼ2021年並まで戻りました。まあこれでも十分よい投手なのですが、もっともっとよくなるはずです。
しかしそういう目で見ると去年2022年の27試合で178イニング2/3ってかなり異様に見えます。結果的に投げさせすぎたと反省するなら今シーズンのこの起用は余計に不可解です。エース格なんだから中6日で120球、170-180イニングくらい当たり前、なんて考えるとうまくいかないわけですが、まさかこれだけの問題だったのでしょうか。
まあなんとか9/30の試合をクリアすれば、CSは10/14開始ですから2週間ほど休めます。十分かどうかはわかりませんが、ここでいい時の森下に戻れば余計に今までの登板が過酷だったことの証明にもなります。
2023.9.20 2023年の大瀬良の登板状況を去年と比較
3/31 5回74球5安打1四球2失点(ヤクルト)
4/7 6回110球7安打3四球2失点(巨人)
4/14 6回97球4安打1四球無失点(ヤクルト)
4/26 4回78球5安打1四球3失点(中日)中11日
5/12 7回100球5安打1四球2失点(巨人)中15日
5/23 6.66回102球7安打2四球3失点(中日)中10日
5/30 7回97球5安打1四球2失点(オリックス)
6/6 6回115球7安打2四球1四球2失点(日本ハム)内容は悪い
6/13 5回97球9安打1四球5失点(楽天)
6/24 7回103球3安打0四球0失点(巨人)中10日
7/1 5回64球3安打0四球3失点(ヤクルト)
7/8 7回111球6安打3四球3失点(中日)
7/15 7回85球2安打0四死球1失点(DeNA)内容は悪い
7/23 7回112球5安打2四球1死球1失点(中日)中7日
7/30 6回111球6安打1四球4失点(阪神)
8/6 5回67球8安打(3本塁打)0四死球4失点(巨人)
8/15 4回76球6安打0四球5失点(阪神) 中8日
8/23 5回90球4安打2四球2失点(DeNA) 中7日
8/30 6回96球3安打4四球無失点(巨人) 6回の内容はよくない
9/6 5回81球5安打2四球1死球3失点(DeNA)
9/13 6回途中122球6安打2四球3失点(ヤクルト)初回3失点、6回は1死1塁2塁で交代
2022.10.5の記事に大瀬良の2022年の登板結果を載せていますが、2週連続100球オーバーにすると翌週の結果が必ず悪いという傾向がはっきり出ています。7/15に107球、7/22に113球投げたあとは9/9に108球投げるまで一度も100球を投げずに降板しています。9/9の直後の9/16も6回2アウトから三連打を浴び83球で途中交代。
首脳陣もこのデータは知っているようで、2試合連続中6日100球超で翌週中6日というのはほぼやっていません。例外は1つだけあり、もちろん失敗しています。このデータから考えると100球を超えなきゃいいだろう、ではなくて、可能な限り球数を減らそうという考えにしてほしかったです。
大瀬良は7/30の登板直前時点でのシーズン防御率は2.94でした。月間防御率を見ても一番悪い6月が3.50と十分、しかし8月の防御率は4.95、9月は5.23と大幅に悪化しています。どう考えても投げすぎの影響ですね。そういう流れは首脳陣も十分承知のはずですが、先週の9/13に122球も投げさせたのは不可解です。今日の登板に響かなければいいのですが。
2023.9.17 規定投球回数はクリアしてはいけない?
規定投球回数は試合数と同じイニング数で、143試合なので143イニングです。最低限これだけ投げないと防御率のタイトルは取れませんし、一流投手として当然クリアすべき数字とされています。1シーズンはおおむね27週(プラス10月の追加日程)あり、週1回登板すると27-28試合投げられます。
規定投球回数クリアした投手はセリーグでは2020年は6人、2021年は9人、2022年は10人、2023年は今のところ11人。1チームに2人もいません。なお途中で代打を出されないパリーグでは2020年8人、2021年14人、2022年9人、2023年今のところ11人、とさほど違いません。
そして今年の成績を見ると、今のところ規定クリアの11人の中で10勝した投手は5人、10勝しそうな現在9勝の小川を加えても6人です。1チーム2人ほどしかいないエリート投手が10勝できないということは、投げすぎて成績を落としていないだろうかと心配になります。もっとも中日の投手のように無援護の場合もありますが。
規定投球回数をクリアするには、おおむね1試合で6イニング投げる必要があります。週6試合なのでこれでぴったりで、実際は週5試合とかもあるのでもっと少なくていいです。6イニングというとだいたい90-100球、これを1年間コンスタントに維持するのが難しいということです。
前回書いた「120球以上の完投をすると翌週の成績が落ちる」というのと考え合わせると、やはり120球以上投げるのは当たり前ではないと考えた方がいいです。100球前後で中6日を維持するのがぎりぎりと考え、そのくらいであっても4週続けたら1週開けるとか抹消し中10日にするのがいいでしょう。120球以上投げたら10日以上開けるとかですね。
今年のカープの4本柱、床田、森下、九里、大瀬良が4人揃って8月9月の成績が急降下しているのは偶然ではないでしょう。オールスター休み明けの7/22(土)からの8週間プラス2日で、床田は8試合51イニング1/3、森下は8試合51イニング、大瀬良は8試合43イニング1/3、九里は8試合51イニング1/3、今日を含めると9試合になります。大瀬良以外は1試合あたり6イニングをクリア、このペースはダメという結果が出ました。
つまり規定投球回数クリアは目的にしてはいけないというのは明らかでしょう。無理せず登板して気がついたらクリアしていたというのならOKですが。
