: review : 感想
言わずもがな、原作は『新造人間キャシャーン』。 1973〜1974年のTVアニメ。 うーん、見たことないです。
…生まれてもない…。(笑) 言うまでも無く、監督は宇多田ヒカルの旦那で、最近の曲のPVもこの人。
世界観設定。 選民思想や戦中・戦後のゴタゴタによって公害病等の、いらん問題が出てくるという、
非常にわかり易いものですねぇ。 命の価値とか、エディプス要素は、ストレート過ぎますが。
ストーリーの基盤を暗く・重くしたことで、登場人物たちを追い詰めることが容易になります。
あとの展開はいかようにもできる、という流れですね。(ハッピーENDでも、アンハッピーENDでも好きなように)
ただ、残念なことに紀里谷監督。 神憑り的なものに行っちゃったのが…。 あーもー…。
いや、これは脚本の問題なのか…。 いきなりボーダーを取ってしまうと、何でも有りになってしまうので
暗さ・重さが無くなるのですが。 まぁ、ラストは力技でした。 真相はうやむやに。
ゴツゴツした帝国主義丸出しの舞台美術、色彩感覚は最高だと思います。 CGを使ってないシーンは
皆無に等しいかと思われますが、しばらく見てたら慣れてきますね。 流石に。(汗)
スチーム・パンクなロボットデザインも好きな部類なので。 そもそも、メカデザインのD.K.さんとこのHPで
知りました、この『CASSHERN』映画化。 ツメロボ、なるほどー、だから“ツメ”ロボなのかー。(遅)
ストーリーのあちこちに出てくる、幸福感を匂わす場面は、個人的にいまいち…。
というか、あんまり幸福に感じられないのですが。 宇多田ヒカルのPVで感じれた幸福感は、宇多田の
歌声によるもので、映像の力じゃー無いのでしょうかねー。 でも、『 FINAL DISTANCE 』 とか、かなり
ググッと来るのですが。 うーん、やっぱりCG使い過ぎなんでしょうか…。
セリフのやり取りとか、ダークな雰囲気を匂わす場面は見ていてドキドキしたのですが。
反面、アクションシーンの演出に、?が。 動いてる場面は苦手なんでしょうか、紀里谷監督。
止まってる場面を撮るのは得意みたいです。
それにしても映画初監督にして、多額の制作費、豪華すぎなキャスト配置は凄まじいばかり。
次回はぜひとも超常現象をオチにしない、MTV感覚映像作品を。 悪口じゃ、ないですよ。(汗)
あぁ、点数評価が高めなのは、例によって麻生久美子嬢効果です。(笑)
ジャンル:SFファンタジー 80点 鑑賞日:2004.5/13
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