ホンダ ADV160 新車

2022.10.29 前日発表されたADV160の情報を聞きに行く→購入意思を伝えた
ADV150をレンタルしてすごくよかったので、海外ですでにデビューしていたADV160が気になるのは必然です。そして昨日10/28に正式発表。排気量7ccアップですがショートストロークで4バルブ化、フルデジタルメーター内にタコメーター追加、フロントスクリーン大型化、お値段は2万円ほどアップの47.3万円。
スーパーカブ110との2台体制には絶好のバイクですが、そんなに乗るだろうか、高速を使ったロングツーリングなんか3-4回がせいぜいじゃないかとも思うのですが、結局お金の問題でしかない。それなら行っちゃえ(爆)。新型コロナをめぐるストレスですっかり頭がおかしくなっています。
まあしかしADV150で感じたおおらかな乗り味はよかったです。大型バイクに乗っているような錯覚さえして、カブと正反対。もちろんカブはカブでいいのですが、性格の違った2台が楽しめるのはいいかも。
発売日は1/26、ちょうど3ヶ月後ですっごく寒そうな日です。しかしいつになるかわからないので今のうちに頼んでおくのがいいでしょう。もう決めました。
2022.11.3 スーパーカブ110とADV160の二台体制は最強か
ひねくれたバイクマニアの私にとって、シフトチェンジのないスクーターはバイクライフの主役ではありませんでした。1994年にホンダフリーウェイ250を新車で買ったものの全然面白くないとたったの1000キロで手放し、その3年後の1997年にベスパ100Vintage100(2サイクル、グリップ部分でシフトチェンジ)を買いましたがこれもすぐ手放し、その後18年ほどスクーターを買うことはありませんでした。
しかし2015年5月に突然ベスパPrimavera150を購入します。記録を見ても特にスクーターに乗りたいという様子もなく、「イタリア車乗りとしてずっと気になっていたから」くらいしか理由がありません。意外と満足できていたようですが高速走行だけは苦手で、100キロ巡航ほぼ無理、ある登り坂では83キロまで落ちてしまった、1時間も高速を走れば嫌になる、という記録があります。
半年ほど経ち「長距離ツーリングができる大型バイクが欲しい」とNinja650を増車してしまうのですが、重すぎて4ヶ月ほどで手放しました。残ったPrimaveraは合計1年半で3500kmも(私としては異例)乗ったのでそこそこよかったようですが、シフトチェンジがしたくなりエストレヤに乗り換えになってしまいました。
そのあとはスクーターのことはすっかり忘れていたのですが、スーパーカブ110との2台持ちを考え、普通のバイクだとシフトミスをしそうなのと、タンクに挟まれた股間がきつい(汗)、ならばスクーターはどうだろうかと考えるようになりました。そしてADV150をレンタルしたところ「こんな世界もあったのか」。
先日ふと国井律子さんの記事を思い出しました。友人と2人で9月の東北にツーリングに行き、自分はハーレーで友人はヤマハマジェスティ(大型スクリーンとグリップヒーター装備)。冷たい雨に打たれ自分は凍えていたのに友人は冷たいジュースを飲むではないか、その後はじゃんけんでスクーターの取り合いになった、という記事です。MOTONAVI2017年2月号でその記事が見つかりました。
スクーターのあの形はバイク乗りの美学(やせ我慢?)として認めたくない部分もあるのですが、ツーリングには最強です。下半身に風が当たりにくいのは冬のツーリングではありがたいですし、リアボックスを付けなくても収納スペースは結構あるし、シフトチェンジさえあればなあ(カブ方式でいいので)、です。
ベスパPrimaveraとNinja650の二台持ちは明らかな問題があり失敗しましたが、スーパーカブ110とADV160の組み合わせだと成功する予感しかしません(汗)。
2023.2.19 ADV160納車&ツーリング
11月はじめにオーダーを入れて3ヶ月ほど待ちましたが、行きつけのショップでは入荷するめどが立ちません。注文を入れて翌月のはじめにOKかNGかわかる仕組みで、3ヶ月連続で注文を入れても3回ともNG。この分だと来月はじめにOKでやっと4月末の納車でまたNGになる可能性も高く、仕方なく他のお店で買うことにしました。2/11に契約、そして今日納車となりツーリングして帰ってきました。