<2024.8.14追記>2023年の規定投球回数クリアは12人、一番投げたのが26試合で174イニング1/3の九里、25試合が高橋宏斗と小笠原、24試合が東、床田、戸郷、柳の4人です。マックス28試合でほとんどの投手が23試合以下ということは、中6日を4回続けて1週飛ばす、を繰り返す感じのペースで十分ということですね。
2023.9.10 完投した翌週はいいピッチングができるか
九里 5/10完封118球→中6日の5/17は8回途中99球7失点(7回終了時3失点)、6/30完封109球→中6日の7/7は5回92球7失点、8/22完封128球→8/29は7回途中116球4失点 ×3
戸郷 5/9完投143球2失点→中6日の5/16は6回途中104球5失点(5回終了時4失点)、5/24完封127球→中6日の5/31は8回120球4失点(7回に3失点、8回は無失点)、8/3完投149球1失点→中6日の8/10は7回途中129球3失点(7回に3失点) ×1△2
村上 4/22完封105球→中6日の4/29は8回101球無失点 ○1
床田 8/3完封104球→中6日の8/10は3回83球7失点、8/17完封122球→中6日の8/24は5回79球3失点 ×2
東 4/30完封97球→中6日の日は雨天中止、中10日の5/11は5回82球4失点、6/24完封116球→中7日の7/2は7回89球2失点 ○1×1
伊藤将 4/27完封106球→中6日の5/4は6回99球2失点、8/20完封114球→8/27は8回途中118球4失点、7回終了時89球2失点 ○1×1
森下 5/20完投9回途中108球1失点(サヨナラ負け)→中6日の5/27は7回105球無失点、7/12完封9回109球→中9日の7/22は8回94球3失点(8回に1失点) 9/2完投116球1失点→中6日の9/9は5回90球5失点 ○1△1×1
柳 6/8完投9回123球2失点→中6日の6/15は9回123球1失点(延長なので完投ではない)→中6日は試合なく中11日の6/27は3回途中57球5失点(3回に5失点)、8/13完封9回121球→中6日の8/20は8回116球1失点 ○2×1
今永 5/30完投122球2失点→中6日の6/6は8回114球1失点、6/23完投126球1失点→中6日の6/30は8回111球1失点 ○2
大竹 7/5完封105球→中6日の7/12は5回82球4失点(5回に2失点) ×1
才木 6/4完封101球→中6日の6/11は7回106球無失点 ○1
高橋宏斗 6/13完封125球→中7日の6/21は7回途中118球2失点(7回に2失点) ×1
小笠原 7/7完封102球→中5日で7/13は7回103球2失点 ○1
西勇輝 4/18完投128球1失点→中7日の4/26は3回59球5失点 ×1
濱口 8/10完投111球1失点→中6日の8/17は6回89球2失点 ○1
○はQS以上、もしくは防御率の1.5倍程度で、まあまあいつもの投球、△は防御率の1.5-2倍の失点、試合を壊さないぎりぎりの投球、×は防御率2倍以上、イニング途中に交代、と散々な結果ということにしました。結果は○11△3×13、カープに限ると床田×2九里×3森下○1△1×1と散々です。
○のケースを見ると、村上4/22に105球、東6/24に116球、伊藤4/27は106球、森下5/20は108球、柳2回、今永2回、才木6/4に101球、小笠原7/7に102球、濱口8/10に111球、と110球以下で抑えた場合翌週の結果がいいと言えるかもしれません。柳と今永は2回ずつ○があり、スタミナがあるので少々球数が多くても大丈夫なのでしょう。
以上を見ると、完投させても翌週と合わせてプラスマイナスで見るとマイナスの方が大きいのは明らかです。点差があれば非勝ちパターン投手で十分ですし、1点差とかでも続投するのと違う投手を起用するのも、80球の法則もあることですし、どっちが失点確率が大きいかわからなくなります。
この記事を書いたのが8/28でしたが、九里が前週完投で翌日登板し×、森下がその後完投し翌週×、でした。首脳陣にこの記事を読んでいただきたいです。
2023.8.20 大型連勝をするための投手起用とは
現在カープは貯金9で首位阪神は貯金23、残り33試合を2勝1敗ペースという結構な勝ち方で行くと貯金が11増えて20、これでも阪神が5割で行かれたら追いつけません。事実上優勝は逃したような気はしますが、それでもついていくにはどうするか。
大型連勝にヒントがあります。例えば9連勝する場合、勝ちパターン投手が全試合登板するわけにはいきません。つまり勝ちパターン投手はせいぜい6試合に登板させるくらいにしておいて、残る3試合は勝ちパターン投手を使わないで勝たないといけません。これは大原則。先発投手が完投するという荒技もありますが、次の試合に疲労を残しそうです。
なのでそこそこ強力な打線がないと無理、そうでない場合は勝ちパターンでない投手を有効活用していかないといけません。究極は5/8の記事で書いたような2グループ制、そこまで行かなくても勝ちパターン3人を毎回起用するのではなくて、2点差あればそのうち1人を違う投手に、3点差あれば勝ちパターンは1人しか使わない、とかでいいです。究極はリリーフ2グループ制ですが望み薄。
昨日の8/19(土)の試合では7回終了時に6点リードしていましたが、98球投げた森下を続投させ3点失い(1番から始まる打線なので80球の法則発動)、連投-休み-連投になる栗林を9回に起用して逃げ切りました。こういう起用をしていては先発もリリーフも疲弊して、最後に息切れするでしょう。
