傘回し情報

1.はじめに

傘回しというのは、太神楽の演目<太神楽十三番>のうちの一つで、傘の上へ茶碗や曲物または毬などを乗せていろいろに回す〜傘の曲〜。 お正月になると寄席番組でよく見かける「海老一染太郎・染之助」の演技ですっかりお馴染みのことと思います。
この演目は海外でも珍しいようで日本的な曲芸の一つと言えるでしょう。


2.傘回しとの出会い

傘回しの曲芸は、テレビなどで見てよく知っていましたが、自分でやってみようと思ったのは訳がありました。 別の項で載せてます「南京玉すだれ」と「指回しの曲芸」で老人ホームや矯正施設などを仲間と慰問を続けていく中で、レパートリーを増やそうと思ったのがきっかけです。
舞踊で使う高級な絹張りの傘を入手し、練習方法もわからないまま毎週末に30分程度ボールを傘に乗せる練習を続けていましたが、何度やっても上手くいかず、高い傘が無駄になると思いながらも、2ヶ月程度で断念してしまいました。 2年ぐらい経って、「キンキキッズ」のテレビ番組で尾藤イサオさんが傘回しをするのを見て、「コツは傘の傾け方と回転速度」であることに気付き、仕舞い込んでいた舞踊傘を取り出してきてボールを乗せて回すと、数回で回す事が出来ました。 あんなに何度もやって出来なかったものを、尾藤さんの回す方法を見て出来るようになりました。

3.その後の練習

ボールがその日のうちに廻るようになり、人前で見せるにはボールより手毬の方が良いと思い、民芸やを探し手毬を入手しました。 レパートリーを増やす為に、傘回しの3点セット「毬、金輪、マス」の残りの金輪と升を捜しました。 ますはすぐに入手出来ましたが、金輪はなかなか見つからず、「東急ハンズ」なら何でもあると聞いて行ってみると有りました。 当然、傘回し用という訳でなく、バッグの持つところに使う金輪として売っていたので、早速購入してすぐに練習を開始しましたが、その日のうちに回るようになりました。 次に、一合ますに挑戦しましたが、四つ角でがたがたぶつかり、回しづらいので、角をサンドペーパーで磨き少し丸みを付けると回しやすくなりました。 やはり一合マスより一升マスの方が派手だからと思いホームセンター等を捜しても見つからず、最終的には又東急ハンズで購入しました。 しかし練習しようとすると絹張りの傘に一升マスは負担が大きすぎて、傘が少し破れそうになったので、諦めてこのマスは指回しで使う事にしました。
私は、絹張りの傘を使っていますが、これはかなり高価です。 民芸品店で番傘のようなものを売っていますが、これだとボール回しは出来ても、金輪を回す事は出来ないと思います。なぜだと思いますか。 それは、ボールを回す場合は傘の下から見てボールの位置だけ分かればいいので、番傘でも回す事ができますが、金輪の場合は金輪の位置と傾きが解からないと上手く回す事ができません。(でも名人の域に達すれば番傘でも可能だと思う)

4.慰問等での演じ方

私の場合は、「指回し芸」のオープニングとして、傘回しから入る事が多いのですが、次のように演じています。まずは、(1)手毬を傘に乗せて10秒程度回します。 ここで少し拍手が来ます。 次に、(2)「皆様、お金に不自由していませんか? お金に不自由しないように、すなわち金回りがよくなりますようにと祈念致しまして、金の輪を回してみせます。」とおしゃべりを入れながら、傘に金輪を乗せて回し始めます。 金輪が傘の骨の上を音を立てながら回るので、これにあわせて「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」と言いながら15秒程度回します。 (3)「最後に皆様がマスマス健康で長生きされますように」と言ってマスを傘に乗せて5秒程度回して傘回しの演技を終えます。

5.2011年現在のレベル

.   2009年に乱回しを覚えて、演技に幅が出来た。 傘に載せるアイテムも「鞠」、「升」、「リング」に加えて「プレート」、縫い包み」
   等も追加され、傘回しの演技だけでも10分程度演技できるようになりました。