南京玉すだれ情報

出会いルーツ口上


1.古典芸能・南京玉すだれとの出会い

「アー さて、ア さて、 アさて、さて、さて、さて、さては南京玉すだれ、チョイと伸ばせば、浦島太郎さんの魚釣竿に チョイとにたり」 軽妙な節回しに合わせて、竹のすだれを釣竿や橋に見立てて操るのが、ご存知南京玉すだれ。 調子が良くて座がパッと明るくなるような演芸である。私はこの芸に引かれて、昭和60年2月に発足間も無い「南京玉すだれ広島保存会」(発足当時は南京玉すだれ広島研究会)に入会し今日まで仲間と一緒に練習に励み、老人ホーム、矯正施設、イベント出演などで皆さんに喜んで頂いている。
そもそも、南京玉すだれとの出会いは、昭和58年6月に第13回JC青年の船で2週間の洋上研修(台湾、香港訪問)を受ける機会に恵まれ、クラブ活動として参加したマジッククラブで親子マジッシャン「松旭斎八重子、美江子」さんに手ほどきを受けた時に有ります。 シンガポール人のヤオ君と2人で350人の前で演じで拍手喝采を浴びたことは今でも頭に焼き付いています。
私の先生は、広島県海田町のJRマン「池田政人」さんですが、宗家は「芝辻たかし」さんで宗家の祖父にあたる「吉田仙助」さんが大道芸であった南京玉すだれを舞台で演じた初めての人といわれています。 私の肩書き「南京玉すだれ仙助流師範」の仙助流はここから来ています。

2.古典芸能・南京玉すだれのルーツ

富山県の五箇山に「こきりこ踊り」という踊りがあります。 この踊りにはいくつかの種類があり、そのひとつに「編竹踊り」があります。 これは竹の糸で編んだ編竹を持ち唄に合わせて躍りながら、編竹で枝垂れ柳や橋を形造るものであります。
竹の棒は私たちが使っているものに比べ、やや太く、本数も少ない。 歌詞や節回しも多少異なるけれど、まずはこれが南京玉すだれの源流とみて間違い無いようです。
こきりこ(小切子、筑子)はものの本によると中世の歌謡に用いられた伴奏楽器といい、鎌倉、室町の時代あたりに放下僧が用い始めたらしい。 編竹はこきりことは別種の楽器で、「ささら」と呼ばれる楽器の一種だが、こきりこ踊りの一つとして、編竹踊りが伝えられている所からすれば、発生も室町ごろと考えられるそうです。
手妻(てづま、手品のこと)の歴史などを研究しておられる山本慶一さんによると、「諸芸口上集」という江戸時代に出た本に「近頃、京、大坂、江戸三ヶの津におきましてはやりきたるは唐人、阿蘭陀、南京無双玉すだれ、竹なる数は三十と六本(中略)、糸と竹のはりやいを持ちまして神通自在ごらんにいれます」との記載があるという。これが今日言う所の南京玉すだれであるのは疑いないらしい。........(昭和58年1月28日の日本経済新聞の文化欄より一部転載)

3. 古典芸能・南京玉すだれの口上          回線速度が遅い場合は、音が途切れると思いますので、全部受信後に再度お聞き下さい。 「戻る」を押さない限り、ずーとリピートします。

先ず御免を蒙りまして、近頃、京・大阪・江戸、三ヶの津におきまして、はやり来るは 唐人 オランダ 南京 無双玉すだれ、竹なる数は三十と六本、糸の数は七十と二結び、糸と竹との張り合いを持ちまして、神通自在、ご覧にいれます。

これが、演技をする前の口上ですが、この口上に続く口上に次のものがあります。

先ず岩国では そろばん橋、双方、高い橋の欄干、欄干ありて 擬宝珠ない所をすだれのお笑い、武士一統では金兜、東海道は五十と三次で蕎麦屋の看板、三日では三日月、十五夜の形、伊勢道中におきまして、あい間の山では お杉とお玉、祖父と祖母さんの糸車、淀の川瀬で、すだれは一連に跡へと戻る。

4.古典芸能・南京玉すだれの唄

(1)
アさて アさて アさて さて さて さて さては南京玉すだれ
チョイと伸ばせば 浦島太郎さんの魚釣り竿にチョイと似たり
浦島太郎さんの魚釣り竿がお目に止まればおなぐさみ
お目に止まれば 元へと返す。
(2)
アさて アさて  さては南京玉すだれ
チョイと返せば 瀬田の唐橋唐金擬宝珠 
擬宝珠ないのがおなぐさみ
瀬田の唐橋お目に止まれば 元へと返す。
(3)
アさて アさて  さては南京玉すだれ
チョイと伸ばせば おらが在所のご門でござる
おらが在所のご門がお目に止まれば 炭焼き小屋へと早変わり
炭焼き小屋がお目に止まれば 元へと返す。
(4)
アさて アさて  さては南京玉すだれ
東海道は五十と三次 中仙道は六十九次 
あまたの宿々 なくてならぬは そばやの看板
そばやの看板 お目に止まれば 元へと返す。
(5)
アさて アさて  さては南京玉すだれ
チョイと伸ばせば 阿弥陀如来か釈迦牟尼か 
後光に見えればおなぐさみ 阿弥陀如来が
お目に止まれば 元へと返す。
(6)
アさて アさて  さては南京玉すだれ
チョイと返せば 日本三景は天橋立 
浮かぶ白帆にさも似たり 浮かぶ白帆が
お目に止まれば 元へと返す。
(7)
アさて アさて  さては南京玉すだれ
チョイと返せば 日米国旗にさも似たり 
日米国旗がお目に止まれば しだれ柳に早変わり
しだれ柳に飛びつく蛙 蛙いないがおなぐさみ
アさて アさて アさて さて さて さて さては南京玉すだれ

注:広島保存会では、「日米国旗」の所を「二つの国旗」に変えています。