今日(日曜)の先発玉村の試合で栗林を起用すると連投-休み-三連投というわかりやすい酷使になりますし、島内も今日投げると連投(2日で60球と三連投並の負荷?)-休み-登板(28球で2失点)-休み-今日登板となり、とてもコンディションがいいとは思えません。矢崎も心身の疲労として抹消されましたし、このままでは島内も調子が上がらず抹消になるかもしれません。
先発投手についても、ピンチでギアを上げるとか、疲労がたまった状態で懸命に腕を振って投げることが、疲労のとれにくさに影響するような気がしてなりません。
2023.5.25 もしかして中5日で80球で行けるかも
勝手に「80球の法則」を提唱しています。4/24に書いた通り、80球を超えて次のイニングに入るのはよほど条件が揃わないと失点確率がかなり高いということです。カープでは現状大瀬良と九里、床田が該当、森下は90球くらい、遠藤と玉村は70球くらいでしょうか。コルニエルとアンダーソンはよくわかりませんが70-80球だと思います。
Yahooニュースのとあるコメントを見て、もしかして球数を80球くらいに制限して、中5日で回したらかなりいいんじゃないかと思いました。5イニングで70-90球、うまくいけば6イニングで85球くらい、このあたりを目安として交代です。この際勝利投手が付くかというのは(同点だからもう1イニング行こうとか)無視で。
例えば大瀬良、九里、床田、森下、コルニエルの5人でローテーションを回すとします。遠藤、玉村、アンダーソンが外れますがなんか豪華ですね。ローテ5人が3回登板したら1回抹消して他の投手を入れる、とかしたら何かといいような気がします。先発投手が5人登録であればリリーフ投手を1人多く入れられますし、そのうち1人抹消していればもう1人入れられます。
今のカープであれば、7人の先発で中6日ローテーションを組み、毎週1人抹消していれば十分かもしれません。5週投げたら抹消、というか球数が減ったら抹消しなくてもよくなったりして。
(火)大瀬良(水)九里(木)コル(金)黒原→抹消(土)森下(日)アン
(火)大瀬良→抹消(水)九里(木)コル(金)床田(土)森下(日)アン
(火)遠藤(水)九里→抹消(木)コル(金)床田(土)森下(日)アン
(火)遠藤(水)大瀬良(木)コル→抹消(金)床田(土)森下(日)アン
(火)遠藤(水)大瀬良(木)九里(金)床田(土)森下(日)アン→抹消
(火)遠藤(水)大瀬良(木)九里(金)床田(土)森下→抹消(日)コル
2023.5.8 クローザー、セットアッパーの起用方法
現状一番いいリリーフ投手がクローザー(9回担当)、その次の投手がセットアッパー(8回担当)になることが多いようです。7回は3番目の投手。セットアッパーに最強のリリーフを充てる作戦も過去にはあったようですが(中日浅尾、阪神藤川とか)今はそうでもなさそうです。
強いチームだとセーブ機会が増え、クローザーを毎回登板させていては登板過多になってしまいます。私の基準では週4登板がぎりぎりで、4回登板させたら次の週に2-3回に減らし、できれば2週で6登板、3週で9登板という管理を推奨しています。逆に負けが多いチームだとクローザーは暇になってしまいます。
時々クローザーとセットアッパーを入れ替えてもいいですし、7回8回9回の3イニングを投げる場合その中の1人を4番目5番目の投手に任せるとかどうでしょう。究極は火木土はこの3人、水金日はこの3人、と曜日によって勝ちパターンを2組作っておく手もあります。誰もやらないでしょうけども。今のカープで言うと前者が大道-松本-栗林、後者がケムナ-矢崎-ターリーとかです。意外といけるでしょ。
2023.4.24 「80球の法則」、80球を超えて次のイニングに入るのは危険
先発投手の100球前後が交代のめどだとしたら、最終イニングは20球くらいとして、最終イニングの一つ前のイニングは80球あたりで投げきっています。80球を超えて次のイニングに入ると、最後の力をふりしぼって投げることになります。
そのイニングを別の投手に任せることで失点確率が減ったり、先発投手が翌週の試合によりよいコンディションで臨めるとしたら、そうすべきです。実際カープの開幕から10試合あまりを見直すと、80球を超えて入った次のイニングで失点したり途中交代をしたりが目立ちます。他のチームもよく見るとこの法則が結構当てはまっているような。
防御率5点のリリーフ投手をイメージすると、9試合9イニング投げて5点取られるわけで、1イニング登板して1点以下に抑える確率はかなり高いはずです。その上で考えてみると、80球を超えた先発投手は、防御率5点のリリーフ投手と変わらない(もしくはもっと悪い)防御率になっていると言えます。
もちろん中には毎試合120球前後投げ、クオリティスタートを毎試合のように達成し、中6日で登板し続けられる投手もいるでしょうけど少数派です。去年の森下もそういう想定で投げていたはずですが、多分違います。なのでカープの先発投手陣は全員先ほどの想定で投げていいんじゃないかと思います。
具体的には80球を超えてイニングを投げきった時に続投するかどうかの判断をする際に、次の回が下位打者から始まり強打者に回らないとか、調子がよいとか、そういうプラス要素があったら続投してもいいです。もちろん急に暗転した場合に備えてリリーフを1人準備させるのは鉄則。
逆にピンチの連続でぎりぎりしのいできて球数以上に疲弊しているとか、雨の中投げたとか、中5日の登板とか、上位打線から始まるとか、そういうマイナス要素がある場合は80球とかもう少し少なくてもスパッとあきらめた方がいいでしょう。70球を境に暗転という投手も結構いますし、マイナス要素が多数あったら80球という基準を下方修正しないといけません。
