皿回し情報

出会い道具いかに習得したか最短の練習方法皿回しの技

1.皿回しとの出会い

皿回しとの出会いは、高校生の時に溯る。 テレビで皿を何枚も回しているのを見て、これは面白いと思い、一人で練習して身につけた。 といってしまえば一言だが、かなり長い時間がかかったように記憶する。

2.道具は何を使うか

回す棒は細い竹の棒で腰の強いものがよい。 皿は、お茶碗でもどんぶりでも西洋皿でもよいが、初心の間はプラスチックの中華皿のように皿の裏の底の厚みのある物を選ぶと良い。 現在私が使っている棒は釣り竿(つなぎ竿)の2番目の棒をつかっている。 これはグラスファイバー製で腰が強く丈夫であり、30センチ級の皿を2mくらい投げ上げて受けるのにも耐えうる。 みなさんがこれからやろうとする場合、笹竹が一番いいと思うが、なければ園芸用の支柱でも出来るしこれが一番入手しやすい。 但しこれは先が細くないので、皿の底の厚みが薄い物は非常に回しずらい。

3.どのようにして習得したか

今私が教えれば、ほとんどの人が一日で習得してしまうと思う。過去に何度か講習会を開いた事があるが、練習する方法さえ間違わなければこれほど簡単に身につけられる特技は余りないと思う。 当時何もわからないまま、私が考えた方法は次のようなやり方だ。
(1)畳の上に60センチくらいの竹の棒を立てて、その上に皿をのせる。
(2)棒の上に皿をのせたまま、両手で皿の両辺を持って、右手を向こう側に左手を手前に向けて回す。
(3)すぐに落ちるのであるが、落ちる前に右手で棒を持ち上げ、皿を回す事ができるようになるまで何回も繰り返して練習する。
(4)この段階が出来るようになったら、皿をさっきの要領で両手で回しながら頭上に投げ上げ、それを棒で受けて回す練習をする。 これが出来るようになると人前でもOKとなる。
(5)次の段階では、立ったまま右手で棒を持ち、左手で皿を持って、皿の底じきの内側に棒をかけて、左手で皿に回転を与えながら棒を起こしながら棒を回していく。
こんなプロセスを踏んだから非常に時間がかかった。

4.最短の練習方法とは

一番重要なことは何かというと、棒の上で皿を回す感覚を先に身につけるという事。 皿回しで難しいのは皿を回す事ではなくて、皿を棒にのせることである。 皿を回す事はあまり難しくないので、出来る人が皿を回して、その状態の棒を受けて皿を回す事を先に練習して、回す事は出来る状態になっておく。 次に、右手で棒を持ち、皿を左手で持って回し棒を起こしながら回す練習をする。
どう違うかというと、例えば、10回に1回は皿が棒にのせれるようになったとする。 これが回す練習が出来てないと、折角皿が棒に乗ったのに回す感覚が掴めてないから、10回に1回のチャンスを逃し、次に皿がのった時が2回目のチャンスとなるのである。回すイメージがつかめてないからまた失敗する。 このようにすると例えば10回目のチャンスにやっと自力で回す事が出来たという状態になる。 次の皿を回すチャンスは100回後というような感じで非常に時間がかかる。 回す事は本当は難しくないのである。 先に回すイメージを身につけておくと2回目ぐらいのチャンスで自力での回転が可能となる。

5.皿回しの技

舞台等で見せる私の技は指回し芸と連動させたものをよく用いるが

(1)4本輪っか&皿回し
中華中皿(業務用のプラスチック皿)を普通に回し、あらかじめ手首に入れておいた4本の輪っかを棒の下から投げ上げフラフープ状態に4本の輪っかを回し、皿と輪っかの回転二重唱という芸を行う。 終わり方は徐々にスピードを落とし、輪っかを先に落とし最後に皿を投げ上げ受け取る。