ぱっと見はやっぱりでかいです。カブよりふた周りくらい大きい感じ。乗った印象はADV150とあまり変わりません。アップライトでゆったりしたポジションで、大きなバイクに乗っているような感じ、と長距離ツーリングが得意そうな感じがします。
2023.3.12 慣らし運転、そして1ヶ月点検
納車ツーリング (5km→102km) 井原一周+神島ツーリング(536km→617km)
矢掛-沙美-神島ツーリング(102km→197km) 木次ツーリング (617km→893km)
鞆-沼隈一周+井原一周 (197km→300km) 1ヶ月点検ツーリング (893km→1089km)
日生ツーリング (316km→536km)
順調に慣らし運転が進み、今日1ヶ月点検をしてきました。
200kmまで6000回転リミット(70km/hまで)、200km以降は6500回転リミット(80km/hまで)、500km以降は7000回転リミット(90km/h弱)、700km 以降は7500回転リミット(95-96km/h)とやりました。最大トルクを6500回転で発生、最高出力を8500回転で発生、レッドゾーン9500回転というエンジンなので最初から割と頑張ってます。
日生ツーリングの帰りに初めて高速に乗りました。440km走行とちょっと足りませんでしたが90km/h弱走行を解禁、この速度だと余裕がある感じで、エンジンも特にしんどそうではありませんでした。
木次ツーリングの前半部分は一般道、後半部分は高速で、700kmを過ぎたので7500回転リミット、100km/h弱まで出せるかと思いきや95km/hくらいのようでした。山陽道で95-96km/h巡航をしたところ若干振動が増えた感じですがエンジンがしんどそうではありませんでした。
総仕上げの今日の1ヶ月点検ツーリング、行きの高速は7500回転95-96キロリミットなので92キロ前後で走ってみました。燃費は39.5とまあまあ、風さえ吹かなければ快適に走れました。帰りは上ノ原牧場を経由してあとは国道で帰りましたが、混んでいない部分の燃費は52くらい。
2023.3.19 ADV160のいいところと悪いところ
いいところ
(1)またがると600ccバイク並のボリュームなのに、車両重量136kgで取り回しはぎりぎり嫌にならないレベル。最小回転半径1.9mはカブと同じ数字でおかしいレベル。
(2)エンジンのパワーは十分というか、156ccであることが信じられない。250ccと言われても信じる。高回転を常用しているからというからくりはあるが(汗)。CVTの制御もよく、エンジンブレーキもちょうどよく効き、ストレスなく走れる。
(3)ハンドルがほぼまっすぐで幅広め、直立でオフロードバイクっぽいポジション、トランザルプ600を思い出した(違うかも)。目線が高くゆったり乗れていい気分。
(4)前後ディスクブレーキ、前輪ABS、後輪トラクションコントロール装備。カブよりかなりブレーキが効くが、効き過ぎもなくちょうどいい効き方をする。
(5)高回転を使う割に燃費はまあまあ。通勤燃費は30くらい、下道で遠出すると45-50、高速90キロ巡航だと40くらい。
(6)スクーターならではの不安定さを感じず、ニーグリップしたくならない。足首グリップも不要でコーナリングも不満なし。高速巡航だとギアチェンジがないのでスクーターでも同じことに気づいた。
(7)オンオフタイヤ(標準装着はIRC GP-212)のせいか、舗装の継ぎ目でも安定するので避けて走ろうという気にならない。グルービングを通っても怖くない。
(8)スクーターなのにタコメーター装備、外気温と時計とトリップAの距離と燃費と4つ同時に表示できる、トリップAとトリップBで別々に走行距離と燃費を管理できる。もちろんデジタルスピードメーターは大好き。
(9)アイドリングストップが非常に優秀。完全に停止して数秒でエンジンストップするので一時停止くらいでは止まらないですむ。アクセルをひねったらノーストレスでエンジンがかかり発進できる。もちろん止まってほしくない時に止まることはあるのでOFFにしている(汗)。
(10)シート下スペースはそんなに広くないが、あるとないとでは大違い。
よくないところ