なお80球というとだいたい5イニング投げきりくらいになります。球数少なく勝負して、6イニングを85球とかで投げきれるようにすると素晴らしいです。投手とか打率1割台の打者には無駄球は投げない方がいいです。あとランナー1塁でのバントは1球でさせるのがいいです。
この方法で6人の先発投手で平均5イニング投げられれば、あとは週当たり4イニング×6で24イニング、これをリリーフ投手で分担することになります。9人いれば一人3イニング弱、一部の投手に負担が偏らないようにすれば十分やりくりできます。4イニング以下で交代になった投手の継投は序列の低い投手(7-9番手)でやりましょう。ここで僅差ビハインド要員の投手(4-6番手)を出さなくていいです。
2023.3.13 上位打線の組み方、OPSと走塁補正
一昔前であれば1番打者は出塁率が高く盗塁ができる選手、2番はバントや進塁打が得意な打者、3番はそこそこ足がある中距離打者、4番は最強の長距離打者、5番6番は4番よりちょい落ちる長打力のある打者、という感じのセオリーだったと思います。
ちなみにカープが3連覇した真ん中の年の2017年のスタメンは1番田中.805、2番菊池.716、3番丸.903、4番誠也.936、5番6番はエルドレッド.900と新井.850と松山.909のうち2人、とそれっぽいです。ちなみに春先までは新井が4番で誠也が5番。しかしこのOPSはすごすぎますね。
セイバーメトリクスの影響で、NPBでも1番から4番まではOPS(出塁率+長打率)の高い打者を置くのにシフトしているでしょうか。確かに打順が多く回ってくる上位打線に出塁する/走者を帰す能力の高い選手を置くのは理にかなっています。ランナーのある場面で強打者に回すという要素は優先順位が下がるようです。
2番菊池というのが(オールド?)カープファンの定番ですが、残念ながら去年のOPSは.659とよくありません。ちなみに2020年は.757、2021年は.762ですからこのくらいなら十分上位でいいです。去年はコンディションが悪かったのが影響したでしょうか。
菊池はもともと出塁率は高くない(11年間で.350を超えたのは2回だけ)ですし、OPSがかなり高くない限りは下位の方がいいです。私はずっと下位でホームラン狙いをしてほしいと書いてきましたが、この3年は絶不調の時以外は下位になりませんでした。今年は新井監督が初回からバントはしないと言われていますし、なお上位に置く必然性がなくなっています。
2022年のカープのそこそこ打席があった選手をOPSが高い順に並べると、西川.822、マクブルーム.794、坂倉.773、上本.748、秋山.746、野間.745、となります。この順番で打線を組むのも一つですが、3番打者は2アウトランナーなしで回ってくる可能性が高いので少し優先順位を落とすべきという話もあります。なので1番西川2番マクブルーム3番上本4番坂倉5番秋山6番野間、もありです。
あとは多分誰も言っていませんが、OPSプラス走塁補正を加えるといいと思います。足で稼いだ長打はもちろんOPSで評価されますが、そこからホームに帰ってこられるかどうかは走力が影響します。なので1番2番3番あたりは走力のある選手はプラス0.03か0.05程度補正、上本と野間が0.8近くなりますので1番2番に置くのはあり、となります。
そうすると1番西川2番野間3番上本4番マクブルーム5番坂倉6番秋山、とそれっぽくなります。秋山は今年は扁桃炎の発熱の心配がなく、OPS0.85くらい期待できそうなので、もっと上位にするといいですね。
2022.10.30 ホームランバッターはカープに必要か
鈴木誠也が抜けたカープは長打力が課題と言われています。もちろん毎年のように3割30本OPS1(!)という選手がいなくなるときついのは当然です。マクブルームは多少穴を埋めてくれましたが、打率.272出塁率.352ホームラン17本(128試合なので年間20本ペース)OPS.794という数字はぎりぎりOKという感じで、ファースト守備の不安を考えるとどうなんだろうかと思います。
そもそもホームランバッターって稀少です。2022年のセリーグで30本以上打ったのはたったの2人、20本以上にしても外国人を含めてたったの12人です。そしてホームランを20本以上打った選手のOPSを見てみると、村上1.168(56本)、牧.861(24本)、丸.859(27本)、佐野.853(22本)、中田.833(24本)、大山.827(23本)、ウォーカー.821(23本)、岡本.805(30本)、と意外とよくないです。
逆に規定打席クリアしてOPSが0.8超えの選手はというとたったの7人。意外と0.8超えは難しいということです。ちなみにカープでは規定打席未満ですが西川.822が唯一です。2位がマクブルーム。0.74超えまで基準を落とすと西川、マクブルーム、坂倉、上本、秋山、野間まで入ります。
さて0.74の守備走塁が上手な選手と、0.8の打つだけの選手、どっちがいいでしょうか。私は前者の方がいいです。ということでOPS0.74以上の守備走塁のよい選手を8人揃えられたらホームランバッターはいらないんじゃないかというのが私の考えです。
2022.10.5 大瀬良の結果論的な球数制限
頑張って今年の大瀬良の全登板を追ってみました。かなり無理させたなあというのが一目瞭然ですね。最悪なのは4/22の登板で、中5日なのに135球も投げさせてしまいました。そしてその翌週も117球完封、その翌週も122球投げさせたのですが、その翌週5/13に雨天中止でなかったらえらいことになっていたかもしれません。
なのに5/20以降の成績は明らかに今までと違います。5/20も6回に4失点したあと交代しとけばよかったのに、121球も投げさせるとは。そのあたりで休んでも回復不能なダメージを負ったのでしょうか。
