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(掲載番号) 『 作品タイトル 』 制作年 制作国 上映時間 CINEMA VIDEO
(86) 『 華氏911  2004年 122分 '04.12/15
 
 監督 : マイケル・ムーア
 出演者 : マイケル・ムーア  ジョージ・W・ブッシュ  …他

 
 : story : 作品概要
 ( 心に残るのは 絶にして妙な 心地悪さ  うわー 気持ち悪いなぁ、アメリカ ……日本も同じだって )
 : review : 感想
  まだ未見の(大抵の)人は、この作品を“ムーアによる、ブッシュ批判映画”とか思っていますが。
 違います。 この映像記録作品の真価は70分過ぎに訪れます。 ──なんという居心地の悪さか──
 
 映画というメディアを使った、暴力。 
 戦争という、人類史上“最凶”の暴力に向けられた、暴力。 
 政治の無責任さに。 
 マスメディアの滑稽さに。
 アメリカの無知さに。
 戦争を、報道としてしか見ていない、自分たちに向けられた、暴力。
 
 いやぁ───落ち着いて、レビューが書けなくなるほど、気分を悪くする映画って滅多に無いですよねぇ。(凹)
 
 ちなみに。 自分がマイケル・ムーアの映画を観るのは、「ボゥリング・フォー・コロンバイン」に続いて2作目です。
 アメリカ = 銃社会 という縮図を明らかにし、その問題を見せられました。 まるで嫌がらせそのものの、
 銃社会への批判映画でした。 観ていて、気分悪い反面──…不謹慎ですが、笑えました。
 
  さて、この「華氏911」。 ブッシュの滑稽さについては問題じゃないです。 笑いの部分があるのは前半のみ。
 マイケル・ムーアの手馴れた演出による、アメリカの気持ち悪さの自虐的なネタ。 効果的なBGMも流石の一言。
 
 そのあとは、ただただ現実を突きつけられるのみ…。 とても悲しく、とても腹立たしく、とてもむなしい時間です。
 戦争という、むなしい現実。 その日常には、劇的なことなど何一つ無く、ただ結果として人が死ぬだけ。
 戦争は政治であり、商業であり、経済事業なのです。 ただ、人が大勢死ぬだけ。 ──それがとてもむなしい。
 
  この作品があるから、戦争が無くなる訳では無いし。 観た人が、反戦運動に参加する訳でもないです。
 では何故、マイケル・ムーアはこれを送り出してくるのか? なぜ、第57回カンヌ映画祭で最高賞をとったのか?
 自分は、ムーアの映画は“宗教”と、とらえてます。 普段は観ない“吹替え”版で、背中越しに観てます。
 
 ジャンル:ドキュメンタリー  80(点数なんて付けるのは不謹慎)  鑑賞日:2004.12/15 
 

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