酔竜の館 カープの間 まとめ

FC2ブログで「酔竜の館 カープの間」というのをやっています。スポーツ音痴+カープファン目線でいいところを取り上げたり、「これは違うぞ」とあんまり普通じゃない目線から斬新な意見を書いたりしています。ブログなので過去記事は埋もれてしまって見にくいので、こちらでまとめます。


2024.2.21 外国人大砲が不作な理由

スポニチアネックスの高橋慶彦さんの記事で、外国人野手が最近なかなか当たらないのは日本の投手がよすぎるからではないか、とありました。

これ当たってると思います。日本の投手陣の上位10%(各球団3-4人)くらいはMLBでも通用する感じですが、通用するというのはMLBの上位10%の強打者と十分勝負できるということです。これは相当なハイレベル。ではMLBの上位50%を除いた打者と(つまりスタメン野手の上位4人がいなくなる感じ)勝負できる投手はというと、結構いるんじゃないでしょうか。

逆に考えると、日本に来る外国人野手というのは下位50%の中の下の方にいるか、完全に外れるレベルです。そういう打者がNPBの先発ローテーション投手とか、勝ちパターンリリーフとか、打つのは難しいと考えられます。うーむやはり純日本人打線というのは結構現実的じゃないかと思えてきました。


2023.11.1 試合の流れは存在するのか

よく野球の解説で「エラーすると流れが相手に行ってしまう」「ここを三者凡退にすれば流れを呼び込める」とか耳にします。一方でセイバーメトリクスの世界なんかは流れを否定していますし、否定的な調査結果はいくつも検索できます。そして私も流れ否定派です。

点が入った場面で、そこに至るまでの間に何か記憶に残ることがあれば、そこに関連を感じてしまう、そして関連のあるものだけが記憶に残る、それだけなんじゃないかなと。雨男/雨女というやつと同じです。その人が天気を左右することなんてできるわけがありません。

ここは得点(失点)確率が高い、という場面はもちろんあります。例の「80球の法則」なんかはそれですね。そういうのは流れ以上にはっきりと根拠があるのですが、いまいち有名ではありません。そしてそこで打たれたら「あそこで四球を出したからだ」とか存在が疑わしいストーリーを付けられますが、実際は80球を超えて球の力が落ちてきただけかもしれません。

あとはメンタル関連ですね。ランナーが出てしまうと、ヒットや四球であればおおむねバッテリーの責任、エラーであれば違います。自分の責任じゃないエラー出塁に対して腹を立てたり、四球を悔やんだりして、力んでいつもの投球ができなくなったとしたら、ヒットによる出塁よりは失点に結びつきやすいと言えます。でもこれはコントロールしないといけません。一流投手ならコントロールできるでしょう。

今日の日本シリーズ第4戦で、7回に桐敷が2点タイムリーを打たれたのを「三塁手がエラーしたから流れがオリックスに行ってしまった」と考える人は多いでしょう。私はただ単に桐敷が昨日15球投げ、今日連投で回またぎをしたからだと考えています。その場面を見ていないので全然違うかもしれませんし、サヨナラ勝ちしたので問題視されないでしょう。


2023.9.17 規定投球回数はクリアしてはいけない?

規定投球回数は試合数と同じイニング数で、143試合なので143イニングです。1シーズンこれだけ投げないと防御率のタイトルは取れませんし、一流投手として当然クリアすべき数字とされています。

しかしセリーグでは2020年は6人、2021年は9人、2022年は10人、2023年は今のところ11人。1チームに2人もいません。なお途中で代打を出されないパリーグでは2020年8人、2021年14人、2022年9人、2023年今のところ11人、とさほど違いません。

そして今年の成績を見ると、今のところ規定クリアの11人の中で10勝した投手は5人、10勝しそうな現在9勝の小川を加えても6人です。1チーム2人ほどしかいないエリート投手が10勝できないということは、投げすぎて成績を落としていないだろうかと心配になります。もっとも中日の投手のように無援護の場合もありますが。

規定投球回数をクリアするには、おおむね1試合で6イニング投げる必要があります。週6試合なのでこれでぴったりで、実際は週5試合とかもあるのでもっと少なくていいです。6イニングというとだいたい90-100球、これを1年間コンスタントに維持するのが難しいということです。

前回書いた「120球以上の完投をすると翌週の成績が落ちる」というのと考え合わせると、やはり120球以上投げるのは当たり前ではないと考えた方がいいです。100球前後で中6日を維持するのがぎりぎりと考え、そのくらいであっても4週続けたら1週開けるとか抹消し中10日にするのがいいでしょう。120球以上投げたら10日以上開けるとかですね。