9/27に(1)基本的に80-90球目安で交代、球数少な目で5-6イニング目安(2)調子のいい日のみ100球を少し超えるのはOK、ただし次の試合は中8日にするか、5回80球を限度にする、と書きましたが、こうしておいたらもっと成績が上がったような気がします。
そうなると5/20はもちろん6回終了時で交代(122球→90球くらいに減る?)、そうするとその後の2試合はもう少し成績が上がった可能性が出ます。6/24の106球完封は仕方がないにしても、次の7/1は1イニング少なくしとけば2点取られなくてすみました。7/15の7回107球は仕方がないにしても、次の7/22は113球も投げずに1イニング少なくしとけばピンチを招かずギアを上げなくてもすみました。9/9も87球投げて次の回に行くと必ず100球を超えるので、先ほどの法則通り5回で終わればよかったです。
今年については結果論ですが、来年は結果論とは言わせません。
3/25 6回2/3で109球3失点(6安打2四球、7回にヒット3本で2失点)
4/1 8回125球3失点(8安打0四球、7回まで100球、8回にヒット4本で2失点)
4/8 6回91球3失点(8安打1四球)
4/16 6回108球2失点(4安打3四球、2回に2失点)中7日
4/22 8回1/3で135球1失点(8安打0四球、9回に2本ヒットで1失点、8回まで111球)中5日
4/29 9回117球完封(2安打0四球、8回まで104球)
5/6 7回122球3失点(初回に3失点、5回まで82球、6回まで97球)
<1回ローテを飛ばす(雨天中止でラッキー)>
5/20 8回121球5失点(7安打1四球、6回にヒット二塁打二塁打ホームランと4失点)
5/27 5回104球5失点(8安打3四球)
6/3 5回91球4失点(7安打2四球、4回と5回に1失点ずつ)
<1回ローテを飛ばす>
6/17 4回79球4失点(8安打0四球、3回にヒット4本で3失点、4回にヒット3本で1失点)
6/24 9回106球完封(6安打0四球、途中から内容悪くなるが8回84球で交代せず)
7/1 6回99球3失点(6安打2四球、6回だけで2安打2四球2失点)
7/8 3回74球7失点(9安打2四球)
7/15 7回107球2失点(8安打0四球、4回と6回に失点)
7/22 6回113球2失点(9安打1四球、1回2回に失点、6回は四球とヒット2本で1アウト満塁)
7/29 3回58球4失点(7安打0四球)
8/5 5回84球3失点(4安打2四球)
8/12 3回62球5失点(5安打1四球)
<2回ローテを飛ばす>
9/2 7回92球無失点(6安打2四球)
9/9 5回2/3で108球9安打1四球1死球で7失点(5回87球4失点、6回にヒット4本で3失点)
9/16 6回途中83球3失点(5回まで1失点、6回2アウトランナーなしから三連打で交代)
9/23 2回43球4失点(5安打0四球)
10/2 マツダスタジアムで今季最終戦のはずが登板回避(森が先発)
2022.8.22 バントは有利か、バントを防ぐメリットは
2022年のカープは8番上本が出塁して9番投手がバントし、1番2番で返して点を取るケースが目立ちました。そして菊池がよくバントしてました。なのでバントが点につながる印象があるんじゃないかと思います。
しかしセイバーメトリクスの世界ではノーアウト1塁のバントはよほど条件がかみ合わないと得点期待値を下げると言われています。打率1割くらいが損益分岐点という話もあり、じゃ投手しかやっちゃいけませんね。ちなみに「得点期待値(2点以上取れる確率も込み)」ではなく「得点確率」であればもう少し有利なので、1点取れば勝てるという場面のバントはもう少し御利益があります。
逆に守備の時にノーアウト1塁でバントの構えをされたらどうでしょうか。私は「一球でやらせろ」と思います。一球でひとつアウトをもらえると投球数も少なくてすみますし、先ほどのセイバーメトリクスで得点期待値が下がるわけですから二重においしいです。
バントを防ごうとするあまり球数が増えたり精神的スタミナを消耗したりするのも損ですね。四球でも出したら最悪です。カープの場合はバントの最中に盗塁されるかもしれませんし(盗塁阻止率12球団最下位)、これも大損。盗塁される前にバントをしてもらいましょう。
バントが成功して1アウト2塁になっても、進塁打2本では点にならないので最低ヒット1本は必要です。そして結局バントをさせてもされなくても、次の打者を抑えれば点にならない、打たれたら点になるということはさほど変わりません。なのでノーアウト1塁のバントは投手以外はしない、無理に防がない、のがいいと思います。
2022.6.18 森下の最終イニングの結果
どうしても気になったので今年の森下の全試合について、最終イニングの結果を調べました。2中安とあるのは2番打者がセンター前ヒットという意味です。( )内は最終的な球数です。
3/26DeNA 7回86球3失点→8回2中安3左飛4遊併殺(98)
4/2中日 6回95球2失点→7回5三ゴロ6左二塁打7遊直8(代打)三邪飛(112)代打で交代
4/9阪神 8回117球1失点→9回4右安5右飛6右飛7左安8二飛(133)
4/17中日 2回52球8失点降板、対象外とする
4/23DeNA 6回92球無失点→7回7投ゴロ8遊ゴロ9(代打)中安1右安2三ゴロ(111)
4/30中日 6回90球2失点→7回9(代打)中飛1左安2中安3遊飛4遊ゴロ(104)代打で交代
5/7DeNA 8回104球1失点→9回3左飛4遊ゴロ5四球6中飛(ナイスプレイ)(119)
5/14ヤク 6回103球2失点→7回1三振2二ゴロ3二ゴロ(119)
5/21中日 6回83球無失点→7回5三ゴロ6三振7中飛(95)代打で交代 疲労を考慮された?
