◆絹本著色両界曼荼羅(けんぽん ちゃくしょく りょうかい まんだら)

概要:金剛界曼荼羅 縦138cm、横115,8cm
   胎蔵界曼荼羅 縦138cm、横114,5cm
金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅は、共に室町時代中期に制作されたと考えられています。金剛界の大日如来の光背、 蓮華座や胎蔵界中央の中台八葉院部分に用いられているうんげん彩色の技法に特色が見られます。

『新山安国寺不動院由来』によると、この両界曼荼羅は福島正則が寄進したものと言います。 当時の住職宥珍は、福島正則が心の師と仰いでいた人物でした。恵瓊亡き後空寺となったこの寺に入ったのも、 福島氏の招きによるものです。後に福島氏が信濃国(長野県)川中島に移封された時には、宥珍もこれに 同行したと言い、両者の結びつきの強さを感じさせます。この曼荼羅も、このような縁によって不動院に寄進されたものでしょう。