今年のカープの4本柱、床田、森下、九里、大瀬良が4人揃って8月9月の成績が急降下しているのは偶然ではないでしょう。オールスター休み明けの7/22(土)からの8週間プラス2日で、床田は8試合51イニング1/3、森下は8試合51イニング、大瀬良は8試合43イニング1/3、九里は8試合51イニング1/3、今日を含めると9試合になります。大瀬良以外は1試合あたり6イニングをクリア、このペースはダメという結果が出ました。

つまり規定投球回数クリアは目的にしてはいけないというのは明らかでしょう。無理せず登板して気がついたらクリアしていたというのならOKですが。


2023.9.10 完投した翌週はいいピッチングができるか

九里 5/10完封118球→中6日の5/17は8回途中99球7失点(7回終了時3失点)、6/30完封109球→中6日の7/7は5回92球7失点、8/22完封128球→8/29は7回途中116球4失点 ×3
戸郷 5/9完投143球2失点→中6日の5/16は6回途中104球5失点(5回終了時4失点)、5/24完封127球→中6日の5/31は8回120球4失点(7回に3失点、8回は無失点)、8/3完投149球1失点→中6日の8/10は7回途中129球3失点(7回に3失点) ×1△2
村上 4/22完封105球→中6日の4/29は8回101球無失点 ○1
床田 8/3完封104球→中6日の8/10は3回83球7失点、8/17完封122球→中6日の8/24は5回79球3失点 ×2
東 4/30完封97球→中6日の日は雨天中止、中10日の5/11は5回82球4失点、6/24完封116球→中7日の7/2は7回89球2失点 ○1×1
伊藤将 4/27完封106球→中6日の5/4は6回99球2失点、8/20完封114球→8/27は8回途中118球4失点、7回終了時89球2失点 ○1×1
森下 5/20完投9回途中108球1失点(サヨナラ負け)→中6日の5/27は7回105球無失点、7/12完封9回109球→中9日の7/22は8回94球3失点(8回に1失点) 9/2完投116球1失点→中6日の9/9は5回90球5失点 ○1△1×1
柳 6/8完投9回123球2失点→中6日の6/15は9回123球1失点(延長なので完投ではない)→中6日は試合なく中11日の6/27は3回途中57球5失点(3回に5失点)、8/13完封9回121球→中6日の8/20は8回116球1失点 ○2×1
今永 5/30完投122球2失点→中6日の6/6は8回114球1失点、6/23完投126球1失点→中6日の6/30は8回111球1失点 ○2
大竹 7/5完封105球→中6日の7/12は5回82球4失点(5回に2失点) ×1
才木 6/4完封101球→中6日の6/11は7回106球無失点 ○1
高橋宏斗 6/13完封125球→中7日の6/21は7回途中118球2失点(7回に2失点) ×1
小笠原 7/7完封102球→中5日で7/13は7回103球2失点 ○1
西勇輝 4/18完投128球1失点→中7日の4/26は3回59球5失点 ×1
濱口 8/10完投111球1失点→中6日の8/17は6回89球2失点 ○1

○はQS以上、もしくは防御率の1.5倍程度で、まあまあいつもの投球、△は防御率の1.5-2倍の失点、試合を壊さないぎりぎりの投球、×は防御率2倍以上、イニング途中に交代、と散々な結果ということにしました。結果は○11△3×13、カープに限ると床田×2九里×3森下○1△1×1と散々です。

○のケースを見ると、村上4/22に105球、東6/24に116球、伊藤4/27は106球、森下5/20は108球、柳2回、今永2回、才木6/4に101球、小笠原7/7に102球、濱口8/10に111球、と110球以下で抑えた場合翌週の結果がいいと言えるかもしれません。柳と今永は2回ずつ○があり、スタミナがあるので少々球数が多くても大丈夫なのでしょう。

以上を見ると、完投させても翌週と合わせてプラスマイナスで見るとマイナスの方が大きいのは明らかです。点差があれば非勝ちパターン投手で十分ですし、1点差とかでも続投するのと違う投手を起用するのも、80球の法則もあることですし、どっちが失点確率が大きいかわからなくなります。

この記事を書いたのが8/28でしたが、九里が前週完投で翌日登板し×、森下がその後完投し翌週×、でした。首脳陣にこの記事を読んでいただきたいです。


2023.8.20 大型連勝をするための投手起用とは

現在カープは貯金9で首位阪神は貯金23、残り33試合を2勝1敗ペースという結構な勝ち方で行くと貯金が11増えて20、これでも阪神が5割で行かれたら追いつけません。事実上優勝は逃したような気はしますが、それでもついていくにはどうするか。

