どうしようもない程の想いに囚われるのは、いつでも、一瞬のことだと思っていた。
そうとは限らないことに気付いたのは、いつだったのか・・・
気に入らない女。
いけ好かない女。
出来れば係わり合いになりたくない種類の。
それでも、何故か惹かれた。
だから、気になった。
いつでも。
必ずこの腕に抱いてみせると心に決めたのは、当然の成り行きだった。
少しも思い通りにならない女。
未だに思い通りにならない女。
最後に思い通りにならない女ではなく、最後まで思い通りにならない女だ。
それでも、きっと、少しも後悔はしないだろうという確信がある。
別れた男を、捉えて離さない女。
鮮やかな印象を放ちつづける女。
現し世で確かに生きていることを、押し付けがましいほどに顕わしている。
こんな女が、こんな女に、という思いは、実は未だにある。
きっと、ずっと、抱き続ける思いだろうという自覚もある。
こんな女だからこそ、という想いがあるが故に。
何時の間にかどうしようもない程の想いに囚われていた。
必ずこの腕に抱いてみせると心に決めている。
やはり、不思議と後悔はない。
この腕に抱かれるべき女。
この手にしなければならない女。
―だから・・・
「俺がホントに生きてるかどうか、確かめに行くんだ」
・END・
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