(2)大皿を棒上でキャッチ回し
中華大皿(30センチ級)を右手に持ち、左手に棒を持つ。 先ず、右手の指先で大皿を回し(これが出来る人はあまりいないと思うが、右の手のひらに乗せた大皿をそのまま、5本指を立てて皿に回転を付けて人差し指を重心に当てて回転を継続する。)、回転に勢いがついたらその状態で上空に投げ上げ、左手の棒で皿の底をキャッチする。
それから10秒程度回し続けて、今度は回転したままの棒を手のひらに乗せて重心を取りながら、今にも落としそうな感じで5mくらい歩く。(実際回して見ると解かるのであるか、この技は見た目に比べ全く難しくない。 重心を取るのに皿が乗っている方がかえって容易なぐらいで、棒だけを手のひらに乗せて重心が取れれば誰でもすぐに出来る。)
次は少し高度な技となるが、回転に勢いを付けて、舞台の下手に行き、そのまま真上に2メートルぐらい投げ上げ、またこの棒でキャッチする。 ここで、ほとんどの場合、拍手が頂けるので、もう一度だけ、今度は上手で披露する。 今度はキャッチしたタイミングでほんの少し投げ上げて皿を手で受ける。

(3)大皿6枚回し
この技は、大きな舞台で後見を付ける場合でないと難しいのでめったに行わないが(写真集の西区寄席出演の時は、後見とのタイミングが合わず、4枚で終わっている)手順はこうである。
準備として、幟立て台に150センチの園芸用支柱を立てたもの(立て方は省略)を1メートル間隔ぐらいで4本舞台中央に並べる。 先ず1枚目を右手の人差し指で回して、自分からみて右側の棒の上に乗せて、次に棒の中央を持って大皿の回転に勢いを付ける。
回転に勢いを付けながら左手で次に回す皿を受け取り、2番目の棒にも同じ要領で乗せていき、3番目、4番目と回し続ける。
次に2枚の大皿を受け取り、両手で同時に2枚の大皿を回し、計6枚の大皿回しとなる。
この芸が受けるのはここからである。 1枚の皿が棒の上で回るのは約30秒ぐらいであるから、後見との呼吸が非常に大事であり、途中少しでもロスが有ると6枚回しは不可能となり、4枚回しで終わってしまう。(でも、演技の前に6枚回しを行いますと言って演技をする訳ではないので、出来そうでない場合は4枚で止めても失敗したとは分からない) 後見の彼女とは施設の慰問やイベント出演などで何度も共演しているので可能であるが、初めての人だとまずうまくいかない。

    

6.一人13枚回しの大技

 平成20年1月に完成した13枚回しは、その様子が20年3月15日(土)のTBS系「ブロードキャスター」で、一瞬の内に全国に紹介された。これは本当にラッキーであった。 皿を一度に沢山回せないかと前々から考えていて、大分の日本皿回し協会で演芸用に使っている、アルミパイプを5本(1本が中心でその周りに東西南北に4本適度な角度に曲げて)くっ付けた補助具を使って、その先に竹を差し込んで大皿を5枚回しているのを見て、これだと思った。
  この4本のアルミの間にもう4本、一回り小さいアルミパイプを取り付けて、9枚回せないかと考えて、そのパイプにさす竹等をいろいろ工夫し、回す皿も大皿では、ぶつかり無理なので、小さめのアルミ皿で挑戦し、9枚回しに成功した。 もっと多く回らないかと考えて、口に銜えた木片に3本のプラスティックの棒を差し込んでその上で軽いプラスティックの皿を3枚回せないかと考え(最初は1枚で10枚できて喜んだがもう少しふやしたいと思い)工夫して、回せるようになり、最後に右手人差し指で指回しを行い13枚回し完成となった。
 この後がすごかった。 13枚回した写真を自分HPのトップページに日曜日に載せた所、すぐの木曜日にTBSからメールが入り取材したいと言う話で、すぐの土曜日にはロケ撮りとなった。 もし間に合えば、その日のブロードキャスターに載せたいといっておられたが、実際は翌週の3月15日となった。 と言う事は、HPに載せて2週間で日本全国に紹介された事になる。 インターネットおそるべしである。 その後、平成22年9月までにテレビで4回紹介された事になった。