大型連勝にヒントがあります。例えば9連勝する場合、勝ちパターン投手が全試合登板するわけにはいきません。つまり勝ちパターン投手はせいぜい6試合に登板させるくらいにしておいて、残る3試合は勝ちパターン投手を使わないで勝たないといけません。これは大原則。先発投手が完投するという荒技もありますが、次の試合に疲労を残しそうです。

なのでそこそこ強力な打線がないと無理、そうでない場合は勝ちパターンでない投手を有効活用していかないといけません。究極は5/8の記事で書いたような2グループ制、そこまで行かなくても勝ちパターン3人を毎回起用するのではなくて、2点差あればそのうち1人を違う投手に、3点差あれば勝ちパターンは1人しか使わない、とかでいいです。

昨日の8/19(土)の試合では7回終了時に6点リードしていましたが、98球投げた森下を続投させ3点失い(1番から始まる打線なので80球の法則発動)、連投-休み-連投になる栗林を9回に起用して逃げ切りました。こういう起用をしていては先発もリリーフも疲弊して、最後に息切れするでしょう。

今日(日曜)の先発玉村の試合で栗林を起用すると連投-休み-三連投というわかりやすい酷使になりますし、島内も今日投げると連投(2日で60球と三連投並の負荷?)-休み-登板(28球で2失点)-休み-今日登板となり、とてもコンディションがいいとは思えません。矢崎も心身の疲労として抹消されましたし、このままでは島内も調子が上がらず抹消になるかもしれません。

先発投手についても、ピンチでギアを上げるとか、疲労がたまった状態で懸命に腕を振って投げることが、疲労のとれにくさに影響するような気がしてなりません。


2023.5.25 もしかして中5日で80球で行けるかも

勝手に「80球の法則」を提唱しています。4/24に書いた通り、80球を超えて次のイニングに入るのはよほど条件が揃わないと失点確率がかなり高いということです。カープでは現状大瀬良と九里、床田が該当、森下は90球くらい、遠藤と玉村は70球くらいでしょうか。コルニエルとアンダーソンはよくわかりませんが70-80球だと思います。

Yahooニュースのとあるコメントを見て、もしかして球数を80球くらいに制限して、中5日で回したらかなりいいんじゃないかと思いました。5イニングで70-90球、うまくいけば6イニングで85球くらい、このあたりを目安として交代です。この際勝利投手が付くかというのは(同点だからもう1イニング行こうとか)無視で。

例えば大瀬良、九里、床田、森下、コルニエルの5人でローテーションを回すとします。遠藤、玉村、アンダーソンが外れますがなんか豪華ですね。ローテ5人が3回登板したら1回抹消して他の投手を入れる、とかしたら何かといいような気がします。先発投手が5人登録であればリリーフ投手を1人多く入れられますし、そのうち1人抹消していればもう1人入れられます。

今のカープであれば、7人の先発で中6日ローテーションを組み、毎週1人抹消していれば十分かもしれません。5週投げたら抹消、というか球数が減ったら抹消しなくてもよくなったりして。

(火)大瀬良(水)九里(木)コル(金)黒原→抹消(土)森下(日)アン
(火)大瀬良→抹消(水)九里(木)コル(金)床田(土)森下(日)アン
(火)遠藤(水)九里→抹消(木)コル(金)床田(土)森下(日)アン
(火)遠藤(水)大瀬良(木)コル→抹消(金)床田(土)森下(日)アン
(火)遠藤(水)大瀬良(木)九里(金)床田(土)森下(日)アン→抹消
(火)遠藤(水)大瀬良(木)九里(金)床田(土)森下→抹消(日)コル


2023.5.8 クローザー、セットアッパーの起用方法

現状一番いいリリーフ投手がクローザー(9回担当)、その次の投手がセットアッパー(8回担当)になることが多いようです。7回は3番目の投手。セットアッパーに最強のリリーフを充てる作戦も過去にはあったようですが(中日浅尾、阪神藤川とか)今はそうでもなさそうです。

強いチームだとセーブ機会が増え、クローザーを毎回登板させていては登板過多になってしまいます。私の基準では週4登板がぎりぎりで、4回登板させたら次の週に2-3回に減らし、できれば2週で6登板、3週で9登板という管理を推奨しています。逆に負けが多いチームだとクローザーは暇になってしまいます。