(1)ホームページには普通にヘルメットが入ることになっているが、実際はXLサイズだとほとんどのヘルメットが入らないようだ。ADV150やPCX160の方がましとの噂、逆に入るヘルメットを教えてほしい。
(2)スマートキーは電池切れや接触不良のことを考えるとかなり不安。
(3)高回転を使うので高速燃費がよくない。100km/h巡航をするとおそらく35くらいで、8.1Lの燃料タンクだと230kmあたりで燃料計が点滅しそうなので250kmくらいで給油せざるを得ない。せっかくロングツーリング適性がありそうなのにこの航続距離の短さは残念。
(4)給油がしにくい。給油口自体はカブと同じだが、目安となる横棒がかなり奥にあるせいか見えにくくカブの方が楽。オートストップがあてにならないので目視でおおざっぱに給油するのがよい、。
微妙なところ
(1)足つきがそんなによくない。もちろん177cm84kgの私だと両足べったりだが、ADV150よりシート高を下げた御利益はあまりないかも。フラットフロアではないので乗り降りはやや不安。
(2)シートが硬い。しかし1時間くらい大丈夫なのでそこまで悪くはないかも。
(3)ストロークの長いサスペンションだが、路面の乱れを正直に伝えてくる。乗り心地はいいとは言えない。
(4)燃料計は最初のひと目盛りがなかなか減らず(1つ目が1.8Lくらいで消え、2つ目以降は0.7-0.9Lで消え、最後の1つが0.7Lで点滅に変わってもまだ1.32L(説明書に記載)残っている。均等に減ってほしいし最後の1つで1.3L、点滅で0.7L残りくらいにしてほしい。
(5)エンジンの音が大きい割に味がいまいち。カブ110やモンキー125のような絶妙な感じがない。速度が一旦落ちてからアクセルを開けていく時はADV150の方は鼓動感があったかも。
(6)カブとの2台体制なのでよいが、これ1台体制は多分無理。
(7)今時のバイクはETCはビルトインにしてもいいんじゃないか。カウルの取り外しが大変で、プラスチック部品の爪がよく折れるらしいので私は付けたくない。
(8)色がいまいち。ADV150の赤がよかったが一見ワインレッドのしょぼい赤になった。その他の色は黒とシルバーのみなので選べない。白だったらステッカーをたくさん貼る手も使えるが設定なし。
2023.4.6 ETCは着けるべきか?
ADV160は今までほぼしていなかった「高速を使った長距離ツーリング」ができるかなと思って購入した面があります。具体的には片道200km以上、できれば1日300-400km走って往復できるとよいです。
そうなるとETCを着けるか着けないか、迷います。多少損になるくらいなら便利なので着けてもよいのですが、スクーターであればだいたいセットアップ込みで4万円。割引分が3万円くらいならまあいいかなと思うでしょうか。そしてシミュレーションすると、
福山東IC-広島IC(93.8km) 通常2200円 休日ETC1540円(-660)
福山東IC-米子IC(174.1km) 通常3530円 休日ETC2470円(-1060)
福山東IC-浜田IC(170km) 通常2950円 休日ETC2070円(-880)
福山東IC-舞鶴西IC(274.4km)通常5790円 休日ETC4090円(-1700)
福山東IC-大三島IC(51.4km) 通常2310円 平日ETC1730円 休日ETC1200円(-1110)
福山東IC-今治IC(81.3km) 通常4510円 平日ETC2980円 休日ETC2250円(-2260)
福山東IC-坂出IC(82.1km) 通常4590円 平日ETC3010円 休日ETC2410円(-2180)
福山東IC-高知IC(184.6km) 通常6560円 平日ETC4980円 休日ETC3790円(-2780)
福山東IC-美祢東JCT(243.2km)通常4950円 平日ETC4770円 休日ETC3340円(-1610)
これら全部1往復ずつすると、12540×2=28480円、ぎりぎりOKです。しかしこれだけツーリングする前にADVは手放してしまいそう(汗)。なので一旦は着けない方がいいという結論になりました。
しかーし、事前申請でもっともっと割引というのがありました。まずは土日祝日で1走行あたり100km以上であれば割引率が37.5%。それとは別に、中国四国エリアの高速が2日間乗り放題6400円とか、四国エリアが2日間乗り放題5000円とか、京都兵庫2日間乗り放題5000円とか、そういうのもあります。こちらは平日も使えます。
