カードマジック情報

1.はじめに

あっとおどろく大魔術、大奇術のたぐいも含むすべての手品のなかで、手品中の手品はなんといってもカードマジックであると私は思う。 もっともこういうことは好みの問題であって、ふん、トランプ手品か、と鼻で笑われたらそれっきりだし、そんな小手先のトリックよりも、壮大華麗なマジック・ショーの方が断然すきだ、という人がいても一向に不思議はない。 だから自説を押し付ける気は毛頭ない事をお断りした上でいうのだけれども、美女の胴体を輪切りにしたり、あとからあとからハトをだしたり、そういう奇術に、私はあまり興味がない。
客席とのあいだに十分な距離を置き、大掛かりな道具や仕掛けを用い、助手の手まで借りて行うステージマジックに対して、テーブルマジックもしくはクロースアップと呼ばれるカードトリックは、種も仕掛けもない普通のトランプを用いて、目と鼻の先で人をだます。 何をだますかというと、人間の目と心をだますのである。そこのところに、汲めども尽きぬ興味がある。
カードマジックの魅力に取りつかれて、もうずいぶんになるのだか、学生時代に比べてあまり技術的な進歩はしてないようである。 本屋さんで新しいカードマジックの本を見つけるとすぐ買ってしまうのであるが、新ネタを最近身につけていない。 ホームページにこんな事を書いた事をきっかけに、また技術を磨きを掛ける気になってきた。

2.こんな不思議

これから記すマジックの現象は児童館や宴会などで、わたしが普通のトランプを使って演じた事のあるマジックです。 これって本当に不思議だと思いませんか?

(1)クイーンから情報入手
一組のカードを裏向きでお客様に渡して、私が後ろを向いている間に、数回トランプをくって、その一番上のカードを表を見ずに、ポケットに入れてもらいます。 次に残りのトランプからクイーンを一枚取り出してもらい、このカードを先ほどカードを入れたポケットに入れて、そのクイーンを手渡してもらいます。 私はこのクイーンからポケットの中にあるカードの種類と数字を聞き出す事ができます。

(2)透視能力をあなたに(これは「OUT OF THIS WORLD」というあまりにも有名なマジック)
カードの裏を見てカードの表は赤色か黒色かあてる実験をするのであるが、私が当てるのではなく、お客さが当てるという実験を行う。 まず、ガイド用にハートのAとスペートのAを表向きに出して、これから出すカードの色が赤だと思ったら、ハートのAの上に裏にして置き、黒だといったらスペードのAの上に裏にして置く。10枚程度出したところで、今度はガイド用にダイヤのAとクラブのAをさっきとは赤黒を逆にして置き、同様に10枚程度続けてストップして、どうなっているか調べると赤、黒完全に一致しているではないか。

(3)偶然の一致
ご夫婦とか恋人同士などの仲のよさそうな二人にお手伝いをしてもらい、先ず女性にカードの一組の中から、好きなカードを一枚とってもらい、覚えてもらった後にカードの中ほどに戻してもらう。 そのカードを私がシャッフルして、カードの上からハンカチを被せて、男性にハンカチの上から好きな所でカードを取り除いてもらう。 そうすると、取り除いた後の先頭のカードを取り出してカードの表を見るとなんと、彼女のカードと一致している。
(このマジックも52枚全部同じカードを使えば誰でも簡単にできますが、そういったトリックカードを使わなくても普通のカードでできます。)

(4)ハンカチを抜け出すカード
お客様にカードを一枚抜いてもらい、カードの中ほどに戻してもらった後、このカードをハンカチに包んで、このハンカチをゆすっていると、カードが1枚だけハンカチの中から抜け落ちてくる。 この落ちたカードがお客様のカードと一致しています。

(5)表を一度も見ずに5人のカードを当てる
5人のお客様に5枚ずつカードを配り、それぞれ1枚のカードを覚えてもらう。 次に、5人からカードを回収し、5人に手のひらを出してもらい、その手の上に再度5枚ずつ配り直して、1番目の人のカードから順に全員に見せて自分のカードがどの山にあるか覚えてもらう。そのカード5枚をそれぞれ違ったポケットに入れていき、最後に一人ずつ自分のカードがどのポケットにあるかを言ってもらい、聞いた瞬間にポケットに手を入れてカードを取り出す。 そうすると5人ともカードが一致している。