時々クローザーとセットアッパーを入れ替えてもいいですし、7回8回9回の3イニングを投げる場合その中の1人を4番目5番目の投手に任せるとかどうでしょう。究極は火木土はこの3人、水金日はこの3人、と曜日によって勝ちパターンを2組作っておく手もあります。誰もやらないでしょうけども。今のカープで言うと前者が大道-松本-栗林、後者がケムナ-矢崎-ターリーとかです。意外といけるでしょ。


2023.4.24 80球を超えて次のイニングに入るのは危険

先発投手の100球前後が交代のめどだとしたら、最終イニングは20球くらいとして、最終イニングの一つ前のイニングは80球あたりで投げきっています。80球を超えて次のイニングに入ると、最後の力をふりしぼって投げることになります。

そのイニングを別の投手に任せることで失点確率が減ったり、先発投手が翌週の試合によりよいコンディションで臨めるとしたら、そうすべきです。実際カープの開幕から10試合あまりを見直すと、80球を超えて入った次のイニングで失点したり途中交代をしたりが目立ちます。他のチームもよく見るとこの法則が結構当てはまっているような。

防御率5点のリリーフ投手をイメージすると、9試合9イニング投げて5点取られるわけで、1イニング登板して1点以下に抑える確率はかなり高いはずです。その上で考えてみると、80球を超えた先発投手は、防御率5点のリリーフ投手と変わらない(もしくはもっと悪い)防御率になっていると言えます。

もちろん中には毎試合120球前後投げ、クオリティスタートを毎試合のように達成し、中6日で登板し続けられる投手もいるでしょうけど少数派です。去年の森下もそういう想定で投げていたはずですが、多分違います。なのでカープの先発投手陣は全員先ほどの想定で投げていいんじゃないかと思います。

具体的には80球を超えてイニングを投げきった時に続投するかどうかの判断をする際に、次の回が下位打者から始まり強打者に回らないとか、調子がよいとか、そういうプラス要素があったら続投してもいいです。もちろん急に暗転した場合に備えてリリーフを1人準備させるのは鉄則。

逆にピンチの連続でぎりぎりしのいできて球数以上に疲弊しているとか、雨の中投げたとか、中5日の登板とか、上位打線から始まるとか、そういうマイナス要素がある場合は80球とかもう少し少なくてもスパッとあきらめた方がいいでしょう。70球を境に暗転という投手も結構いますし、マイナス要素が多数あったら80球という基準を下方修正しないといけません。

なお80球というとだいたい5イニング投げきりくらいになります。球数少なく勝負して、6イニングを85球とかで投げきれるようにすると素晴らしいです。投手とか打率1割台の打者には無駄球は投げない方がいいです。あとランナー1塁でのバントは1球でさせるのがいいです。

この方法で6人の先発投手で平均5イニング投げられれば、あとは週当たり4イニング×6で24イニング、これをリリーフ投手で分担することになります。9人いれば一人3イニング弱、一部の投手に負担が偏らないようにすれば十分やりくりできます。4イニング以下で交代になった投手の継投は序列の低い投手(7-9番手)でやりましょう。ここで僅差ビハインド要員の投手(4-6番手)を出さなくていいです。


2023.3.13 上位打線の組み方、OPSと走塁補正

一昔前であれば1番打者は出塁率が高く盗塁ができる選手、2番はバントや進塁打が得意な打者、3番はそこそこ足がある中距離打者、4番は最強の長距離打者、5番6番は4番よりちょい落ちる長打力のある打者、という感じのセオリーだったと思います。

ちなみにカープが3連覇した真ん中の年の2017年のスタメンは1番田中.805、2番菊池.716、3番丸.903、4番誠也.936、5番6番はエルドレッド.900と新井.850と松山.909のうち2人、とそれっぽいです。ちなみに春先までは新井が4番で誠也が5番。しかしこのOPSはすごすぎますね。

セイバーメトリクスの影響で、NPBでも1番から4番まではOPS(出塁率+長打率)の高い打者を置くのにシフトしているでしょうか。確かに打順が多く回ってくる上位打線に出塁する/走者を帰す能力の高い選手を置くのは理にかなっています。ランナーのある場面で強打者に回すという要素は優先順位が下がるようです。

2番菊池というのが(オールド?)カープファンの定番ですが、残念ながら去年のOPSは.659とよくありません。ちなみに2020年は.757、2021年は.762ですからこのくらいなら十分上位でいいです。去年はコンディションが悪かったのが影響したでしょうか。

菊池はもともと出塁率は高くない(11年間で.350を超えたのは2回だけ)ですし、OPSがかなり高くない限りは下位の方がいいです。私はずっと下位でホームラン狙いをしてほしいと書いてきましたが、この3年は絶不調の時以外は下位になりませんでした。今年は新井監督が初回からバントはしないと言われていますし、なお上位に置く必然性がなくなっています。