ここまでが交流戦前です。2イニングしかもたなかった4/17(前週に133球というのが影響しているのか?)も含め、全てイニングを投げきって交代しています。球数の少な目な試合はほぼ代打を出されて交代しているもので、だいたい120球くらい投げさせたい意図が伝わってきます。
90球を超えて登板したイニングの被打率を計算すると、25打数7安打で.280となります。おそらく全イニングの被打率よりやや高いくらいでしょうけど、まあ許容範囲と言えるでしょう。8試合8イニング無失点とは素晴らしい。
5/28ソフ 5回90球7失点→6回7三振8中安9左安1二ゴロ2三失策(途中交代2失点105球)
6/4オリ 7回92球1失点→8回9(代打)三安1犠打2左安3三ゴロ4四球5中安6三ゴロ(途中交代2失点109球)
6/11西武 5回97球2失点→6回6遊ゴロ7右安8中飛9左安1三振(無失点115球)
6/18ヤク 5回104球1失点→6回7三振8右飛9(代打)ヒット1ヒット2ホームラン(途中交代3失点121球)
ここからがいけません。4試合の最終イニングの被打率は19打数10安打で.526です。直近3試合は最終イニングより前の失点が少ないのですが、最終イニングはあてにならないことがよくわかります。今後中6日で起用するのなら早めに交代させることが必要になりそうです。下位打線でもヒットが出ているので、上位打線に回るケースではなおさらですね。
森下でさえこんな感じですから、他の投手も90球を過ぎたら次のイニングに行かせないくらいでやらないと(打順のめぐりがよいか調子がよいとかだと例外で)、強力打線のチームと戦うのはつらいです。
2021.11.25 機動力野球はカープに必要か
勝てない時期には必ず機動力野球への回帰を期待されます。機動力野球とは走力と小技重視の野球で、次の塁を狙う姿勢、盗塁、バントや右打ち、ヒットエンドラン、あたりを指すと思います。しかしこういう機動力野球を捨てているチームってあるんでしょうか。
もちろんクリーンナップあたりに打てるけど走れない選手をたくさん入れていると機動力野球は制限されますが、残った選手がそうしていないわけではありません。カープが今以上に機動力を使えるかというと、伸びしろはそんなに多くないと思います。今年から河田コーチが復帰し、もうぎりぎりまで追求しているはずですから。
今カープに機動力野球を追求しろというのは、河田コーチの実力がないと言っているようなものです。今年牽制死が多かったのは一塁コーチのせいもあるかもしれませんが、大部分河田コーチの指示でしょう。来年からは河田コーチが3塁コーチャーズボックスから指示を出すはずですから、ぎりぎりのホームインは増えるかもしれません。
機動力野球はもちろん必要ですが、今より大きな上積みは期待できないと思った方がいいです。それよりは長打で点を取ることを目指す方がいいでしょう。機動力野球が好きなファンには辛いでしょうけど、そういう時代ではなくなっていると思います。
2021.11.23 リリーフ投手の登板過多を防ぐには
リリーフ投手はほとんどの場合、試合数の半分くらいの登板(年間70試合)を数年にわたって続けることは困難です。少なくともこの10年では3年間連続してこの数字を達成した投手を知りません。巨人の山口鉄也は2008年から67試合73回2/3、73試合78回、73試合88回2/3、とすごいペースで投げましたが、その後も5年間いい成績でした。彼は例外中の例外でしょう。
なお鉄人岩瀬は一番投げたのがルーキーでの65試合(74イニング1/3)、翌年58試合80回1/3)、それ以外は若い頃のみ60試合60イニングあたりがマックスで、最後の10年は50試合50イニングあたりがピークでした。佐々木主浩は2年目の1991年に58試合117回(1試合先発)、1992年に53試合87回2/3という恐ろしい2年がありますが、それ以外はおおむね60試合60イニングだったようです。藤川球児も若い頃3年連続で結構な数字があります。トミージョン手術も受けています。
2018年で70試合70イニング超えの投手を並べてみます。ヤクルト近藤が74試合76回2/3、ヤクルト石山が71試合73回2/3、ソフトバンク加治屋が72試合66回2/3、ロッテ益田が70試合64回1/3、DeNA砂田が70試合52回1/3、楽天高梨が70試合48回1/3です。
2019年はDeNAエスコバーが74試合75回1/3、DeNA三嶋が71試合72回2/3です。2020年は60試合60イニング達成者すらゼロ、一番投げたのがDeNAパットンで57試合57回。新型コロナで120試合ですが、それでもかなり抑え目です。今年2021年はヤクルト清水が72試合67回2/3、彼以外に70試合70イニング超えをした投手はいません。去年も今年も9回打ちきりだったので登板数が増えなかったかもしれません。
70試合70イニングを超える投手すら少なくなっているので、各チームこの数字を目安に登板調整をしているのは明らかです。そして最近の投手では3年連続で60試合60イニングを上回って投げられる投手すら少ないようです。ではなぜこのあたりがリミットなのか。