さあこれで再計算するとわからなくなってきます。面倒なのでまだですが(汗)。
2023.4.14 ADV160、高速巡航なかなかいける
ADV160は1700kmを超えました。高速で90キロちょいで1時間あまり連続走行をしてみましたがいい感じです。1時間7分と微妙な時間ですが、きつくて早く着かないかなとも思いませんでしたし、1時間半なら走れそうでした。帰り道では結構風が吹きましたが、102キロ巡航でも進路を乱されることもなく、風が強いなというだけで普通に走れました。
この速度でも進路変更のために頭を横に振ると、風でヘルメットが持って行かれそうになりますので、これ以上の速度を出すのは他のバイクでもきついんじゃないかと思います。リッターバイクのツアラーだったらそうでもないんでしょうけど、そんなのは一生買いませんので。
今までいくつかのバイクで高速を走ったことはありますが、2時間連続とかしたことはありません。車でも1時間半で休憩していますからそのくらい走れれば十分です。参考までに今まで高速を走ったバイクの評価をまとめてみました。もしかしたらADV160が一番よかったりして。
Ninja650: 120キロ巡航はきつい、スクリーンを一番上にセットしても風がきつい。100キロでも1時間持つかどうか、85キロまで落ちると快適。
Ninja250: 100キロでも結構風が当たる。車線変更のため頭を振ると風で持って行かれそうになる(120キロでも同じくらい)。100キロ巡航でたまに120キロで追い抜きという想定でも1時間以上は走りたくない。
エストレヤ: 100キロ巡航でも手がしびれ1時間が限界、120キロも同じくらいか。85キロだと振動は楽。きつい坂だと90キロキープがぎりぎり。
グラストラッカー: 100キロだと風圧がすごい、1時間はぎりぎりOKかも。
ジクサー150: 100キロまで出せたものの、風が強くてなんか不安定で80-90キロしか出したくない感じ。
セローファイナルエディション: 風が吹いていて100キロでもちょい怖かった。トンネルではないところで120キロは出せないかな。
SR400: 100キロ走行すると手もお尻もしびれる、30分走ったが1時間は無理。
XJ6ディバージョン: 100キロだと多少風が吹いても怖くない、ただ80-90km/hが快適と感じる上限、100キロで30分走ると手がしびれる。
ベスパPrimavera150: 100キロ巡航するにはパワーが足りない。風防も必要。
Breva750: 振動で手がしびれるのには閉口した。今まで気にならなかったが100km以上走ると気になるのかも。
2023.5.3 ADV160浜田まわり408kmツーリング(2463km)
ADV160は1989kmでエンジンオイルをヤマルーブプレミアムに交換、そして今日高速を走ってきました。さすがに純正のウルトラE1(10W-30)では夏場に100キロ巡航とかもうちょっととかするのはきついでしょう。
浜田ICの手前の金城(かなぎ)PAまで160kmくらい、2時間ちょっとかかりましたがほぼノンストップで走りました。ストップしたのは料金所とメモをとるためだけに途中のPAに止まった時だけです。さすがに1時間50分経過あたりで疲れを感じてきましたが、私の希望の「90キロ巡航90分連続」は十分可能です。「100キロ巡航90分連続」もおそらく可能です。
上に書いてあるように、100キロ巡航で30分も走ると手がしびれるバイクは多いですが、ADVは大丈夫でした。上記バイクを含めた中で、ADVは一番高速道路を楽に走れるバイクじゃないかと思います。風も両ほほと両肩に感じますが、特に嫌じゃなかったです。
浜田ICを出たあとは道の駅に寄ったくらいで、県道中心にちょこちょこ迷いながら走りました。9時間弱で(走行時間は8時間くらい)408kmも走り、すごく疲れました。
2023.7.30 ADV160とお別れ(4020km)
ADV160は高速90キロ巡航するには最高のバイクでした。着いてから市街地を走るのも軽いとストレスがありません。しかしやはり変速操作がないということ、そして鼓動感があまりにもないこと、このあたりはどうしても今後響いてきます。今日買ったお店に持って行って買い取っていただきました。