2022年のカープのそこそこ打席があった選手をOPSが高い順に並べると、西川.822、マクブルーム.794、坂倉.773、上本.748、秋山.746、野間.745、となります。この順番で打線を組むのも一つですが、3番打者は2アウトランナーなしで回ってくる可能性が高いので少し優先順位を落とすべきという話もあります。なので1番西川2番マクブルーム3番上本4番坂倉5番秋山6番野間、もありです。

あとは多分誰も言っていませんが、OPSプラス走塁補正を加えるといいと思います。足で稼いだ長打はもちろんOPSで評価されますが、そこからホームに帰ってこられるかどうかは走力が影響します。なので1番2番3番あたりは走力のある選手はプラス0.03か0.05程度補正、上本と野間が0.8近くなりますので1番2番に置くのはあり、となります。

そうすると1番西川2番野間3番上本4番マクブルーム5番坂倉6番秋山、とそれっぽくなります。秋山は今年は扁桃炎の発熱の心配がなく、OPS0.85くらい期待できそうなので、もっと上位にするといいですね。


2022.10.30 ホームランバッターはカープに必要か

鈴木誠也が抜けたカープは長打力が課題と言われています。もちろん毎年のように3割30本OPS1(!)という選手がいなくなるときついのは当然です。マクブルームは多少穴を埋めてくれましたが、打率.272出塁率.352ホームラン17本(128試合なので年間20本ペース)OPS.794という数字はぎりぎりOKという感じで、ファースト守備の不安を考えるとどうなんだろうかと思います。

そもそもホームランバッターって稀少です。2022年のセリーグで30本以上打ったのはたったの2人、20本以上にしても外国人を含めてたったの12人です。そしてホームランを20本以上打った選手のOPSを見てみると、村上1.168(56本)、牧.861(24本)、丸.859(27本)、佐野.853(22本)、中田.833(24本)、大山.827(23本)、ウォーカー.821(23本)、岡本.805(30本)、と意外とよくないです。

逆に規定打席クリアしてOPSが0.8超えの選手はというとたったの7人。意外と0.8超えは難しいということです。ちなみにカープでは規定打席未満ですが西川.822が唯一です。2位がマクブルーム。0.74超えまで基準を落とすと西川、マクブルーム、坂倉、上本、秋山、野間まで入ります。

さて0.74の守備走塁が上手な選手と、0.8の打つだけの選手、どっちがいいでしょうか。私は前者の方がいいです。ということでOPS0.74以上の守備走塁のよい選手を8人揃えられたらホームランバッターはいらないんじゃないかというのが私の考えです。


2022.8.22 バントは有利か、バントを防ぐメリットは

2022年のカープは8番上本が出塁して9番投手がバントし、1番2番で返して点を取るケースが目立ちました。そして菊池がよくバントしてました。なのでバントが点につながる印象があるんじゃないかと思います。

しかしセイバーメトリクスの世界ではノーアウト1塁のバントはよほど条件がかみ合わないと得点期待値を下げると言われています。打率1割くらいが損益分岐点という話もあり、じゃ投手しかやっちゃいけませんね。ちなみに「得点期待値(2点以上取れる確率も込み)」ではなく「得点確率」であればもう少し有利なので、1点取れば勝てるという場面のバントはもう少し御利益があります。

逆に守備の時にノーアウト1塁でバントの構えをされたらどうでしょうか。私は「一球でやらせろ」と思います。一球でひとつアウトをもらえると投球数も少なくてすみますし、先ほどのセイバーメトリクスで得点期待値が下がるわけですから二重においしいです。

バントを防ごうとするあまり球数が増えたり精神的スタミナを消耗したりするのも損ですね。四球でも出したら最悪です。カープの場合はバントの最中に盗塁されるかもしれませんし(盗塁阻止率12球団最下位)、これも大損。盗塁される前にバントをしてもらいましょう。

バントが成功して1アウト2塁になっても、進塁打2本では点にならないので最低ヒット1本は必要です。そして結局バントをさせてもされなくても、次の打者を抑えれば点にならない、打たれたら点になるということはさほど変わりません。なのでノーアウト1塁のバントは投手以外はしない、無理に防がない、のがいいと思います。


2021.11.25 機動力野球はカープに必要か

勝てない時期には必ず機動力野球への回帰を期待されます。機動力野球とは走力と小技重視の野球で、次の塁を狙う姿勢、盗塁、バントや右打ち、ヒットエンドラン、あたりを指すと思います。しかしこういう機動力野球を捨てているチームってあるんでしょうか。