もし1試合登板したら次の試合は休み、と機械的に決めて登板すると1週間に3試合、72試合72イニング投げられます。人間の筋肉の回復期間は48-72時間と言われているのでぎりぎりでしょうか。もちろん腱とか軟骨とかは別です。そしてこんな機械的な登板調整はありえませんから、普通は72試合投げると連投や三連投みたいなことが起こります。つまりは登板数よりは連投や三連投など、十分に回復していない時の全力投球が悪いのは明らかです。
ということで私は勝手に登板の目安を作ってみました。
(1)連投したら2日休み。仕方なく連投-休み-登板としたら2日休む。回またぎは連投扱い。
(2)連投-休み-登板-休み-登板とか週4日投げたら、3日休ませ翌週は週2日リミット。
(3)2週間で週6日登板をリミットにする。2週7日になったら翌週で調整し3週9日に。
(4)三連投はよほど条件が整わない限り禁止、三連投したら3日休み。
私の勝手な考えですが、防御率2点の投手が連投したら防御率3相当のピッチングになり、三連投したら4になると思っています。失点する確率が上がらないとしても、故障の確率が上がるのなら、三連投なんてマイナスの方が大きいんじゃないでしょうか。今年のオリックスは三連投させなかったようですし、やろうと思えばできます。
2018年12月31のブログ記事にこんな感じにまとめ、今回それをベースに書き直しました。この年はリリーフ7人体制メインでやっていたようですが、今年はほぼ8人体制(時々9人)でやってました。ベンチ入り人数が増えたからこうなったんでしょうけど、もう少しビハインド要員の投手を時々リードの時に起用すればなおいいです。もちろんそれで勝てていた試合を数試合落とすでしょうけど、長期的にはプラスになるはずです。
<2023.4.9追記>2016年の今村ジャクソンの連投-休み-三連投-休み-登板という恐ろしい酷使を書くのを忘れていました。私の基準では3日休ませないといけないのに1日のみ。外国人は頑丈かもしれませんが日本人はそうはいきません。この時期活躍した今村と中田廉はすでに引退、中崎も不調なのは偶然じゃないと思います。
2021.11.23 昭和野球からの転換を望む
昭和の野球で育った選手が監督をしているので、まだまだ古い慣習が残っているようです。
(1)先発投手は中6日であれば120球は投げるべし、たまには完投しないといけない。
(2)リリーフ投手は三連投は当たり前、四連投までは仕方ない。
(3)レギュラー野手はフルイニング出場が当たり前、故障持ちのベテランなら仕方ない。
(4)2番にはバントが上手な選手を置く。
(5)打順は固定した方がいい。
(6)ノーアウトランナー1塁ではとりあえず牽制球を投げてバッターの反応を見る。
先発投手については、昔よりリリーフ投手に近い力感で投げないといけなくなっていますし、コーナーぎりぎりを狙ったりしないと打ち取れないので球数も増えます。打者がパワーアップしてスイングスピードを上げ、多彩な変化球に対応できるようになっているので投手も大変です。なので昔の投手が「完投数が少なすぎる」と言っても時代が違うので無理です。
黒田の引退した年のコメントで、中6日はきつかったとありました。私はずっとブログで登板したら即抹消で中10日とか2週間に1登板とかでやればいいのに、と書いたら、そんなのはありえない、黒田に失礼、みたいな反応が多かったですが、今ではやはりそうした方がよかったと確信しています。
中6日にしているのは投手6人で1週間回せて調整がしやすいメリットがあるからだと思います。しかし途中で不調になり、1回ローテーションを飛ばすと調子が戻ることがあるので、中6日連続というのもきついのでしょう。
今年の9月の巨人のように投手5人で回そうとすると、基本中5日ですが誰か1人が5週に1回中4日になり、結果は皆さんご存じの通り悲惨でした。今年の終盤のヤクルトは先発投手8人で、時には中7-8日とかの投手が出てきたり、高卒2年目の奥川を中10日で回したり、と斬新でした。私は非常によかったと思います。
リリーフ投手も10人くらいで、うち1-2人くらい抹消する期間を作るようにして二軍と入れ替えしながら8-9人体制で回すとかなり酷使が避けられます。先発投手が早い回で降板した時に、一旦すぐ肩が作れる投手で乗り切って、その後若い一番優先順位の低い投手に2-3イニング投げさせるといいですが、そういう体制は2021年のカープには見られなかったのが残念でした。
レギュラー野手のフルイニング出場は田中広輔ですっかり懲りました。全くいいことがなく、打率2割とかで低迷したまま起用が続き、途中で膝の故障が発覚しただけでした。菊池もコンディションが心配で、体調がいいと右打ちができるようですが、最近はホームランバッターのようにしか打てません。なので6番とかで起用するのは大賛成。本当はもっと休ませてほしいのですが。
休めば体調がよくなり、実力をフルに発揮できます。他の選手にポジションを奪われるから怪我しても休まないと昭和の選手はは言いましたが、令和の時代は逆に休まないと成績が落ちてレギュラーを獲られます。そしてここには実績重視で(契約の問題もある?)レギュラーを決める悪しき慣習も絡んでいると思います。田中広輔が2割5分打っていたら小園は二軍でくすぶっていたままだったでしょう。