もちろんクリーンナップあたりに打てるけど走れない選手をたくさん入れていると機動力野球は制限されますが、残った選手がそうしていないわけではありません。カープが今以上に機動力を使えるかというと、伸びしろはそんなに多くないと思います。今年から河田コーチが復帰し、もうぎりぎりまで追求しているはずですから。

今カープに機動力野球を追求しろというのは、河田コーチの実力がないと言っているようなものです。今年牽制死が多かったのは一塁コーチのせいもあるかもしれませんが、大部分河田コーチの指示でしょう。来年からは河田コーチが3塁コーチャーズボックスから指示を出すはずですから、ぎりぎりのホームインは増えるかもしれません。

機動力野球はもちろん必要ですが、今より大きな上積みは期待できないと思った方がいいです。それよりは長打で点を取ることを目指す方がいいでしょう。機動力野球が好きなファンには辛いでしょうけど、そういう時代ではなくなっていると思います。



2021.11.23 リリーフ投手の登板過多を防ぐには

リリーフ投手はほとんどの場合、試合数の半分くらいの登板(年間70試合)を数年にわたって続けることは困難です。少なくともこの10年では3年間連続してこの数字を達成した投手を知りません。巨人の山口鉄也は2008年から67試合73回2/3、73試合78回、73試合88回2/3、とすごいペースで投げましたが、その後も5年間いい成績でした。彼は例外中の例外でしょう。

なお鉄人岩瀬は一番投げたのがルーキーでの65試合(74イニング1/3)、翌年58試合80回1/3)、それ以外は若い頃のみ60試合60イニングあたりがマックスで、最後の10年は50試合50イニングあたりがピークでした。佐々木主浩は2年目の1991年に58試合117回(1試合先発)、1992年に53試合87回2/3という恐ろしい2年がありますが、それ以外はおおむね60試合60イニングだったようです。藤川球児も若い頃3年連続で結構な数字があります。トミージョン手術も受けています。

2018年で70試合70イニング超えの投手を並べてみます。ヤクルト近藤が74試合76回2/3、ヤクルト石山が71試合73回2/3、ソフトバンク加治屋が72試合66回2/3、ロッテ益田が70試合64回1/3、DeNA砂田が70試合52回1/3、楽天高梨が70試合48回1/3です。

2019年はDeNAエスコバーが74試合75回1/3、DeNA三嶋が71試合72回2/3です。2020年は60試合60イニング達成者すらゼロ、一番投げたのがDeNAパットンで57試合57回。新型コロナで120試合ですが、それでもかなり抑え目です。今年2021年はヤクルト清水が72試合67回2/3、彼以外に70試合70イニング超えをした投手はいません。去年も今年も9回打ちきりだったので登板数が増えなかったかもしれません。

70試合70イニングを超える投手すら少なくなっているので、各チームこの数字を目安に登板調整をしているのは明らかです。そして最近の投手では3年連続で60試合60イニングを上回って投げられる投手すら少ないようです。ではなぜこのあたりがリミットなのか。

もし1試合登板したら次の試合は休み、と機械的に決めて登板すると1週間に3試合、72試合72イニング投げられます。人間の筋肉の回復期間は48-72時間と言われているのでぎりぎりでしょうか。もちろん腱とか軟骨とかは別です。そしてこんな機械的な登板調整はありえませんから、普通は72試合投げると連投や三連投みたいなことが起こります。つまりは登板数よりは連投や三連投など、十分に回復していない時の全力投球が悪いのは明らかです。

ということで私は勝手に登板の目安を作ってみました。
(1)連投したら2日休み。仕方なく連投-休み-登板としたら2日休む。回またぎは連投扱い。
(2)連投-休み-登板-休み-登板とか週4日投げたら、3日休ませ翌週は週2日リミット。
(3)2週間で週6日登板をリミットにする。2週7日になったら翌週で調整し3週9日に。
(4)三連投はよほど条件が整わない限り禁止、三連投したら3日休み。

私の勝手な考えですが、防御率2点の投手が連投したら防御率3相当のピッチングになり、三連投したら4になると思っています。失点する確率が上がらないとしても、故障の確率が上がるのなら、三連投なんてマイナスの方が大きいんじゃないでしょうか。今年のオリックスは三連投させなかったようですし、やろうと思えばできます。

2018年12月31のブログ記事にこんな感じにまとめ、今回それをベースに書き直しました。この年はリリーフ7人体制メインでやっていたようですが、今年はほぼ8人体制(時々9人)でやってました。ベンチ入り人数が増えたからこうなったんでしょうけど、もう少しビハインド要員の投手を時々リードの時に起用すればなおいいです。もちろんそれで勝てていた試合を数試合落とすでしょうけど、長期的にはプラスになるはずです。

<2023.4.9追記>2016年の今村ジャクソンの連投-休み-三連投-休み-登板という恐ろしい酷使を書くのを忘れていました。私の基準では3日休ませないといけないのに1日のみ。外国人は頑丈かもしれませんが日本人はそうはいきません。この時期活躍した今村と中田廉はすでに引退、中崎も不調なのは偶然じゃないと思います。



2021.11.23 昭和野球からの転換を望む

昭和の野球で育った選手が監督をしているので、まだまだ古い慣習が残っているようです。
(1)先発投手は中6日であれば120球は投げるべし、たまには完投しないといけない。
(2)リリーフ投手は三連投は当たり前、四連投までは仕方ない。
(3)レギュラー野手はフルイニング出場が当たり前、故障持ちのベテランなら仕方ない。
(4)2番にはバントが上手な選手を置く。
(5)打順は固定した方がいい。
(6)ノーアウトランナー1塁ではとりあえず牽制球を投げてバッターの反応を見る。

先発投手については、昔よりリリーフ投手に近い力感で投げないといけなくなっていますし、コーナーぎりぎりを狙ったりしないと打ち取れないので球数も増えます。打者がパワーアップしてスイングスピードを上げ、多彩な変化球に対応できるようになっているので投手も大変です。なので昔の投手が「完投数が少なすぎる」と言っても時代が違うので無理です。

黒田の引退した年のコメントで、中6日はきつかったとありました。私はずっとブログで登板したら即抹消で中10日とか2週間に1登板とかでやればいいのに、と書いたら、そんなのはありえない、黒田に失礼、みたいな反応が多かったですが、今ではやはりそうした方がよかったと確信しています。

中6日にしているのは投手6人で1週間回せて調整がしやすいメリットがあるからだと思います。しかし途中で不調になり、1回ローテーションを飛ばすと調子が戻ることがあるので、中6日連続というのもきついのでしょう。

今年の9月の巨人のように投手5人で回そうとすると、基本中5日ですが誰か1人が5週に1回中4日になり、結果は皆さんご存じの通り悲惨でした。今年の終盤のヤクルトは先発投手8人で、時には中7-8日とかの投手が出てきたり、高卒2年目の奥川を中10日で回したり、と斬新でした。私は非常によかったと思います。

リリーフ投手も10人くらいで、うち1-2人くらい抹消する期間を作るようにして二軍と入れ替えしながら8-9人体制で回すとかなり酷使が避けられます。先発投手が早い回で降板した時に、一旦すぐ肩が作れる投手で乗り切って、その後若い一番優先順位の低い投手に2-3イニング投げさせるといいですが、そういう体制は2021年のカープには見られなかったのが残念でした。

レギュラー野手のフルイニング出場は田中広輔ですっかり懲りました。全くいいことがなく、打率2割とかで低迷したまま起用が続き、途中で膝の故障が発覚しただけでした。菊池もコンディションが心配で、体調がいいと右打ちができるようですが、最近はホームランバッターのようにしか打てません。なので6番とかで起用するのは大賛成。本当はもっと休ませてほしいのですが。

休めば体調がよくなり、実力をフルに発揮できます。他の選手にポジションを奪われるから怪我しても休まないと昭和の選手はは言いましたが、令和の時代は逆に休まないと成績が落ちてレギュラーを獲られます。そしてここには実績重視で(契約の問題もある?)レギュラーを決める悪しき慣習も絡んでいると思います。田中広輔が2割5分打っていたら小園は二軍でくすぶっていたままだったでしょう。

2番打者のバントですが、もうバントは得点力アップにつながりにくいのは周知の事実です。ノーアウト1塁からのバントはかなり打力の弱い選手しかメリットがありません。終盤で同点だった場合は、相手チームの守備戦略を変える上で意義があるかなという程度です。強いチームは2番に打てる打者を置いているように見えるのですが、逆に打撃力の弱いチームだとクリーンナップに打てる選手を並べると2番は仕方なく、という面もありそうです。

打順の固定についても、固定したくなるくらい打ってくれる選手が多ければそりゃ固定していいです。問題はそうでない場合。固定していないからダメなんだというのは無理があります。古くはバレンタイン監督時代のロッテとか、今年のオリックスは日替わり打線・日替わり継投と言われ優勝しました。