2番打者のバントですが、もうバントは得点力アップにつながりにくいのは周知の事実です。ノーアウト1塁からのバントはかなり打力の弱い選手しかメリットがありません。終盤で同点だった場合は、相手チームの守備戦略を変える上で意義があるかなという程度です。強いチームは2番に打てる打者を置いているように見えるのですが、逆に打撃力の弱いチームだとクリーンナップに打てる選手を並べると2番は仕方なく、という面もありそうです。
打順の固定についても、固定したくなるくらい打ってくれる選手が多ければそりゃ固定していいです。問題はそうでない場合。固定していないからダメなんだというのは無理があります。古くはバレンタイン監督時代のロッテとか、今年のオリックスは日替わり打線・日替わり継投と言われ優勝しました。
打順が同じでもその時の状況によって求められる打撃は変わってきます。なので打順が固定されないから打てないというのはどうなんでしょうか。私は調子の上がってきた打者、調子の落ちてきた打者がいるのなら積極的に打順を変えるべしという意見です。また相手投手との相性でも変えていいと思っています。リードした時のリリーフ投手も臨機応変に変えていくのがいいです。
最後に牽制球ですが、ノーアウト1塁でバッターに初球を投げる前に牽制球を投げないことってほぼ見たことがありません。DeNAの山崎康晃は投げないので有名ですが、その他の投手ははぼ投げています。どっちみちバスターされることもあるでしょうし、バントとバスター半々くらいで対応しないといけないはずで、反応を見る意味がよくわかりません。
そもそも牽制球をしつこく投げることにも疑問があります。それでも走られる時は走られるので、守備陣の集中力が下がるだけで意味がないような気がします。牽制球を投げる準備があるぞと目で牽制するくらいでいいんじゃないでしょうか。もちろん牽制の練習をしているのなら仕方ないです。
2021.11.23 球数を少なくすると
先発投手の球数は1イニングあたり15球、8回投げて120球、完投すると135球くらいだとちょうどよいとされています。調子がよい日だと135球投げられるかもしれませんが、普通の調子だと120球で限界だったり、もっと早く限界が来ると思います。実際は先発投手が7回まで投げられれば御の字という状況です。
もちろんペース配分はしているはずです。下位打線とかだとやや力を抜いて投げ、ピンチや強打者の場面では力を入れて、球数が増えてもいいのでコーナーぎりぎりに投げているでしょう。四球を出すと球数がかなり増えるので、強打者以外はNGとわかっていても出してしまいます。投手への四球って結構多いなと思いますが、内角はダメとか言われると投げにくいんでしょうか。
100-120球で限界というのであれば、球数を減らす試みをすると1イニング余分に投げられます。そうするとリリーフ投手の消耗が避けられ、多少防御率が落ちてもメリットが出てきます。長期的なことを考えるとピンチ以外の場面で甘いコースに投げてストライクをかせぎ、球数を減らすのはいい作戦だと思います。
右投手が右打者に対してインハイを攻めるのはきついのでしょう。ちょっと手元が狂ったら死球になります。だからと言って外角ばかり攻めると慣れられます。内角は攻めないといけませんから、シュート系の球が一つないときついですね。初球にストライクになるシュート系の球(シュート回転するストレートでいいです)で内角ベルト付近に投げるのが安全かもしれません。
以前「球辞苑」であったのですが、初球がボールだとその後の打率が上がり、「みんなイチローになってしまう」と発言がありました。なので被打率を下げるためにも、球数を減らすためにも、初球でストライクを取るのは非常に大事です。
リリーフ投手でも1イニング20球を超えると翌日以降に影響があるでしょう。150キロ超のストレートでコントロールがアバウトという投手が多いのですが、思い切ってど真ん中を狙って初球ストレート、というのが意外といいんじゃないかと思っています。
2021.11.23 批判の多くは結果論
今年の佐々岡監督なんて批判されすぎてかわいそうでした。多くはスタメンとか攻撃時の采配とかですが、これは実は河田ヘッドコーチの指示かもしれません。1塁ランナーが牽制でよく刺されていたのは明らかに今年多かったですし、その割に盗塁は少なかったというのは河田コーチは批判されても仕方ないかもしれません。
投手運用は個人的にはほぼ満足でしたが、9月から10月にかけて島内に三連投-休み-連投をさせたり(Bクラスほぼ確定なのに)、同時にケムナにも三連投させたり、もう少し他の投手に分散させればいいのにと思いました。なので私の首脳陣に対する不満の大部分は昭和の野球を引きずっていることです。
あとキャッチャーが外角を要求しすぎるとか、コーナーぎりぎりを要求しすぎて球数が増え、四球が増え、という部分は批判したくなります。カープで言うと會澤、監督コーチの指示かもしれませんが。
まあそれにしても我々の考えることは首脳陣はとっくに考えているのは間違いないでしょう。では首脳陣は勝とうと思って采配していないのか、違いますよね。我々と違って選手を間近で見られるので状態把握もできるでしょうし、膨大なデータもありますし。緒方監督から「結果論」というコメントが出て我に返りました。その通り。
批判できるとしたら古い野球観とかチーム状況に合わないスタイル、もしくはデータの活用法あたりですね。過去の相性を重視しても調子を崩している選手には当てはまらないよ、と思ったことは多々あります。まあ批判するのはファンの特権かもしれませんね。