打順が同じでもその時の状況によって求められる打撃は変わってきます。なので打順が固定されないから打てないというのはどうなんでしょうか。私は調子の上がってきた打者、調子の落ちてきた打者がいるのなら積極的に打順を変えるべしという意見です。また相手投手との相性でも変えていいと思っています。リードした時のリリーフ投手も臨機応変に変えていくのがいいです。

最後に牽制球ですが、ノーアウト1塁でバッターに初球を投げる前に牽制球を投げないことってほぼ見たことがありません。DeNAの山崎康晃は投げないので有名ですが、その他の投手ははぼ投げています。どっちみちバスターされることもあるでしょうし、バントとバスター半々くらいで対応しないといけないはずで、反応を見る意味がよくわかりません。

そもそも牽制球をしつこく投げることにも疑問があります。それでも走られる時は走られるので、守備陣の集中力が下がるだけで意味がないような気がします。牽制球を投げる準備があるぞと目で牽制するくらいでいいんじゃないでしょうか。もちろん牽制の練習をしているのなら仕方ないです。



2021.11.23 球数を少なくすると

先発投手の球数は1イニングあたり15球、8回投げて120球、完投すると135球くらいだとちょうどよいとされています。調子がよい日だと135球投げられるかもしれませんが、普通の調子だと120球で限界だったり、もっと早く限界が来ると思います。実際は先発投手が7回まで投げられれば御の字という状況です。

もちろんペース配分はしているはずです。下位打線とかだとやや力を抜いて投げ、ピンチや強打者の場面では力を入れて、球数が増えてもいいのでコーナーぎりぎりに投げているでしょう。四球を出すと球数がかなり増えるので、強打者以外はNGとわかっていても出してしまいます。投手への四球って結構多いなと思いますが、内角はダメとか言われると投げにくいんでしょうか。

100-120球で限界というのであれば、球数を減らす試みをすると1イニング余分に投げられます。そうするとリリーフ投手の消耗が避けられ、多少防御率が落ちてもメリットが出てきます。長期的なことを考えるとピンチ以外の場面で甘いコースに投げてストライクをかせぎ、球数を減らすのはいい作戦だと思います。

右投手が右打者に対してインハイを攻めるのはきついのでしょう。ちょっと手元が狂ったら死球になります。だからと言って外角ばかり攻めると慣れられます。内角は攻めないといけませんから、シュート系の球が一つないときついですね。初球にストライクになるシュート系の球(シュート回転するストレートでいいです)で内角ベルト付近に投げるのが安全かもしれません。

以前「球辞苑」であったのですが、初球がボールだとその後の打率が上がり、「みんなイチローになってしまう」と発言がありました。なので被打率を下げるためにも、球数を減らすためにも、初球でストライクを取るのは非常に大事です。

リリーフ投手でも1イニング20球を超えると翌日以降に影響があるでしょう。150キロ超のストレートでコントロールがアバウトという投手が多いのですが、思い切ってど真ん中を狙って初球ストレート、というのが意外といいんじゃないかと思っています。



2021.11.23 批判の多くは結果論

今年の佐々岡監督なんて批判されすぎてかわいそうでした。多くはスタメンとか攻撃時の采配とかですが、これは実は河田ヘッドコーチの指示かもしれません。1塁ランナーが牽制でよく刺されていたのは明らかに今年多かったですし、その割に盗塁は少なかったというのは河田コーチは批判されても仕方ないかもしれません。

投手運用は個人的にはほぼ満足でしたが、9月から10月にかけて島内に三連投-休み-連投をさせたり(Bクラスほぼ確定なのに)、同時にケムナにも三連投させたり、もう少し他の投手に分散させればいいのにと思いました。なので私の首脳陣に対する不満の大部分は昭和の野球を引きずっていることです。

あとキャッチャーが外角を要求しすぎるとか、コーナーぎりぎりを要求しすぎて球数が増え、四球が増え、という部分は批判したくなります。カープで言うと會澤、監督コーチの指示かもしれませんが。

まあそれにしても我々の考えることは首脳陣はとっくに考えているのは間違いないでしょう。では首脳陣は勝とうと思って采配していないのか、違いますよね。我々と違って選手を間近で見られるので状態把握もできるでしょうし、膨大なデータもありますし。緒方監督から「結果論」というコメントが出て我に返りました。その通り。

批判できるとしたら古い野球観とかチーム状況に合わないスタイル、もしくはデータの活用法あたりですね。過去の相性を重視しても調子を崩している選手には当てはまらないよ、と思ったことは多々あります。まあ批判するのはファンの特権かもしれませんね。